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植物のふしぎ

植物をはじめ、生物のふしぎな生態をレポートします。
🌷ガーデニング・家庭菜園・草花と自然🌷

庭に生えてきた雑草・キキョウソウとムシトリナデシコ

2025年06月03日 | 野草・山野草

今年の春は庭の草取りをサボった関係で今まで見たこともないような雑草が生えてきました。

キキョウソウ

昨年道端に生えていたキキョウソウからタネをとって4月に種蒔き用の土に蒔いたのですよ。すごく細かいタネでした。しかしそこからは一つも発芽しませんでした。でも庭の全然関係ないところで知らない間に花を咲かせていました。あまのじゃくというか意地悪というか。気づかないうちに茎の長さが30cm近くになっていました。これに関しては次回にもう少し詳しくレポートしたいと思います。

ムシトリナデシコ

この草も久しぶりに見た気がします。唐突に観葉植物の鉢から生えてきたりして、どういう経路でタネが迷い込んで来るのか不思議です。花の色はピンクで園芸品種に引けをとりません。

これ以外にも庭で初めてみる雑草のことも記録しておきたいと思ったのですが、今日はあいにく一日中雨〜雨模様で撮影しませんでした。今週金曜日にでも記事にしたいと思います。

以下、ムシトリナデシコについて過去レポートを一部改変しての再掲です。


ムシトリナデシコは地中海原産で、その名の通り茎上部の褐色の帯(白円で囲った所)から粘液を出しているので小さな昆虫などがトラップされていることがあります。粘着力はそれほど強くなく、ポストイットを少し強めた程度です。虫を捕って消化吸収している訳ではありません。それ故、食虫植物ではないのですが、そうすると粘液の存在理由とは?。粘液がないとどの様な不利益を被るのでしょうか。一つの考えとしては、その植物にとっての害虫から大切な身(花、つぼみなど)を守るためということが挙げられます。 が、具体的にどんな「害虫」を想定しているのかは不明です。アリの盗蜜を防いでいるという説は有力で、実際粘着帯で引き返すアリを見たことはあります。ただムシトリナデシコの立場からするとどうなのか。容易に推測できることはその先の興味は失いがち。誰も実験や観察で証明しようとは思わないですよね。

 

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ヨモギがうなだれていた

2025年05月26日 | 野草・山野草

庭の一角にあったヨモギが項垂れているように茎が曲がっていました。群生ヨモギの8割くらいがそのような姿に。これは何?

萎れている境目をよーく見てみると・・

こんな感じで茎に傷がつけられていました。調べたところこれはキクスイカミキリというカミキリムシのしわざとわかりました。産卵するときに維管束を傷つけるためにその上部が萎れてしまうのでうなだれるように見えるということでした。群生しているヨモギの多くがこうなっていたら驚くよ。何かがっかりしたことでもあったのかと思うじゃん。成虫は真っ黒で背中に赤い斑紋を背負っているカミキリムシだそうです。まだ見たことがありません。茎に付けられた傷は2箇所あってその間に産卵するとのこと。その茎を裂いて中を見てみたら黄色い細長い卵が入っていました。生まれた幼虫はヨモギの茎の中を下方に食い進んでいき根で蛹になるそうです。

これは菊栽培における害虫です。ノコンギクも被害にあうそうです。明日チェックしておかないと。。

そんなこんなでこのヨモギ、全て撤去しました。そこで気づいたのですが、ヨモギって地下茎で増えているのだな。そしてそこからアレロパシーを出して他の植物が芽生えないようにしているらしいです。

【まとめ】

  1. キクスイカミキリはキク科植物の茎に傷をつけそこに産卵します
  2. 産卵行動により維管束が傷つけられるのでその上部は萎れていまします
  3. ヨモギがうなだれているように見えた時はキクスイカミキリの被害にあっているということです
  4. ヨモギは地下茎で増えます
  5. 地中にアレロパシー物質を出し植物の発芽を抑えるアレロパシー物質を放出するそうです

【今後】

  1. ヨモギでアレロパシーの実験や観察
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戸隠森林植物園のトガクシソウ

2025年05月14日 | 野草・山野草

トガクシソウを見に戸隠森林植物園まで行ってきました。

トガクシソウはトガクシショウマとも言われています。20年くらい前、まだネット情報も十分では無かったとき戸隠の名がつけられた山野草だからその周辺を歩いていれば見つけられるだろう とかなり探し回ったのですが全然見つけられませんでした。現在、戸隠地域では絶滅したかもしれないと考えられているようですね。ネガティブの証明は困難と言うことで、人知れず山中で咲いている可能性はあると思いますけれど。

しかし是非咲いている所を見ておかなければ・・と思い立って来ました。ここの他、軽井沢町植物園でも見られるようです。ただし雪の多い戸隠より咲く時期は早めかも。

森林館の前に小規模で栽培されていました。現在見頃です。蕾も多く見られましたのでしばらく楽しめると思われます。群生している様子がいいのかもしれません。

花は下を向き加減

花の中心はこんな感じ。

いや、あの・・思っていたほどの感動は無かった・・・かな。花が小さいからなのか、わたくしが感動できない年齢になっているからなのか。簡単に目にできてしまっているからもあるのでしょうね。でも・・

シラネアオイみたいだったら・・どうでしょうか。これも植物園内で栽培されている株です。花が大きく美しい植物です。

トガクシソウの咲いている所を見られたので今日の目的は達成されました。発見と命名に関しておもしろいエピソードがあるので関心のある方はググってくださいぉ

ついでに幾つかの山野草の写真を載せて今日のレポートは終えたいと思います。

カタクリ

左のカタクリ、ちょうど良い開き加減。気温の上昇とともに花被片のそり返りが強く右のようになると見栄えしなくなります。この花被片の開閉の仕組みはチューリップと同じです。

エンレイソウ

花は茶褐色で目立ちません。花弁が白色のシロバナエンレイソウという種類もあります。

ここはミズバショウでも有名な所。リュウキンカと一緒にまだ咲いていましたよ。

もっと群生密度が高いところもあってそうなるとミズバショウの香りも漂ってきます。かすかな香り。生きている間にあと何回くらいこの香りを感じることができるのでしょうか。コロナ感染時に一時嗅覚を失った時はショックでしたが、無事回復できて本当に良かったと思っています。

そうそう、昨日2025年5月13日の14時頃にが出没したらしいです。「水芭蕉の小径」あたりというから普通の散策路ですよ。今後訪れる予定の方は十分にお気をつけくださいませ。

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アメリカフウロとハクサンフウロの花

2025年05月06日 | 野草・山野草

庭に今まで見かけなかった雑草が生えていたので紹介しますね。色々新規参入者に出会えるからたまには草取りをサボるのも悪くはないかも知れません。

アメリカフウロ(フウロソウ科フウロソウ属)

どこから来たのだろうと思っていたら、近くの道路脇に咲いていました。この植物、葉っぱは深い切れ込みになっています。ピントがボケていますがなんとなくわかりますか。そして とても小さくて5枚の花弁を持った花を咲かせます。1cmもないくらいです。

フウロソウ科の植物たちは紫外線の反射と吸収を利用してネクターガイドを表現し、それを認知できるハチの仲間にアピールしています。それを調べてみると・・

花弁にある筋と花の中心に近い側は暗く写っており紫外線を吸収していました。それ以外は明るく反射していることがわかりました。この写真からも紫外線によるネクターガイドの進化が想像できます。

  1. 蜜は花の中心部分にあります
  2. 葉が茂る中で虫に対して花を際立たせるためには光や紫外線を反射させることが有効です
  3. 花の中心部分は構造的な理由から光が届きにくく紫外線の反射も少なくなりがちです
  4. すなわち、紫外線が反射している花の中で中心部で吸収していれば、日光に照らされてたとしても中心をアピールできることになります
  5. そのようなことから中心付近で紫外線吸を収する花が進化してきたと推測できます
  6. 花弁にある筋模様については、ヒトと同様に虫たちの視覚に対しても方向を指し示す効果があるのだと思われます

偶然ヒメハナバチの仲間が訪れていたので観察していると・・

ありゃ!花弁と萼の間に口を差し込んで蜜を吸っていますねぇ。あまりに無謀なことをするものだから花が壊されてしまいました。蜜を吸い終わった手前の花では花弁が外れかかっている!

【まとめ】

  1. 草取りをサボると見たこともない草が生えてくることがあります
  2. フウロソウ科の植物は紫外線の反射と吸収を利用してネクターガイドを表現しています
  3. 花の中心部で紫外線吸収するように進化してきた経緯は推測することができました
  4. ヒメハナバチの仲間の訪花では花弁と萼の間に口を差し込んで蜜を吸っていました

【今後】

  1. 雄性先熟かどうか・・花が小さいので観察するのが大変そう
  2. 実とタネも面白い特徴があるので観察したいと思います

以下、過去レポートの再掲です。

  • ハクサンフウロ(フウロソウ科フウロソウ属)

多年草です。フウロソウ属の花はいずれも雄性期の後に雌性期になります。開花当初、10本の紫色の葯から花粉が出されている間は赤色の柱頭は閉じて受粉できないようになっています(写真左)。花粉が終わった頃に赤く印象的な5本の柱頭が外側に展開し始め受粉可能になります。まもなく、葯は落ちてしまい、花の中心は雌しべだけになり雌性期になります(写真右)。雄性期と雌性期は花の中心の様子が大きく違うので、この花の変遷を知らない人は別種の花かと思うかもしれません。このように雄と雌の期間を分けることにより、自家受粉をさけ、シマハナアブなどの昆虫に別の株から花粉を運んでもらって受粉する工夫をしています。そのことを雄性先熟といいます。そしてその後、花弁が落ちてがくが閉じ、果実への成熟が始まります。果実は黄色から黒色に熟します。秋の晴天の元、乾燥したときに5個の黒い種がはじき飛ばされて周辺に散布されます。

  • ゲラニウム ブルーサンライズ (フウロソウ科フウロソウ属)

アメリカフウロより花が大きいので紫外線吸収パターンがよくわかります。

 野生のハクサンフウロに似ています。可視光写真では花弁基部は明るく写っているのに対し、紫外線写真では花の中心に吸収があり黒っぽく写りました。また、花弁にある筋模様も紫外線をよく吸収していました。

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鉢植えハルジオンは魅力的か

2025年05月04日 | 野草・山野草

ハルジオンは今では春から初夏の雑草という扱いです。しかし、大正時代に北アメリカから渡来した当初は園芸的価値があったそうです。今ほど園芸品種が溢れていなかった時代でありハルジオンの花でも綺麗と見られていたのですね。

そこでハルジオンを鉢に植えて鑑賞してみようと考えたわけなのです。普通のレンズでは魅力的に撮れなかったのでF=1.8の望遠レンズを久しぶりに持ち出してみました・・

明るいレンズで背景をボケさせて引き立てようとしました。背景はタイムの群生です。タイムと同じ仲間のイブキジャコウソウも大きな群落を作ることがあって夏山でそれに出会うとホントに感動しますよ。イブキジャコウソウも良い香りがします。おっと、今日の主役はハルジオンでした。

背景を暗くして花を際立ててみました。どうでしょうか。ハルジオンの魅力を感じていただけましたでしょうか。果たしてこれが大正ロマンなのか?

親から貧乏草って教えられて育ったからどこからどう見ても貧乏草にしか見えませんでした。なんといっても花弁の細さと薄いピンク色が薄幸な感じを醸し出しているのですよね。それと、茎が長くて鉢から離れたところで咲くところも今の時代には合っていないのかも知れません。花が小さいから切花でも使えそうにないですし。似た仲間のヒメジョオンの方はもう少し花弁に幅があり色も淡紫色でオシャレ感があるのですがね。

それでもしばらくは栽培を続けてみようと思います。そのうち愛着出るかも知れないから。

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