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キュッヒル・クァルテットのハイドン・ツィクルス Ⅱ

2021年06月26日 |  pocknのコンサート感想録2021
6月24日(木)キュッヒル・クァルテット 
~Vn:ライナー・キュッヒル、ダニエル・フロシャウアー/Vla:ハインリヒ・コル/Vc:シュテファン・ガルトマイヤー~
~サントリーホール チェンバーミュージック・ガーデン 2021~
サントリーホール(小)ブルーローズ

【曲目】
1.ハイドン/弦楽四重奏曲 第32番 ハ長調 Hob. Ⅲ:32
2.    /弦楽四重奏曲 第60番 イ長調 Hob. Ⅲ:60 
3.    /弦楽四重奏曲 第79番 ニ長調 Hob. Ⅲ:79「ラルゴ」
【アンコール】
1.ハイドン/弦楽四重奏曲第57番 ト長調 Hob. III:58~第2楽章
2.    /弦楽四重奏曲第38番 変ホ長調 Hob. III:38「冗談」~ 第4楽章
3.    /(同)~第2楽章
4.    /(同)~第3楽章
5.    /(同)~第1楽章

キュッヒル・クァルテットの4人がウィーンから無事来日。ブルーローズでハイドン・ツィクルスの演奏会が開かれた。第1回として予定されていた6/22の公演は入国制限措置の影響で延期されたため、第2回の今夜が来日初公演となった。

カルテットの名前にもなっているウィーン・フィルの元コンサートマスターのライナー・キュッヒルを筆頭に、ウィーン・フィルの現役と元団員から成る弦楽四重奏団ということで、大いに期待して耳を傾けたハイドンだった。

演奏が始まると、ハイドンゆかりのエステルハージ宮の広間で聴いているような気分になった。ブルーローズのお洒落な雰囲気や豊かな響きも手伝ってのことだが、屈託のない伸び伸びとした演奏スタイルも、そんなイメージに合っている。

クァルテットの演奏を特徴づけているのは、何と云ってもキュッヒルのファースト・ヴァイオリンだ。70歳になったキュッヒル氏だが、枯れるどころ、ますます脂が乗り、自信に溢れるアクティブなヴァイオリンをギラギラと聴かせる。ここぞというところではエイヤっと気合いで一段と存在感を示す。高音の艶やかな美しさも耳を引く。これは捨てがたい魅力ではあるのだが、他の3人が織りなすアンサンブルから浮いている印象を受けた。音程が気になることも・・・

キュッヒルと同じく結成時からのメンバーのヴィオラのコルも、昨年加わったチェロのガルトマイヤーも、10年目を迎えるセカンドのフロシャウアーも、とても落ち着いた味のある調和したアンサンブルを聴かせていただけに、この路線でハイドンを聴きたいと思ってしまった。

しかし、次々と演奏してくれるアンコールを聴くうちに、そんな不満は忘れてきた。伝わってきたのは、メンバーが音楽を愛し、演奏することに心から喜びを感じているということ。ウィーンでは、聴衆入りの演奏会は半年を優に超えて中止され、最近ようやく再開したばかり。今夜のような満員の聴衆の前で演奏するのは、彼らにとって本当に久しぶりだったに違いない。それもあってか、チェロ以外は立奏にもかかわらず、疲れなど全く感じさせずいくらでも演奏していたいという気持ちが伝わってきて、その喜びを聴衆として共有した。ハイドンの遊び心が弾けた「冗談」は、終楽章でのおふざけに僕もまんまと騙されてしまったが、結局この曲は全楽章をアンコールでやり、満場の拍手が続くうちにお開きとなった。

ところで休憩時間に、よく見かけるおっさんが客席に知り合いを見つけて、演奏の文句を周りに聞こえる声でずっとわめいていた。聞かないようにしていたが、音楽を楽しみたくて来ているのにネガティブな話を聞かされるのは本当に迷惑。どれだけ詳しいか知らないが。このおっさん、いろんなところに出没してマナー違反や迷惑行為を目にすることがあるので覚えてしまった。要注意人物だ。

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