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植物のふしぎ

植物をはじめ、生物のふしぎな生態をレポートします。
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セツブンソウの萼片の数

2025年03月27日 | 植物の生態

長野県千曲市の戸倉にキティパークという公園があってその近くにセツブンソウの群生地があります。「戸倉節分草を育てる会」の活動のおかげでしょう、驚くほどの節分草の群落を見ることができます。

斜面に生息するセツブンソウは皆同じ方向を向いて咲いていました。

この写真はほぼ同じ位置から撮った20年前(2005年3月29日)の写真です。正午過ぎの時間帯で日が差して春らしく暖かな感じ。

こちらは2010年3月8日の写真。この年は開花後に雪が積もりました。寒いイメージですが負けずに咲いていました。

ここにはしばらくぶりに訪れました。以前にも増してたくさんのセツブンソウが花を咲かせていました。その上、密度の高さにも圧倒されました。

観察用遊歩道のある群落に隣接する北西方向(?)にも大群落が見られました。一面節分草で埋め尽くされている感じでした。15年以上前に比べて生息面積は増えたようです。

セツブンソウの白い萼片は5枚であることが多いのですが、時にはこの写真のように10枚以上の個体も見られることがあります。

萼片の数について、過去に調査していますので以下に載せておきますね。今回の訪問とは別で20年近く前に調査した内容となります。


  • セツブンソウ(キンポウゲ科セツブンソウ属)

 セツブンソウは、白い花弁状のがく片に数のバリエーションがあることが知られています。千曲市戸倉にある群落でがく片数について調べてみました。ただし、カウントにおいて正確さに欠けていることが否めなく、また観察できる範囲が限られていたため母数が少なくデータとしては不十分です。でも、だいたいの傾向はつかめました。さらに、黄色い蜜腺を持った花弁数のバリエーションも数えようと思ったのですが、こちらは数えにくく断念しました。

  

 まず、セツブンソウが属するキンポウゲ科の特徴について。

 第一に挙げられるのが雄しべの数が多いということです。数えるのが面倒なくらい多く、個々の花によってその本数も違っています。雌しべについては、一つの花の中に完全に独立した形で複数存在しているので、一つの花から多数の果実ができます。次に挙げられるのが、外花被片(がく片)が花弁状となって花の装飾に参加しているという点です。花弁が無い種類も多く、進化の進んだ植物で見られるような花弁とがく片の役割分担があいまいになっています。

 セツブンソウについて見てみると、キンポウゲ科の特徴は全てあてはまります。雌しべは一つの花当たり2~5個(この写真の雌しべは3個)で紫褐色をしています。まれに、しべの色が白色に変異した花が観察されることがあります。花弁は右の写真に拡大したように、2~4裂し、先端は黄色の蜜線に変化しています。がく片は白色の花弁状で5枚が一般的です。

 

がく片が4枚で花弁は8枚でした。

 観察した群落の中で、最小のがく片数は4枚でした。

こちらの株は、がく片が9枚で花弁も9枚でした。

写真では示しませんが、がく片が5枚の花でも花弁数が8枚、12枚、13枚と様々でした。がく片数と花弁数やしべの数にはなんら関連はないようです。

 

434個の花でがく片数を観察したところ、上のグラフのようになりました。85%ほどが5枚のがく片でした。次に多いのが、6枚のものでした。観察した中で最大のがく片数は10枚でした。3枚以下は見られませんでした。

 セツブンソウと同様に、ニリンソウでもがく片数に変異があることが知られています。飯能市で調査したところ、76%が5枚、19%が6枚、3%が7枚だったそうです。その他、3枚、4枚、8枚、9枚の花も見られました。一方、1956年に行われた函館山の調査では、5枚のものより6、7枚の花の方が多かったそうです。地域によって個体群が異なる可能性が指摘されています。セツブンソウでも自生地によってがく片数の傾向が異なるということがあるかもしれません。

北隆館「フィールドウォッチング・3早春の季節を歩く」より

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