一 閑 堂

ぽん太のきまぐれ帳

初春芝居三昧計画

2005年12月03日 | 歌舞伎・芝居
そろそろ鬼が笑わない時期になったはず。そこで、来年一月の話を。実は、みる予定の芝居が多すぎて、今からフラフラなのだ。果たして、すべてクリアーできるのか?! 我ながら、不安が募る。

まず、初芝居
地味目なスタートだが、『児雷也』で壊れてしまった私は、国立劇場にて菊五郎劇団の復活狂言!
お題も、『曽我梅菊念力弦(そがきょうだいおもいのはりゆみ)』
南北作品、正月らしい曽我物ということなので、いくっきゃないだろう。
菊十郎の立廻りも、今からとても楽しみだ。

ちなみに、国立劇場は、お白洲(最高裁判所)に隣接しているせいか、あるいは、江戸城もとい宮城がドドーンとあるせいか、どうも辛気臭くていけない。
足を運んで、気分が晴れやかになることがあまりなく、歌舞伎専用劇場、それも国立(今は独立法人だが)のそれとしては、致命的欠陥がある。桟敷席がないことだ!
おまけに見物の雰囲気が、渋めというか、あまり構わないというか、限りなく平服、それも普段着率が高いので、客席があでやかにみえない。やたら横長の舞台の客席センターブロック全体が、沈んでみえるのが寂しい。
ところが、正月松の内の興行だけは、「え?これが国立劇場なの!?」というくらい、華やかになる。
おそらく年に一度だけだと思う。(踊りの会発表会などは、また別の話)

次に、松の内か否かに関わらず、やはり歌舞伎座は外せない。
坂田藤十郎襲名もあるし、正月の歌舞伎座、銀座界隈は、いつもと一味違った賑わいをみせる。
もちろん、昼夜いく予定だ。

そして、新春花形歌舞伎が恒例化している浅草公会堂
なんとなく、いかないでもいいか…と思ってしまう浅草だが、これがすこぶる面白い。
若手公演のため役者一同精一杯勤め、余裕がない者同士、舞台の温度はとても熱い。
また、前半と後半とで、み違えるように上手になる。舞台に立つたび、全員が成長するからだ。
みるたびに芝居の原点のようなものを感じ、素直に感動し、興奮する。
浅草という場所もいい。観音様へのお参りも兼ねて、出かけている。

できることなら演目変わり、役者替わりのある昼夜といきたいが、まずは、昼の部最優先である。
亀鶴が斧定九郎を演じる「二つ玉」を、是非ともみたいからだ。
成田屋流黒羽二重の「五十両…」でいくのか、上方流山賊姿でいくのか、いや、仲蔵流に濡れた姿で花道登場か、そこもちょっと楽しみなのである。
亀鶴はここ数年来注目している役者ながら、歌舞伎座の本舞台に立つ機会があまり多くない。
また、基本的活躍の場も上方だ。
したがって、東京ではなかなか目にすることができないのだが、古風な味わいをもった、達者かつ面白い役者で、彼独特の奇妙な艶に心惹かれている。

さらに、新橋演舞場
『信長』は歌舞伎ではないが、海老蔵が出るのだから、みない訳にはいかないだろう。
それでなくとも新歌舞伎の海老蔵が好きな私としては、一層だ。
(とりあえず、来年は昼夜じゃなくて、本当によかった…)
私の夢は團菊婆になることなので、内容は別として、まずみ逃さないことが肝要なのである。

そして、サンシャイン劇場
歌舞伎にあらず。どちらかというと、限りなく新劇に近い山崎正和の作品『獅子を飼う』だが、三津五郎と平幹二郎が共演する舞台。
三津五郎初めのためにも、みなくてどうする!

本当は、これで終了のはずだった。時間があれば、寄席などをひやかすのもいいかな…などと思っていた。
が、もう一本、みるべきものがふえてしまった。
前進座『三人吉三』。こちらは若手公演になるが、それでもいい。みたい!
もともと『三人吉三』は小芝居用に書かれたのだし、世話の生活感や渋い味わいが、まだ幾分残っている前進座の舞台での『三人吉三』がどうなるか、とても興味がある。

ということで、都合7演目。国立は、せめて二回ほどはみたいので、都合8回!
これだけの本数を、一月の間にこなさないといけないのだ。想像するだけで眩暈がする…。
他に新派もみたかったが、さすがに無理だろう。
例年以上に気合いをいれて、新年に備えねば…! 年明けから芝居漬けになりそうだ。
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4 コメント

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私もあっぷあっぷ (urasimaru)
2005-12-04 11:31:14
今月の文楽はあきらめました。

なによりも脳みそがついていけない(><)

3等席が売り切れていることを確認してからそう判断した事は内緒です(笑)。
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文楽・・・ (ぽん太)
2005-12-04 13:58:17
urasimaruさん、十二月の文楽公演、結構楽しみなもので、やっぱり外せません(涙)。

毎年を思い返してみると、歌舞伎座をパスしても、文楽はなぜか絶対みてるんですよね。

というのも、結構面白い演目をやることが多いというのと、あとはやはり若さの魅力ですね。

伝統芸能は60歳位になって半人前という世界ですが、若さゆえ発見がある、面白い!と思える舞台は案外あると感じています。

正月の浅草を無理してもというのと似てますが、体が動く、声が力まかせに出せる分、文楽もシンプルな面白さが感じられて、何やら癖になるんですよ。



最悪、チケットはとったものの歌舞伎座はどちらかパスするかも、ですが『松浦の太鼓』は好きなので、みたいで~す。年末気分にぴったりだし(笑)
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ぽん太さんにはかないませんが (六条亭)
2005-12-05 22:22:45
国立劇場は、いつもどうしてあのように殺風景なのかと思うほど歌舞伎の雰囲気に欠けますが、初芝居はとても華やかでお正月の情緒満点ですね。二代目松緑さんが国立が大好きで、初芝居もよく出演されていたことが思い出されます。



ましてや今年は菊五郎劇団のまたもや珍しい南北の通し狂言の曾我もの。これだけは外せないですね。当方に取っては、その次が浅草歌舞伎で、歌舞伎座の藤十郎襲名興行は、優先順位が低いです(笑)。
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やっぱり、楽しみですよね (ぽん太)
2005-12-06 09:54:55
六条亭さん、いつもありがとうございます。

初芝居、何にしようか、来年は何をみようか?と考えるのは、なんとなく楽しいですね。

あと、ご指摘の通り、国立劇場はハレ感がないというか、別の意味のハレ、厳かすぎてナンですよねぇ(笑)

その雰囲気が変わるのがお正月、それも初日だと思うので、どうせなら初日にみたいものだ…と感じています。

松緑さんは、たしかに意欲的に国立劇場で復活狂言をなさっていましたね。そのお陰もあって、今の菊五郎劇団につながるのでしょう。



藤十郎襲名、私はやっぱり外せないです。

だって、坂田藤十郎ですよ!元禄以来の名跡復活…。もう、これだけで、ワクワクする大馬鹿者で、まさしく松竹の思い通りって奴ですね(笑)
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