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植物のふしぎ

植物をはじめ、生物のふしぎな生態をレポートします。
🌷ガーデニング・家庭菜園・草花と自然🌷

良い香りのする植物の特集・ハーブ編

2025年05月07日 | ガーデニング

今回は香りの良い植物ハーブ編です。香りのお花については

良い香りのする植物の特集・花編

でレポートしました。でもそこに載せきれていない植物もあったので近々その続編も投稿たいと思います。

これまでに何度も登場してもらったタイム。オレンジバルサムタイムという品種だと思います。横長のプランターでコモンタイムと一緒に育てていましたが、昨年から地植えにしたらすごい勢いで広がり綺麗な花を咲かせました。プランターではコモンタイムよりも勢いが良かったです。強い繁殖力だと思います。拡大制限をかけないといけません。

コモンタイム

こちらは今でもプランターに住んでいます。オレンジバルサムタイムに比べてお花は控えめな感じ。お料理に使うのはコモンタイムが主流のようです。でもどちらも良い香りはしています。

オレガノ ノートンズゴールド

葉の黄緑色が明るい雰囲気です。右に見切れているスペアミントに押され気味です。あとたまに踏みつけているのもいけないのか根絶しそうな感じに。大切にしなきゃね。

スペアミント

地下茎を使って領地を拡大する植物なので注意が必要。ニラの中に突如出現しました。

ミントは庭に植えてはいけないとも言われます。拡大する勢力に対抗できればそれほど問題にはなりません。過去、パイナップルミントも育てていました。こちらも繁殖力が強かったので、冷たくあしらっていたら根絶してしまいました。葉っぱに斑が入っていてお気に入りだったので残念です。

ローズマリー

品種は分かりません。ミントほどの領地拡大はしないのですが、これも樹勢の強い植物です。なので・・

カラスノエンドウに覆われて苦しそうですが放置しています。これである程度伸びを抑えようという算段。カラスノエンドウもタネを実らせると厄介なのでもうそろそろ駆除した方が良さそう。

以上がシソ科のハーブになります。ハーブに興味があって集めてみたものの料理にはたまにしか使わないので専ら鑑賞用です。

あ、肝心のシソを忘れてました。

赤紫蘇と青紫蘇、毎年両方こぼれダネで生えてきます。良い株になっていたら菜園の適当なところに移植して育てます。赤紫蘇と青紫蘇の中間のような外見のものも見かけます。そういうのは風味が落ちるのでしょうか。

月桂樹 (クスノキ科ゲッケイジュ属)

ローリエです。これも樹勢が強く、徒長枝がすんごく伸びます。なので毎年の剪定が大変です。年1回では間に合わなくなって最近は年2回剪定しています。その度ごとにローリエを収穫。こちらは度々料理に使っていますけれど剪定枝の出る量がハンパないのでこれも到底使いきれません。お裾分けも嫌がられるくらいなので捨てています。

カモミール

リンゴの香りがすると言われているハーブです。ハーブティーで美味しくいただけます。意識して栽培しなくてもタネで増えて庭のあちこちで育っています。この植物が持つアズレンという成分から胃薬のマーズレンが開発されました。ハーブから薬になるものもあるということ。この植物もアブラムシ被害に会いやすいので収穫時には注意が必要です。

ヨモギ

こちらも育てていなくても勝手に庭で生きています。転居した当初から庭に居座っていました。草取りに励んで完全駆逐できそうでした。ただ、子供の頃母に頼まれて土手でヨモギ摘みした思い出。草餅にしてくれて庭にあった柏の葉で包んだ柏餅が美味しかったなー。ということでいつか草餅作るために少しだけ残したのが仇となり再び勢いが増してきました。ヨモギって草餅以外でも料理の使い道あるのかな?っと思ってクックパッド見てみたら皆様色々工夫してますねー。餅でなくてヨモギ入りあんぱんにするってのがありました。

以上がキク科のハーブです。

ミツバ(セリ科ミツバ属)

多年草なので何年も同じ所で生き続けています。タネでも増えて少しずつ領地拡大します。この記事書くまで存在に忘れていました。見た目は固そうな感じでしたが美味しくいただけました。食味としては土寄せして軟白栽培の方が良いとは思いますが面倒なので育ちたいように育っています。これもアブラムシ被害に会いやすいです。

セリ科の野菜は基本的に好きです、パクチー以外。

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エノキの新緑と害虫

2025年05月05日 | ガーデニング

新緑の季節になりましたね〜。ということで、鉢栽培しているエノキの紹介です。

本日のエノキ・・

庭でエノキを育てている家は少ないと思われます。というのも、江戸時代 好まれて一里塚に植えられたように成長が早く巨大になる木だからです。国蝶のオオムラサキの食草でもあるので、蝶の飼育を趣味とする人くらいでしょうか。

当家にある理由はというと・・新たな家に越してきて自然に生えた植物は一通り育ててみて取捨選択しようと決めていました。最初に生えてきた未知の植物がこれでした。おそらく鳥のフンから発芽したのでしょうね。生えた所に放っておいたら2年くらいで身長以上の高さになって慌てました。あまりの成長スピードに恐怖を感じたほどです。そこで樹種を調べて初めてエノキということを知りました。とりあえず鉢に移して様子を見ることにしたのです。移植の時は太い根が四方に張り巡らされていて掘り上げるのにも苦労しました。太い根を切られても枯れずに10年近く生きています。それほど丈夫な木なのです。

根元はというと・・

直径35cmくらいのプラ鉢に植えてあります。確保してあったウォータースペースもなくなってきたなぁ。幹回りが太くなって大木の風格さえ感じられます。一昨年植え替えたときは鉢から抜けずに壊しました。既に鉢から抜けそうにない雰囲気出てますし来年くらい植え替えたほうが良さそうかも。

美しい新緑です。この若々しい黄緑色を見ていると元気が出ますよね。

昨年、エノキワタアブラムシが大発生した時、その被害で葉っぱが一枚も残っていない枝が生じました。その枝が将来どうなってしまうのか観察するために麻縄を縛っておきました。どうなったかというと・・

麻縄を縛ったすぐ上に若芽が出ている他、その枝は全て枯れていました。この枝以外の麻縄枝も似た感じの結果になりました。

葉っぱを失った枝はその後枯れやすいんですね。

【追加情報】

エノキはテラスに置いていたのですが、枯れ枝のある位置をよく見たら、ある特徴がありました。

  1. 樹木の下よりにアブラムシによる枯れ枝が目立ったこと
  2. 家側に集中していたこと
  3. これらは、木の上部で外に面している部分では被害が少なかったということでもあります
  4. すなわち天敵が思いの外活躍していたのかもしれません
  5. あるいはアブラムシの生態として樹木の中でも目立たない側に群生する可能性が考えられます

新緑だからまだ居ないと思ったら・・

この白いふわふわしたワタみたいなのがエノキワタアブラムシ。これがいると排泄された甘露で床がベトベトになります。既に幼虫もたくさんいるから早く駆除しないとまた葉っぱが無くなってしまう。。去年は薬を用いたのに絶滅しませんでした。薬剤耐性を持っているのか、身に纏っているロウ物質が防御しているのか、あるいは飛んで逃げるので再飛来なのか。よくわかりませんでした。粘着テープで駆除した方がいいかも知れません。しかしこの方法は被害初期だけ可能。鉢植えとは言え葉っぱの数はかなり多いから被害が拡大したらその方法では無理そう。

【追加情報】粘着テープで捕獲する方法、葉裏の葉脈近くにいる小さな幼虫は葉脈の高さに守られて粘着テープにくっつきにくいです。この方法、到底現実的ではありませんでした。写真でも分かるように、アブラムシの本能なのでしょうか、葉裏の葉脈の近くや葉脈分岐点に集中しています。こんなふうに身を守っているのですね。

それからクロウリハムシも葉っぱを喰っていた!!ウリ科の植物だけではないんですね。名前に騙されてしまいました。

居たら嬉しいオオムラサキの幼虫は今年も見当たりませんでした。これまでもオオムラサキの幼虫を見かけたことはありません。

【まとめ】

  1. エノキの新緑は美しいです
  2. エノキは鳥のフンを介して分布を拡大させています
  3. エノキの成長は恐ろしいほど早いので、庭で見つけたらすぐに抜いたほうが良いです
  4. エノキの害虫・エノキワタアブラムシの被害で枝が枯れることもあるので注意が必要です
  5. そのアブラムシを目当てにテントウムシが黄色い卵を産みつけることがあります
  6. 昨年、アブラムシを大発生させてしまった原因の一つにテントウムシの卵だということを知らずに全て除去したことが挙げられます
  7. ワタアブラムシは薬剤が効かないことがあるので処理後に効果判定のチェックが必要です
  8. アブラムシは葉裏の葉脈近くに群生していることが多く、それが身を守る行動でした
  9. ウリハムシの仲間もエノキの新緑を食べていました
  10. 国蝶オオムラサキの食草ですが栽培してから一度も見かけたことはありません
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びっくりするような雑草魂

2025年04月28日 | ガーデニング

お伝えしているように、今春は草取りをサボって庭が大変なことになっています。それでも少しは草取りしてまして、庭の一角に穴を掘ってその中に抜いた草や生ごみなどを入れ堆肥作りしているのですが・・

が〜〜ん。抜いて捨てた草に綿毛ができている・・。すごい。抜いた時には花はほとんど咲いていなかったはずなのに。雑草の生命力ってすごいです。ちなみにこれはキク科の雑草オニノゲシ

放置していたらコハコベもこんな具合に。葉っぱが黄緑色になっているのでもうすぐ枯れる感じです。

草の下に白い紙を置いて2〜3回軽く叩いただけで・・

タネがこんなにこぼれ落ちたのでした。ちっちゃな茶色い点々がタネです。ほんの数枝からこんなに多くのタネを作っているのだから、この株全体からしたら卒倒しそうなくらいの数になるのでしょう。だから、雑草対策するにはタネを実らせる前にけりをつけなければならないのです。

ナガミヒナゲシ

雑草と言っても写真のようにオレンジ色の綺麗な花なんですよね、1日で散ってしまう儚い存在・・なんて言っていられないくらい凶悪な一面が。一つの実に1600粒のタネができ、元気に成長した一株では15万粒以上のタネを撒き散らすそうです。だからこれも実る前に駆除しなければなりません。各地の自治体で外来生物注意の喚起がなされています。枝葉ゴミを回収する地域でもそこには捨てずに可燃ごみとして捨てたほうが良いと思われます。私が越してきた当初からかなりの数生えていました。だいぶ減らしましたが、まだ所々生えるので困りものです。

花の右の実に注目。芥子坊主と呼ばれる麻薬の原料となるケシと似たような形の実です。河童のお皿のような帽子をかぶったユニークな形なのです。帽子の放射状模様は柱頭です。ナガミヒナゲシは麻薬の原料にはならないものの草全体に含まれるアルカロイドによって皮膚炎を起こす場合があるそうなので草取りの時は気をつけて。

栽培禁止のケシが公園や空き地で自然に生えていることがあります。ケシの花は豪華で綺麗なのでうっかり栽培してしまうことがあるので注意が必要です。

禁止のケシを見分ける点は、

  1. 葉の付け根が茎を抱くように付いている
  2. 葉の色がキャベツやブロッコリーのような艶消しの白がかっている

このようなケシ属植物を見つけた場合は保健所に連絡しましょう。


そしてハルジオン・・

つぼみが下を向く特徴的な姿です。肥料やりをしている畑では110cmくらいの草丈になることもあります。

ここ数年、庭ではハルジオンは見かけないな、と思っていたのですよ。ところが、草取りサボると途端に典型的な草姿があちこちに現れました。タネが眠っていたのでしょうね。あるいは遠くから飛んできたのか。

このハルジオンにはかわいそうなエピソードがあります。実家ではこのハルジオンのことを貧乏草と呼んでいました。貧乏暇なしで、庭の草取りもできないくらいゆとりなく暮らしていると庭にハルジオンが生えてきてしまう、そうならないようにとの戒めの呼び方だと思われます。

しかし、この植物の由来は北アメリカ原産で大正時代に日本に持ち込まれたときは鑑賞用の価値もあったということでした。今では誰からも見向きもされず貧乏草と呼ばれるほどの雑草扱い・・少しかわいそう。

そこで園芸品種として見直せないか鉢に植えて可愛らしく育ててみることにしました。バカデカくなると可愛くないですよね。なので肥料有る無しの二鉢で育ててみることに。肥料プラスの方にはマグアンプKを入れちゃいました。ハルジオンにマグアンプをやる人は私くらいなものでしょう。どんなふうになるか楽しみ。

【まとめ】

  1. 雑草は抜いただけでは土の上で生きついてタネを実らせることがあります
  2. 植物によってはとてつもなく多くのタネを実らせるので注意が必要です
  3. 来年以降も雑草で苦労しないためにはタネがつく前に駆除する必要があります
  4. 雑草によっては有毒成分を持つものがあります
  5. ケシ属の植物・法律で禁止されているケシと区別するには、葉が茎を抱いているかに注目すると良いです
  6. 公園や空き地などで栽培禁止のケシが生えていることがあり、見つけたら保健所に連絡しましょう
  7. ハルジオンは北アメリカ原産で大正時代には園芸的な価値があったということです
  8. ハルジオンは貧乏草と呼ばれるくらい、どこにでも生えてしまう逞しい生命力を持っています
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コニファーの剪定と春の手入れ

2025年03月21日 | ガーデニング

3月下旬に入り、コニファー類を剪定するのに良い時期になってきました。

庭のエメラルドの現在は・・

このエメラルドは植樹してから10年あまり、樹齢は十数年といったところでしょうか。庭のコニファー類は、エメラルドが10本、ブルーヘブンが1本、エレガンテシマが1本、コニカが1本あって毎年この時期 剪定に苦労していますです。

自然樹形の剪定で参考になるYouTube動画がありました・・

横浜マイスター:木下透の剪定講座 コニファーの切り戻し剪定


エメラルドの枝をかき分けて樹木の中心を見てみると・・

昨年3月以来、剪定や枯葉除去をしていなかったので樹木内部では枯葉がたくさん付いていました。風通しが悪い、日が差し込まないということで葉が枯れるのです。とは言っても写真のように樹木中心でも緑の葉が少し残っているのは、毎年苦労して剪定しているから。数年間、何もしないと中心部分では枝に枯葉が降り積もって緑の葉が完全に失われてしまいます。そうなると葉がついているのが枝の先端だけになってしまいコンパクトに剪定できなくなります。コニファーは、枝に元気な葉が付いていないと その枝からは新芽が出ることなく枯れてしまうという性質があります。元気な葉が水と養分を吸い上げて枝を健康に保つということなんですね。だから剪定位置に注意を払わなければなりません。


次に、街で見かけたコニファーの写真・・

比較的交通量のある道沿いのコニファー。個人邸の垣根ということでコニファー以外のところはトリミングしました。

この前を毎日通勤で使っていてこの垣根の変遷に興味を持っていました。経緯はというと・・

2020年前後だったと思いますが、ある日、道路にはみ出て邪魔になったのでしょう、垣根の道路側がバッサリ切られました。それまで綺麗に刈り込まれていたのですよ。清潔感のある角刈りといったイメージでした。刈り込み樹形だったため中心部分の葉は失われた状態だったと思われます。それで強く切られたものだから、道路側の枝は全て枯れてしまい「骨ほね」状態になったのでした。切られた当時は根元からてっぺんまで片側だけ綺麗さっぱりでした。例えていうなら焼き魚を半分きれいに食べたような感じ。それから今日まで5年くらい経ち、奥の生きていた枝から伸びた新芽が手前側に回り込んで育ってきました。しかしまだ「骨ほね」は解消されていません。完全復活には長い時間がかかるようです。強剪定後の回復の様子は大変参考になったのでこのお宅に感謝です。

【まとめ】

  1. コニファー類では、葉がついていない枝からは新芽が出ずその枝は枯れてしまう性質があります
  2. ゆえに樹木中心付近の葉は大切に扱い、枝を生かすためには枝に葉が付いた位置で剪定する必要があります
  3. 中心付近にも光が届くように、枯葉除去も大切な作業です
  4. 年に一度、できたら数回の剪定や枯葉除去作業が望まれます
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早春のアヤメとタネ

2025年03月18日 | ガーデニング

まずは、本日3月18日、庭で栽培しているアヤメ(アヤメ科アヤメ属)の様子です・・

秋に葉が枯れて倒れると春までそのまま。枯葉は腐ることなく根元にしっかりくっついています。自分で育ててみて初めて枯葉が強固だということを知りました。放置すると何年にも渡って積み重なって塚のようになるのではないかと危惧しています。自然の状態ではどうなっているのでしょう?今まで気にしていなかったのですが、今度山歩きした時にどうなっているのか注目してみたいと思います。

枯葉の写真だけでは美しくないので、春から初夏にかけて咲く花の写真も見てね・・

この写真のアヤメは、諏訪市と伊那市の堺にある守屋山(1650.3m)山頂近くで咲いていました。10年以上前の7月8日に撮りました。

平地のアヤメは4月下旬から6月にかけて咲きますが、標高の高いところでは7月になることもあるのです。

アヤメの果実は・・

このように、秋にアヤメ科に特徴的な蒴果ができます。アヤメ科の基本の数字は「」です。覚えておきましょう。内花被片、外花被片、雄しべともに3つで花柱は3つに分かれ、果実においてもタネが収まる部屋が3つあり、熟すと3裂してタネがこぼれ出ます。その後も腐ることなく春になってもそのままの形を維持していて、今日撮った写真でも上のような様子でした。

果実の中に茶褐色の小さなタネが数え切れないくらいたくさん入っています。実とタネの構造は以前レポートしたキショウブ(アヤメ科アヤメ属)と同じです。


タネの大きさや形はキショウブとは違っていましたので比較してみます。測定方法は、キショウブで行った方法と同じなので誤差は若干大きめに出ます。

  • キショウブ

直径7~8mm、厚さ2~5mm。

タネ1個の平均の重さは、0.0668g

タネ1個の平均の体積は、0.136ml

タネの密度は0.491g/ml

  • アヤメ

直径3~6mm、厚さ1~2mm

タネ1個の平均の重さは、0.0153g

タネ1個の平均の体積は、0.0143ml

タネの密度は1.07g/ml

  このように、水辺に生えるキショウブのタネは比重が小さく水に浮き、草原などに生息するアヤメは比重が大きく水に沈みます。これは、タネの散布の様子に反映しています。キショウブではタネが水浮きながら流されて遠くまで運ばれるようにできています。一方、アヤメは水に浮く必要はないので、構造が単純で小さく比重の大きなタネになっているのだと思います。

【まとめ】

  1. アヤメ科は花被片や果実などにおいて基本の数が「3」です
  2. アヤメは秋に蒴果を実らせ、乾燥すると3裂して茶褐色の小さな種子がこぼれ出ます
  3. 秋に枯れた葉は、ほとんど腐食せず春になっても強固に根にくっついています
  4. 栽培する上では、新芽が出る前に枯葉を刈り取る必要がありそうです
  5. アヤメ科アヤメ属のうちキショウブ、ノハナショウブ、カキツバタは水辺に生息しますが、アヤメは主に乾燥した草原などの環境に生育します
  6. アヤメのタネはキショウブに比べて重さは約23%、体積は約10%と小さいものでした
  7. 水辺生育のキショウブのタネは比重が小さく水に浮きますが、草原で生育するアヤメは比重の大きなタネを実らせます
  8. この比重の違いはタネの散布方法の違いに反映しています

【今後】

  1. 開花期に花の詳細な観察レポートしたいと思います
  2. 野生アヤメにおいて生育期の根元あたりの観察
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