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足繁く通う演奏会の感想等でクラシック音楽を追求/面白すぎる台湾/イタリアやドイツの旅日記/「ドイツ留学相談室」併設

高雄の街巡り、花と緑の産業遺産・台湾糖業博物館

2019年04月28日 | おもしろすぎる台湾
2017年3月16日(木)時々

高雄のホテル「西子灣大飯店站前館」は、高雄駅からも近くロケーション抜群、部屋もキレイで広い。バスルームも広くてテレビ付き。ジャグジーバスとは別にシャワ―ルームもあり、これで1泊朝食付(朝食は要らないけど…)4人で1万円は安い! とても寛げそうだが、まずはお出かけ!

高雄鐵路地下化展示館(旧高雄駅)
最初に訪れたのは、ホテルからすぐの日本統治時代に建てられた旧高雄駅。2002年に新しい駅舎が造られたあとは、歴史的建造物として保存、公開されている。瓦屋根の整った形の駅舎は、和の雰囲気も醸し出していた。


内部は高い天井の広~い空間。天井や柱の意匠も風格がある。駅の歴史や将来計画を説明する展示があった。インフォメーションのおばちゃんに「日本人?」と訊ねられ、親切に説明してもらった。「ここは日本が建てました。キレイな駅を造ってくれてありがとうございます。」
統治時代の日本の建築をそんな風に言ってくれて大切にしてくれるなんて、こちらこそありがとうございます。

タッチパネル式のクイズに正解するともらえるというオリジナルクリアファイルや鉛筆を、クイズをやらなかった僕の分までくれた。とっても良い人!と思う人が台湾には本当に多い。


旧高雄駅のすぐ隣には、現在の大きな高雄車站(駅)がある。中も外も人が多く、駅周辺にはホームレスの姿も多かった。(2019年3月に再び高雄駅へ来たら、見違えるようなキレイで立派な駅ビルに生まれ変わっていた)


次の目的は1年半前に一部運行を開始した新交通システム、高雄ライトレール(LRT)の試乗だ。まずは高雄駅から捷運(MRT)紅線に乗って凱旋駅へ。2010年に台湾の観光キャンペーンでもらった台湾版PASMOの悠遊カードはとっくに期限切れのはずだが、試しに使ってみたら普通に使えてしまった!ちなみにこのカード、台北のものもそうだが、切符を買うより2割引きで乗れるし、マイナスになってもデポジット分から引かれて使えるなど、日本のICカードよりずっと使い勝手が良い!

高雄ライトレール(LRT)乗車
凱旋駅で捷運を降り、LRTの停留所へ行くと、真新しくてシャレた車両のライトレールトレインがやって来た。これ、イタリアのデザインだそう。ウキウキ気分で乗り込んだ。


車内には悠遊カードの読み取り機があったので読ませようとしたがうまく機能しない。まあいいかッ、と得した気分になったのだが、あとからわかったことには、この時はまだ試乗期間で一律無料で乗れたのだそうだ。この無料期間、この先まだ半年以上も続いたそうで、太っ腹だな~!

ライトレールは滑らかな走りで乗り心地は最高。とにかくキレイだし、窓が大きくて明るくて、観光するにもいい。日本では見られない面白い形のビルがいろいろ見えた。



運転席との仕切りはガラス張り。前方も良く見渡せて快適。


凱旋駅から6つ目、現在開通している区間の最終駅、高雄展覧館駅に到着。目の前に高雄のランドマーク、「高雄85大楼」が聳える。ビルの形は、高雄の「高」の字をあしらったそうだ。

息子の調べによれば、85大楼とライトレールを一緒に写真に収めるのが旬なんだそうでやってみた。なるほど絵になる。今は終着駅なので、上りも下りもここでしばらく停車していてくれるのがいい。

地上での撮影の後、今度は上からの眺めが楽しめる85大楼へ向かった。

高雄85大楼
高雄85大楼の建物内は広くてシーンとしていた。ホテルのボーイさんが案内してくれた展望台へ行くエレベータの前にも人はいない。いつも賑やかで長い行列ができている台北101とは全然違う。エレベータの料金も一人180元とずっと安い。おまけに子供たちは学生割引で150元。学生証持ってなかったけど、学生料金にしてくれた。ありがたい!

高速エレベータは三菱製。分速600メートルの速さだそうだ。40秒ほどで75階に到着した。展望台はなぜか階段を降りた74階。展望台はぐるりと一周でき、360度の眺めが楽しめる。ラウンジやショップもあるが、人はホントにまばら。ちょうど日没時だったが、曇っていて夕日は見えなかった。遠景は少しもやっていたが、暮れゆく高雄の街にだんだんと灯りが点り、映えてくる様子をゆっくりと楽しむことができた。

暗くなると、趣向を凝らしたカラフルなイルミネーションが施されたビルがいくつも目に入ってきた。全体の夜景としては控え目だけれど、海も見えていい感じ。地上296メートルからの夜景をたっぷり楽しんだ。




クリックで拡大

旗津半島
お腹が空いた。晩ご飯は旗津半島のいつものシーフードの食堂がいい。タクシーで鼓山フェリー乗り場まで行き、フェリーに乗って対岸の旗津半島へ。以前は船員さんに直接船賃を払ったが、コイン式の自動改札に替わっていた。
でも船は旧式で風情あり。港から見えるイルミネーションがきれい。



さっき上った高雄85大楼も見える。


短い乗船時間だけれど、潮風に吹かれて旅情がある。

旗津側の港を歩いていると、廟の辺りから屋台が並んでいた。胡椒餅の屋台も発見!食べたいが、シーフードの晩ご飯を食べてからにしよう。
いつもの食堂(海忠賓活海産店)に行き、店頭で食材と調理法を選んでしばらく待っていたら、次々に調理された料理が運ばれてきた。

カジキの刺身、ハマグリのスープ、細い青菜


白魚の天ぷら、エビのフリッターとパイナップル。どれも絶品!


ウマそうなシャコだけれど、カラが多くて食べるのに苦労した。。


スイカはサービス、ご飯はセルフでお代わり自由。
だけど胡椒餅の分のお腹を残しておかなきゃ!

ところが、このあと胡椒餅の屋台に行ったら、もう閉まっていた。他の屋台もどんどん店じまい。人通りもまばらになって来た。まだ8時を回ったぐらいなのに、旗津の夜は早いな~。。

城市光廊
フェリーで対岸へ戻り、MRTの西子湾駅から中央公園駅へ。ここには「城市光廊」というイルミネーションがきれいな公園があるとネットで見たので行ってみた。中央公園駅は開放感のあるエスカレーターと並行して滝が流れ、ヒマワリのオブジェがあるなど、楽しい雰囲気。でも人は少ない。


肝心の「城市光廊」は駅の近くのはずだが見つからない。2人組の女子に訊ねたら「ここです。」「えっ?イルミネーションはどこ?」
通りの向こうのビルのイルミネーションはとっても華やかだけれど…


周辺をウロウロしていたら、光る「城市光廊」の看板を発見。


控え目だけれど、公園内には様々な種類のイルミネーションがあった。そのひとつ、切り絵風のデザインがアーティスティック。


さっきはただの水たまりだった広場が、噴水広場になっていた。光に照らされ、時間の経過と共に色々に姿を変える噴水のショーは楽しかった。


旗津半島で胡椒餅を食べ損ねて、まだお腹に余裕があったので、中央公園でなにか美味いものがあれば… と思っていたが、お店は何もなく、高雄駅近くのドリンクショップ「50嵐」でタピオカミルクティーを買ってホテルへ。最初に寄った旧高雄駅がライトアップされていた。


2017年3月17日(金)
朝から晴天。暑くなりそうだ。ホテルは朝食付きだが、ホテルの向かいの「高雄黒豆漿店」というお店が昨日から気になっていたので、そこで黒豆漿や饅頭を買ってホテルの朝食バイキングに添えた。僕として朝食はホテルよりもこういうお店で済ませたい(朝食に限らないが…)。

ホテルをチェックアウトして、今日は高雄の近郊まで足を延ばした。訪れたのは、捷運(MRT)紅線で高雄駅から約30分、橋頭糖廠駅からすぐの台湾糖業博物館。日本統治時代に造られた製糖工場跡だ。

MRT橋頭糖廠駅は高架上にある。


その下には台鐵の線路があっていろんな車両が走っている。



台湾糖業博物館

台湾糖業博物館の入口は、駅から歩いて5分ほどのところにある。

「博物館」と云っても、製糖工場跡のほかに従業員の旧宿舎や旧事務所などの関連施設が点在する広大エリアをひっくるめてこう呼ばれている。

入場は無料のうえ、入口ゲートで詳しい日本語の説明が入った立派なパンフレットがもらえた。ワクワク…

3月だけどコスモスが出迎えてくれた。


台湾糖業博物館は、日本統治時代の1901年に造られた製糖工場。古くからサトウキビの栽培が盛んだった台湾では製糖業が主要産業で、日本政府が機械化して生産量を一気に増大させた。

戦後も台湾人によって操業が引き継がれたが、「経済情勢の急変への対応が追いつけず」1999年に閉鎖。その後、2006年に博物館として公開されることになったという。

園内には木々が生い茂り、鳥がさえずり、花々が咲き誇り、古い車両も置かれたりして、楽しいお出かけスポットだ。

椰子の木と日本家屋というのが、台湾らしい組み合わせ。こうした日本家屋がいくつもあった。






工場エリア内やサトウキビ畑との間を行き来していた車輌は、幅が通常の半分だった軌道を走っていたため「五分車」と呼ばれている。その軌道がたくさん残っていて、五分車の車輌も展示されていた。


花もいっぱい!






これはパピルス?


何気にトトロも立っている…

「芸術エリア」はこんなオブジェが花と緑の間のあちこちに置かれている野外博物館。オブジェは工場の廃材を利用しているそうだ。


ここの最大の見もの、ということで期待していた工場見学。ところが、入口には「毎日9:00-16:30開放」と掲示が出ているのにシャッターが下りている。係の人もいないし… 「入れないの?」ガーンという気分であきらめきれず、周辺をウロウロしていたら、シャッターがプラプラとして半開きになっているところを見つけた。「エーイ、入っちまえ」と、その小さな「穴」から入り込んだ。こういうのが苦手な息子はとても気が進まなそうでなかなか入ってこなかったが、観念して渋々と入って来た。よしよし(強引な父)。


工場舎の巨大な空間に巨大な機械がひしめき合い、映画に出て来るシーンのよう。明治時代に作られた工場だというが、すごいものを造ったものだ。これは貴重な産業遺産だ。ここはコントロールルームのようだ。


工場内は埃っぽく、整備された様子もなく、見学コースってどこ?という感じ。それが非日常感を高める。




足元が危なっかしいところもあるが、一通り回ることはできるようになっている。無断で入り込んで、誰かが来たら怒られるだろうなー。。。とちょっとヒヤヒヤしながら、探検気分で見学。小学生のころ、友達と古い病院跡を探検したことを思い出した。


15分ぐらいで工場内を巡って、入った抜け穴からそ~っと脱出。誰にも見つからずにすんだ。なんだかいけないことをしたみたいだけど、「開放」と書いてある時間に入ったわけだから、言い訳はつく。とにかく一番の見学スポットを観ることができてよかった!


くの字型に寄せあうクリーム色の2つの建物がシャレた雰囲気を感じさせるのは「倶楽部」。名前から従業員の社交場だったことが想像できる。建物の前の、リンゴを持って豚に乗った女の子のオブジェがかわいらしい。

入口でもらったパンフの解説によれば、創設されたのは1901年というから、工場と同時期からあったことになる。オランダの東南アジアでの建築方式に、日本式の構造も融合され、屋根の梁にはヒノキが使われているそうだ。「高床構造で風通しがいい」というのは、南国高雄ならではの工夫。


暑いので冷たいもので涼をとる。台湾黒糖を使ったというかき氷は製糖工場ならでは!練乳が混ざっていて、信玄餅アイスのような風味。さわやかでまろやかで懐かしい甘さがいい!



息子は近くを走る台鐵の列車が気になるようで、棒アイスをとっとと平らげて「撮り鉄」に出かけていった。


3人はもうしばらく園内を散歩しつつ、出口へ向かう道すがら、樹木の陰にひっそりと残る防空壕跡を見かけた。
かつて日本だった台湾は空襲にさらされたのだ。こうした防空壕が、台湾にはあちこちに残っている。

息子がいる踏切へ行くと、「こんなのが来たよ」と、レアな車両の写真を見せてくれた。日本の東武鉄道と友好鉄道協定を締結した記念に、東武の「日光詣スペーシア」仕様にラッピングした台鐵自強号の写真。いいタイミングで来たものだ!



こちらは「ホンモノ」の東武の車両(武里駅附近で息子が撮影)

僕らが見ていたときは、よく走っている区間車(普通車)が来たぐらいだった…


懷舊茶館(旧耕読園)
高雄へ戻り、ホテルに預けていた荷物をピックアップして、高雄最後の訪問先は、7年前に行った茶芸館「耕読園書香茶坊」。錦鯉が泳ぐ池を中華風建築が取り囲み、畳の部屋でゆっくりお茶を楽しめる空間。前回は1時間ぐらいしか居られなかったので、もう一度訪れて、今度はもっとゆっくりしたかった。

ホテルからタクシーで行った茶芸館は、「懷舊茶館」と名前は変わっていたが、7年前と変わらない佇まい。案内された和室からの良い眺め。



お茶に生菓子、小籠包やカニシウマイも注文してしばしのゆるゆるタイム…
落ち着く。


ここでは席でずっと過ごすだけでなく、館内を巡るのがいい。眺める場所によっていろいろな風景が楽しめる。



ゲームで盛り上がったり、寝転んだり… みんな思い思いに楽しんでいる。



清朝の時代に迷い込んだよう…


もっとゆっくりしたかったが、前回同様この後は新幹線で台北へ行くので、余裕を見てタクシーで高鐵左營站(新幹線左営駅)へ出発した。それでも2時間近くは居られたので、前回よりは長く滞在できた。


前回はぎりぎりに駅に着き、大きな荷物を持ってホームへ駆け下りて新幹線に飛び乗ったが、今回は余裕で乗ることができた。旅は台北へ…

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