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カタルーニアの魅力 2 <カステル・ガラ ダリが奥さんに贈った小さなお城>

2020-08-14 21:38:11 | 素晴らしき世界/スペイン


カタルニアが生んだ至宝『サルヴァドール・ダリ』は、生前カタルーニア政府から『プーボル男爵』領(プーボル村)を贈られ、同時に爵位を格上げし『ダリ・デ・プーボル侯爵』という爵位を授けられました。

その爵位に伴う幾つかの城の一つ、侯爵領「プーボル」の城を、ダリは奥さんの『ガラ』にプレゼントしました。
1970年のことです。

その館はそれ以来『カステロ・ガラ』と呼ばれることになりました。



ダリ・プーボル男爵夫人ガラ・エリュアール



カタルーニア第二の都市『Girona』から東へ15㎞ほど田舎の街道を走ると「プーボル村」に着きます。



プーボル村 全景


写真の、ひまわり畑の向こうの一かたまりがプーボル村。
左の塔は村の教会です。

そこからすぐ、右側の木立の中に『カステロ・ガラ』は、ひっそりと隠れるように存在します。



主門


大掛かりな城門のあるお城ではありません。
お屋敷といった風情。

アーケードをくぐったり内側の中庭みたいなところに抜けると、彼の愛車が四台保存されています。


  



  


馬車(フレームしか残っていませんが)2台と、車が2台。
公式な外出用とおぼしきキャデラックと、日常使いと思われる「ダッツン」。
なぜだか、ほっこりしました。

日本車が、安かろう悪かろうから、安い割に堅牢、という評価を受けることになる最初の輸出車が「ダットサン」だったのです。
海外では「ダッツン」と発音されていました。


城内は、ある意味なんでもありの夢の国。

まずは、侯爵閣下の「玉座」(とは言わないでしょうが)。



男爵座

もちろん彼自身のデザインのようです。
背もたれのメダイヨンの中は、油彩で幻想的な田園地帯の夕景。


当然、礼拝堂もあります。
貴族のお屋敷ですから。


    
祭壇                   天井画(部分)   


天井画

天井画も、もちろん彼自身の作品です。

そして、貴族の館の伝統的な部屋々々。


  
主寝室の寝台                 サロンの一隅


予備寝室の寝台


かと思えば、明らかに部屋のコンセプト自体が「サルヴァドール・ダリ」な部屋の数々。


例えば浴室は、角の一見暖炉のように見えるカーブの切り込みの奥に、また繰り込んで隠されています。


  
中央の暖炉様の奥にリネン置き場            その中に入るとさらに奥にバスタブ



あるいは、暖炉の様に見えなくもない照明や、トロンプ・ロイユ(だまし絵)の扉。
右下の写真は、壁に書いた「開いた扉」で、実際に開口部はありません。


  
暖炉に擬した照明                だまし絵の扉(通れません)



田舎風のタンスをリメイク。
それから、ガラスのキャビネットには彼のコレクションの小物の展示。


  



かと思うと、彼は衣装もデザインしていました。

スペインでは『聖週間』という、復活祭直前の一週間が最も重要なお祭りで、全国であらゆる人々が着飾って街を埋め尽くします。
『フェリア』と呼ばれるその祝祭に参加するときの、彼がでワインした衣装も展示されていました。


  
プーボル男爵サルヴァドール・ダリの衣装           男爵冠


  
男爵夫人の上衣                  その他多数



ユニークなテーブルは、彼のコレクションだと思われます。
そのテーブルを、照明器具としても利用。

 
  


暖炉もユニーク。






有名な作品の展示もあります。


  
      溶ける時計                 鼻の形の暖炉とペアの唇型ソファー


唇型のソファーと鼻型の暖炉は、一定の高さかの女性の顔を象って刳り貫いた隙間から覗くと、人間の顔に見えるように配置された作品で、現在は同じカタルーニアの『フィゲーラス』という街の「シアター・ミュージアム・パレス」に、完成形で飾られています。

さらには。
彼のデッサンから、絵の具箱まで展示されていました。


  








先にご紹介した愛車の展示のアーケードの奥には、彼と奥様との墓標もあります。


  



城内を出ると、外は緑が目に染み込んでくるような木々に溢れたお庭があります。

その中には、彼のコレクションのオブジェや、彼自身の作品が飾られています。


その中で不思議だったもの。

他の彫像はしっかり立っているのに、一体だけ隅っこにひっそり。
で、よく見ると膝から下がない。



足のない大理石像


そこで思い出したのが、その前の壁で見た膝丈夫から下だけの脚をあしらった壁面!


脚の一部の装飾


シシュールレアリスムの旗手だけのことはある。。。



ゾウさん2種。

ゾウさん 1


ゾウさん 2


噴水1と、そのディテール。


噴水 1


噴水 2 (部分)




噴水2と、なぜかダリだらけの装飾。。。


噴水 2


ダリだらけ.....




そして、美しい男女像。









なお、売店にはダリの作成したオブジェのレプリカ装身具を売ってます。


  


私はお庭にあった「ゾウさん1」のペンダントを買っちゃいました。
それが一番素敵でした。




カタルーニアは、魅力溢れて良いところがたくさんあります。
次回をお楽しみに!



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