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足繁く通う演奏会の感想等でクラシック音楽を追求/面白すぎる台湾/イタリアやドイツの旅日記/「ドイツ留学相談室」併設

台湾最南の地、サンゴ礁が広がる南国・墾丁(その1)

2019年02月10日 | おもしろすぎる台湾
台湾最南端の地 墾丁(ケンティン)は、ガイドで「南国リゾート」なんて紹介されていて、一度は行ってみたいところだった。けれどここへ行くには、飛行機(国内線)のアクセスもよくないし、高鐵(新幹線)の終点からバスで更に3時間近くもかかり、まさに最果ての地のイメージ。今まで高雄までは何度か来ていたが、そこから先にはまだ足を踏み入れていなかった。

今回とうとう訪れた最果ての地、墾丁はまさに南国の楽園という感じで、想像を上回るステキなところだった。

2017年3月14日(火)
いつもは羽田発松山空港行きの早朝便を使い、初日から台湾を目いっぱい楽しむのだが、今回は息子の学校の休みが合わず、やむなく成田発の最終便で台北桃園空港へ。空港からは奮発してホテルまでタクシーを使った。常宿の天成飯店に35分で到着。

南機場夜市
台北駅で、翌日乗る高鐵の割安な3 day passを購入していたら11時近くに。でも、せっかく台湾に来たんだから何か楽しいことをしたい!ということで、2年前に行って美味しい屋台がいっぱいあった、超ローカルでディープな雰囲気の漂う南機場夜市へタクシーで向かった。

着いたのはもう11時過ぎだったが、2時までやっているということなので、まだまだ宵の口と思いきや、人も少なく屋台も閉まっているところが多く、一昨年の賑わいはない。まだ開いていたお粥のお店に入って、ぼくは奮発してアワビのお粥を頼んだ。と言っても150元だから500円弱。アワビがいっぱい入っていて噛めば噛むほど味わい深くて美味!


お店のご夫婦はとてもにこやかで愛想がいい。「台湾に遊びに来たんですか?」と訊かれ、毎年来ていること、明日は墾丁に行くことなど、何度も訊き返したりしながらのつたない中国語でおしゃべり。「2年前に船で沖縄に行きましたよ」と写真を見せてくれた。お店は僕たちでラストオーダー。早速台湾ならではの温かい人たちとのコンタクトが持てた。

開いているお店はますます減って来たが、カジキのさつま揚げをゲット。そのあと、フルーツジュースの屋台でパイナップルジュースを飲んだ。初日の台湾でのお楽しみはこれだけだったが、明日に備えてホテルへ戻った。



2017年3月15日(水)のち時々ちょっと
左営から墾丁へ、拼車に乗って
早起きして7時51分発の高鐵で左営へ。乗車前に行きつけの朝ごはんやさんで朝食を買っておいて車内で食べた。韮まん、おこわ、豆漿… みんなうまい。定刻通り9時30分に左営到着。ここから墾丁の宿(民宿)に行くには、宿の人のメールでの説明によれば、ガイドに載っているバスでも来れるけれど、墾丁のターミナルで乗り換えなければならないし、時間もかかるので「拼車(ピンチュー)」がおススメとのこと。バスを使うと2時間半から3時間かかるけれど、拼車なら2時間。料金もバスよりちょっと高いだけで1人400元で来れるという。「拼車」って何だろう?マイクロバス?宿の人とのメールのやり取りで、どうやら大型の乗り合いタクシーのことだと判断。

「行けばわかる」というので、駅の改札を出て取りあえずバス乗り場へ向かい始めた直後、ちょっと強面の運転手風のおっさんに声をかけられた。「拼車?」って訊いたら「そうだ」。宿の人は1人400元って書いていたが、ダメモトで4人で1200元で行けるか?と交渉したら、苦笑いしながら渋々OKしてくれた。えっ、本当にいいの?これならバスより安いんだけど、まあ安いに越したことはない!車はワゴンタクシー。他に台湾人のお客が3人乗って来た。なるほど、これが乗り合いの「拼車」か。

高雄市内で事故渋滞にハマったが、その後は順調に走った。それにしてもこのオッサンの運転はハンパじゃない。とにかく飛ばす。高速道路では130キロ、一般道でも100キロ。それだけじゃない。信号で停まると、路肩に出て信号直前まで進み、青信号でちゃっかり先頭に出る。車の間を縫うように走り、前の車がモタモタしてるとクラクションを激しく鳴らし続け、追い越し際に窓を開けて大声で怒鳴りつける。運転中はずっとビンロウをクチャクチャと噛んでいて、容器にカスをペッペと吐き出す。助手席の僕の方を向いておしゃべりしながら車線変更したら、後の車に激しくクラクション鳴らされた。あまりのムチャな運転にずっとヒヤヒヤ。。生きた心地がしなかった。

そんな運転のおかげ?で、1時間40分で墾丁に入った。それまでどんよりしていた空に青空が広がり、椰子が生い茂る風景に南国を実感。尖がった山が見えた。墾丁の象徴の山、大尖石山だな。タクシーは間もなく宿に到着。運ちゃんは僕らの帰りのことをすごく気にしている。運転中もしきりに訊ねてきたが、こんな恐ろしい運転はもう勘弁してもらいたかったので、「まだわからないから…」と適当にごまかしていたが、宿まで一緒に来て、宿の人も話に巻き込んで、明日もおっさんの車を使うことにしてしまった。こういう時に断り切れないのが俺なんだよな~。。家族にもキッパリ断りなよって言われたんだけど、あまりの熱意に負けてしまった。。

民宿「山海戀」
何はともあれ、予定よりかなり早く墾丁に着いた。民宿「山海戀(M.S.Love B&B)」のおねえさんは朗らかでとても感じがいい。言葉は英語を交えながらもほぼ中国語。わからないとスマホの翻訳を使って意思を伝えあった。

案内された2階の部屋はオーシャンビューで、広くて明るくておしゃれ!思わず歓声を上げた。民宿というよりリゾートペンション、いやリゾートホテルだ!これで朝食もついて、1人日本円で3000円しないのは安すぎ。





テラスの正面に鎮座するのは、墾丁の海のシンボル 船帆石


サイクリング初っ端でのハプニング。。
早速チャリを借りてサイクリング開始… とチャリにまたがったとき、娘と奥さんが乗りざまにバランスを崩して転倒!膝を擦りむいたのは擦り傷程度だったが、奥さんは転んだときに左の小指を壁に強打して激痛を訴えた。。「ちょっとヤバいかも。。折れたかな。。」
宿のお姉さんも心配そうに「バスにする?」と訊いてくれたが、取りあえずゆっくり乗ってみる、ということで、意気消沈のスタートとなってしまった。

重苦しい気分の僕たちを、墾丁の陸のシンボル、大尖石山が見守っている。痛いのが早くおさまってくれるといいんだけれど…





墾丁の町中へ入り、麺と水餃子のお店でお昼。麺は魚の出汁が効いて美味。お店の人に、奥さんの指を冷やせるものがないか訊いたら、ビニールに氷を入れて持ってきてくれた。

近くに薬屋さんがあったので、痛み止めのスプレーと貼り薬を買った。スプレーは茶色で漢方系のニオイが。効くといいね…

南国風の建物が並ぶ街中では鳥のさえずりが聞こえ、大尖石山もよく見える。標高317メートルで、山頂部の切り立った岩は迫力がある。地殻運動で隆起したサンゴ礁岩なんだとか。

警察署の前にシマウマのオブジェ。シマウマはお巡りさんと関係あるのかな。


南湾方面へチャリをこいでいたらキレイな海岸が見えたので寄ってみた。誰もいないキラキラ光る砂浜とエメラルド色の海、サンゴがゴロゴロ落ちていた。これぞ南国パラダイス!という眺めがあった。風が強くて砂がバチバチ足や腕に当たって痛い。。


クリックで拡大




風景にも癒されて、奥さんも少し元気を取り戻してきた。海沿いの道を南湾へ向かう。


水上活動
やってきた墾丁最大のビーチ、南湾。砂浜には人出も多いが、「マリンスポーツが盛ん」という割にはそれらしき姿は見かけない。NHKの「2度目の台湾・台南編」で、ロビン(呂敏)君がここで体験していた「水上活動」が超面白そうだったので、これをやるのがお目当てだったんだけど…

すると道端に立っていたおばさんが声をかけてきた。手には「水上活動」と書かれた写真入りの料金表を持っている。「これだ!」
メニューからボートのタイプを選ぶ。負傷の奥さんは「緩めのがいい」というので、まず4人で緩めを体験して、娘は「烈しいのがいい!」というので、僕と娘で2度目に烈しいのをやることにした。料金はロビン君のときと同じで一人400元、2度目は半額の200元。締めて2000元!

水着に着替えてボートを待つ。やってる人は誰もいない。「危なくない?」とおばさんに訊いたら「大丈夫!」。おばさんもビンロウを噛んで口が赤い。おじさんが僕らに葱油餅をくれた。
沖からモーターボートに曳かれてゴムボートがやってきた。4人で乗り込んだ。前の二人は座り、後ろは立って乗る。

「水上活動」スタート!最初はゆっくりだったので余裕だったが、突然エンジンをふかして急加速。ギュイーンと引っ張られ、カーブする度に波しぶきが高く上がってもろにかかってくる。「ウォォォ!」という感じで、持ち手を握る手に力が入る。娘はキャーキャー叫んでる。これはかなりスゴイ!段々とスピードにも慣れてきて面白い。約10分のアトラクション。最後にゆっくり戻る途中、ゴージャスな装いのミノカサゴが海面近くを泳いでいた。

みんなで写真を撮ってもらった。面白かったことがリアルに伝わる表情。


さあ、次は娘と二人乗りボートで「烈しいやつ」だ。ボートの底のくぼみにオケツを入れ、つかまるのもタイヘンな体勢でスタート。


いきなり猛スピードで引っ張られ、そして急旋回!娘は大騒ぎ、僕も声を上げた。最初の「緩いほう」もかなりスゴかったが、これは本当にスゴイ!


上下の振動もハンパない。ボートがピョンピョン跳ね上がってうっかりすると海へ投げ出されそうになる。そういえばロビン君は調子に乗って両手を上げたら、海に落ちてたっけ。。取っ手を必死に握りしめ、とにかく振り落とされないように耐えた。


画像をクリックして水上活動の動画を観る

ジェットコースターとか絶叫系のアトラクションは、大人になってからは全然やっていないが、安全ベルトもなく、頑丈な箱でもないミニボートに生身で乗り込むこれは、体勢を保つのもタイヘンだし、烈しく急激な振動の連続でヘタするとむち打ちになりそうだし、これが10分間も続くのだ。リアル感は断然こっちがあり過ぎだー!それにとにかくおもろかった。上の写真をクリックすると、水上活動の様子がちょっとだけ観られます。

子どもたちが波打ちぎわではしゃぐ姿はどこも同じ。けれど、海岸線の向こうには原発のドームが見えてちょっと不気味感も漂う。台湾は3.11の原発事故を教訓に、2025年までの脱原発を宣言した。その後、政府のエネルギー政策への不満から、2018年11月の国民投票では脱原発への反対が多数を占めたが、スケジュール通りアジアで初の脱原発国となるという。


猫鼻頭
再びチャリにまたがり、目指すは更に先の猫鼻頭。海に突き出した猫の形の岩で、墾丁の名勝のひとつ。民宿のお姉さんは、ここまでは遠いから今からだと帰りが暗くなって危ないと言っていたが、南湾まで来ていればそんな遠くなさそうだし、自転車用の道が続いていて暗くなっても大丈夫そう。

実際、二輪車用の車線がずっとあって、そこを走るのはチャリと電動バイクがほとんど。レンタルの電動バイクに乗っている人が多くて、坂道でもスイスイで楽しそう。けれど、人力チャリも楽しい。鳥のさえずりが聞こえ、ハイビスカスなどの花が咲くキレイな道を調子よくこいで行った。指が痛い奥さんのペースに合わせているつもりでも、つい先に行ってしまう。イカンイカン。。

猫鼻頭は海辺にあるのに、なかなか海が見えない。日もだいぶ傾いてきて、荒涼とした風景のなかを走っていたら、ちょっと不安になってきた。



南湾を出発して1時間、ようやく猫鼻頭公園にやって来た。猫鼻頭を見るには、入園料が要る園内に入らなければならないが、着いたのが遅かったためかゲートには誰もいなくて、そのまま通過。サンゴ礁の岩の展望台から猫鼻頭が見えた。言われてみればにゃんこかな・・・


もう日没の時刻だが、雲が出ていて夕日は見られなかった。けれど荒波打ちつけるサンゴ礁の海岸の光景に最果ての地を感じ、南湾方面、その向こうの大尖石山など、チャリをこいできた方面を眺め、ずいぶん来たな~と感慨にふけりつつ帰路についた。


猫鼻頭にいるときにすでに日没時は過ぎ、帰り道ではみるみる暗くなってきた。ライトを点灯し、虫の音を聞きながらのサイクリングはちょっと心細い。オケツも痛くなってきたし。電動バイクに時々抜かされながらも、約40分で南湾まで戻って来た。イルミネーションをみるとホッとする。晩飯のお店までもうすぐ!


旅南活魚海鮮餐廳
やっとのことで墾丁のメインストリート、墾丁大街へ入って来た。屋台がたくさん並び、人出も多く、賑やかで華やかな雰囲気。昼間に来たときとは別の場所かと思うほど。晩ご飯はここ!と決めてあった「旅南活魚海鮮餐廳」に到着。ここはロビン君が入ったお店だ。


お店の前にチャリを置き、鍵をかけ忘れて戻ろうとすると、お店の人に「不用不用」と言われた。おおらか。店頭には海鮮の食材が並んでいた。ここから好きなものを選んで調理してもらう。


水槽にはカラフルで大きなエビ。


だけどお目当てはこのエビではなくロビン君が食べていた「セミエビ」だ。
「日本のテレビでやったやつを食べたい」と言ったら、水槽からあのセミエビを出してくれた。ホント、セミのような姿!
「多少銭(いくら?)」「一千元」なかなかのお値段。でもこれが食べたくて来たんだから頼む以外に選択肢はない!調理方法も「テレビでやってたのと同じで!(電視節目一様的)」



調理されて運ばれてきたセミエビ。香ばしそうで身がぎっしり詰まった感じ。生のときよりずっと美味しそう!


お味は絶品!アツアツでぷりぷり、数少ない経験だけどイセエビに似ているかな。大きなエビだったけれど、4人で食べたらすぐなくなっちゃった。。うまかった!


その他に魚(紅稚魚)を蒸したのや、焼きイカ、タケノコ炒め、桜エビのチャーハンも。どれも本当に美味しかった。魚料理は、最後に汁をご飯にかけて食べた。んめ~!これもロビン君の真似。





テレビ番組でやっていたことの真似ばっかりは芸がないが、ロビン君がほんっとに美味しそうに食べていたのはヤラセでないことを納得できたし、おかげで大満足の晩ご飯にありつけた。

食後は夜市を散歩。海パン見たり、お土産を見たり、フルーツジュースを飲んだり… マグネット買った~!




南国の夜市を楽しんで10時近くに宿へ戻る


15分ほどで民宿に戻りチャリを停めていたら、お姉さんが急いで出て来てくれた。僕たちを見てホッとした様子。遅いんで心配してたんだって。不好意思(ゴメンナサイ。。)まだ痛む奥さんの指を冷やす道具を貸してくれた。とっても親切で優しい。

辺りは閑散としていた。今日はいろいろあった。奥さんの負傷はタイヘンだったけど楽しかった。


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