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足繁く通う演奏会の感想等でクラシック音楽を追求/面白すぎる台湾/イタリアやドイツの旅日記/「ドイツ留学相談室」併設

芸大ミュージカルエクスプレス「フットルース!」

2019年04月09日 | pocknのコンサート感想録2019
4月5日(金)芸大ミュージカルエクスプレス2018年度定期公演(夜公演)

      フットルース!
Footloose

かめありリリオホール

★CAST
レン:辻雄飛/アリエル:古川和佳奈/ショウ:塙康平/ヴァイ:斉藤美萌/エセル:奥平光音/チャック:丸山真矢/ウィラード:井口大地/ラスティ:北川瑛未/アーリーン:福嶋望実/ウェンディ:吉原花子ナディーカ 他
★BAND
ピアノ:久野飛鳥/シンセ:和久井沙良/エレキギター:根本俊介/エレキベース:米光椋/パーカッション:佐野幹仁
★STAFF & ART STAFF
演出:荒木遼/振付:遠藤優美子、奥平光音、森下薫/音楽監督:中村ゆず/舞台監督:日比優里/美術監督:小笠原幸永 他


ミュージカルは普段観ないので、情報が目に入っても意識の領域まで来ない。けれど「芸大ミュージカルエクスプレス」の名前を見たら、いつかの藝祭を思い出した。歌もダンスも上手でストーリーも面白く、ミュージカルって楽しい!と思った。定期公演なら、更に本格的なステージを観れるのでは?と急に食指が動き、藝祭公演を一緒に観て感激していた娘と観劇した。

いやぁーホントにスゴかった!素晴らしかった!感動した!バンド演奏と共に照明がパッと明るくなり始まったステージはいきなり全員のダンス。生き生きした動きも、瑞々しいコーラスも、ピッタリ揃って超カッコいいオープニング。カラフルなコスチュームも決まってる。それから休憩を挟んで2時間半、心も目もステージに釘付けだった。

「フットルース」は映画化もされたブロードウェイミュージカル。大都会シカゴから、田舎町ボーモントに越してきた主人公レンが、保守的な町の住人やクラスメイトからトラブルメーカーと問題視され、ぶつかりながら、中でも最も厳格な牧師を父に持つアリエルと引かれ合うようになる。ある不幸な出来事で生まれた町の条例「ダンス禁止令」が、この町の人々を過去に縛り付けていることに気づいたレンが、友人たちとこれを撤廃することに奔走し、議会とぶつかりながらも、アリエルの父、ショウの心を動かし、ハッピーエンドを迎える、という物語。

すっかりストーリーに引き込まれ、登場人物に感情移入して、笑い、怒り、悲しみ、ジーンときて、コーラスとダンスに心が躍った。キャストは、歌も芝居もダンスも抜群の腕前だし、複数で繰り広げるパフォーマンスはどれも見事な切れ味で決まりまくる。バンド演奏もメチャカッコいい。音楽は、激しいロックンロールもあれば、じっくり聴かせるバラードもある。教会のシーンでは一転して敬虔な讃美歌のハーモニーが会場を包む。

次々と転換するセットはどれも本格的で、照明効果も抜群。本当に学生だけの公演?と、パンフを読み直してしまった。舞台セットや美術は美校生が担当し、役者とバンドは、パンフに所属は出ていないが音校生が中心に違いない。どれもがプロ級というより、ホンモノのプロの仕事だ。それにしてもこれほどの大作を、セリフも歌詞もプロンプターなしで完全に消化して名演技を披露し、抜群の歌唱と鮮やかなダンスを決め、長時間のパフォーマンスを成し遂げるために注いだ時間と労力はどれほどのものだったか。キャストは誰も甲乙つけがたい素晴らしい出来栄え。

とりわけ心に刻まれたのは、やっぱり出番が多い役。辻さんのレンは芯が通り、根性が座っていて主人公に相応しい。古川さん演じるアリエルは、屈折した外ズラとは裏腹に、内に秘めた愛と情熱の炎が伝わった。牧師ショウを演じる塙さんの貫禄と存在感は実年齢より恐らくかなり高い。歌からは真っすぐで澄んだ心が感じられた。牧師夫人ヴァイ役の斉藤さんは、冷静で思慮深く、娘と夫を包むあったかさが伝わった。存在感と云えば、ちょっと道化役ウィラードを演じた井口さんの茶目っ気と人懐っこさには、ストレートに感情移入できた。仲良し3人組、アーリーン、ラスティ、ウェンディを受け持った福嶋さん、北川さん、吉原さんの三重唱はとてもチャーミングで魅力的だった。その他、みーんな素晴らしい!

芸大生の気概と技が結集し、正課ではなくサークルの自主公演に賭ける情熱と努力が、観客を感動の渦へと巻き込んだ。幕となり、止まらない大喝采と歓声。メンバーの清々しい表情。僕も娘も「スゴーイ」を連発して夢中で拍手。出演者たちも加わった終演後のロビーでは、上気して、中には涙目の観客の感嘆と称賛で溢れ、いつまでも余韻は冷めない。ミュージカルって楽し過ぎる。そして、芸大ミュージカルエクスプレスは凄すぎる。また来よう!

芸大ミュージカルエクスプレス 藝祭公演《パッショネラ》2012.9.7 藝大第1ホール


♪ブログ管理人の作曲♪
金子みすゞ作詞「私と小鳥と鈴と」
S:薗田真木子/Pf:梅田朋子
「子守歌」」~チェロとピアノのための~
Vc:山口徳花/Pf:奥村志緒美
合唱曲「野ばら」
中村雅夫指揮 ベーレンコール
金子みすゞ作詞「さびしいとき」
金子みすゞ作詞「鯨法会」
以上2曲 MS:小泉詠子/Pf:田中梢
「森の詩」~ヴォカリーズ、チェロ、ピアノのためのトリオ~
MS:小泉詠子/Vc:山口徳花/Pf:奥村志緒美

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