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その後のダベンポートスイッチャー(RANGIER DIESEL-LOK)

2010年11月16日 | Weblog



 1970年代オーストリアの模型メーカーロコ(Roco)は米国のアトラス向けにプリマウス機関車(PLYMOUTH WDT)のNゲージを生産供給していました。そののち生産供給はプリマウス機関車からダベンポート機関車に替わりました。

・・・と、この事はその後のCタイプディーゼル(ATLAS編)で述べたとおりです。



そのダベンポート機関車は生産をしているロコ社でも欧州の機関車風にバッファを付け RANGIER DIESEL-LOK として販売されました。機関車の単染にバッファが付いている以外はアトラスに供給していた製品と同じ品です。その後しばらく販売が続いたようですがいつしか動力が新しいタイプへと変更されていました。動力装置は新しくなりましたがボディーはそれまで使っていた同じモノです。それまでは動力装置とボディーを屋根上のねじで留めていましたが新しいタイプは動力装置とボディーの嵌め合いの良さで固定しています。しかしボディーは同じものなので不要のねじ穴は残ったままです。



ロコがこの機関車以前に生産していたプリマウス機関車はダイキャスト製の主台枠以外、台車のモールドやモーターマウントなどプラ製部品による構成でした。モーターに取り付けたウォームギヤーから台枠のピ二オンギヤーを回して車軸に回転を伝える構造ですが、何故かロックする固体がかなりありました。こうなるとすぐに通電を止めなくてはなりません!今時のNゲージよりトランスの電圧が高めだった事も関係するのでしょうか?通電を続けた場合、モーターのコイルがあっという間に焼けてしまいます。また、プラ製のマウントやボディーなどその熱で溶けだしたいへん危険でした。

 

ダベンポート機関車ではギヤケースのみプラ製ですが動力装置はダイキャストブロックタイプでモーターケースも一体になっていました。プリマウスとまったく異なる仕様の動力は実によく走る機関車でモーターの位置がずれることも無く、中古で走行不良の機関車であってもその原因はほとんど車軸に起因するものであり、ロッドとの位置調整かギヤーにクラックの入った車軸を交換すれば良好な状態になるものがほとんどです。ただ、構造と電気的な調整は少し難しくなりました。ほかのNゲージと同様に直流モーターで駆動するので電気的な調整が難しく短絡箇所が発生しやすい構造の品は機械的に問題がなくても短絡等で正常な電気回路が成立していなければ動作しません。

そののち更新されたダベンポートの新しい動力装置は1時代前のプリマウス機関車に戻ったような構造になりました。旧来のプリマウスに類似した構造は部品の交換などメンテナンスは容易でした。そのためでしょうか?新しいダベンポート機関車は主台枠以外はプラ製部品多様のかつての構造に近いモノとなりました。



しかし、元の構造に戻したのでは不具合も元に戻ってしまいます。そのためギヤーロック対策にモーター軸に直接ウォームギヤーを取り付けるのではなくコイルばねを用いたクラッチを介して回転をウォームギヤーに伝達する方式に改めています。これによりギヤーロックを防止できましたが、ひとつ残念なのはクラッチの採用で回転軸が長くなりライトの点灯構造がスポイルされてしまったことです。また、車軸周りはそれまでのダイキャストブロックタイプタイプで採用していた蓋つきギヤーケースタイプの構造が良好だったようです。引き続き同様の構造が採用されています。



2010年オーストリアのロコ社はもうNゲージの生産はしていないのでしょうか?カタログにもメーカーのWebにもNゲージが見当たりません。しかし、9ミリの線路を走る製品は以前よりラインナップのあったHOeが確認できます。


・・・・・まだありました!

ダベンポート機関車の改良された動力装置は#33206 HOe Diesel locomotive kö の動力装置となっていました。



HOナローの機関車ですからボディーはまったくのベツモノです。ロッド式でその動作がコミカルだった動輪はプラ製の台車モールドが被せてありロッドはありません。さらなる改良によるものでしょうか抵抗器のような部品が取り付けてあります。しかし車輪はダベンポート機関車の赤い車輪そのものです。


2010年の現在もダベンポート機関車はその動力装置だけは生産されてるのでした。



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