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株式会社プランシードのブログ

株式会社プランシードの社長と社員によるブログです。
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その147.2014年5月6日、落札

2014-05-15 06:13:17 | 制作会社社長の憂い漫遊記
引き続き、私の参加する本住吉神社例大祭で行われる
だんじり祭りについて。

5月4日~5日と我が空區では事故もなく無事終了、
5日には他地区には出来ない断トツの素晴らしい宮入を
例年通りにビシバシに決めた。
決めたら片付けをしなければならない。
オキテとしては6日が休日なら6日に片付けをするが、
もし6日が平日なら直近の日曜日が片付けとなる。
今年は翌日の6日が休日のため片付け日となった。
はっきり言ってキツいが、仕事ならもっとキツい。
まぁテンションが高い分、翌日の片付けの方が楽かもね。

どんなことでもそうだが、設営よりも撤収の方が断トツに早い。
朝10時から片付けは始まるが、13時には毎年カタがつく。
その後、昼食を兼ねて打上げを行ない、落札(らくさつ)となる。
落札とは祭りの主体者である若中から、
だんじりの所有者である空區に対して借り受けていただんじりを
返還すると共に、本年度の役付を解き、来年度の役を任命する儀式である。
落札で一年が終わり、新しい一年が始まる。
責任者、副責任者、会計の三役と、
だんじり運行グループ長にあたる四隅責任者、若中頭、屋根責任者、
鳴り物頭などもその任を解かれる。
落札では、来年度の三役(責任者、副責任者、会計)が選ばれ、
1年間の準備活動の中で、運行グループ長を任命していく。
ちなみに私は暗黙の了解で毎年子供会担当なので、
15年ほど前から3役になることも、運行グループ長になることもない。
子供会担当は酒も呑めない上、
50人からの子供たちと一致団結して綱を一日中曳かねばならない。
そもそもだんじり馬鹿なのにだんじりに触れることすらできない。
だんじりが角を曲がるときやバックするときは、
だんじりの曳き手の邪魔にならないよう
綱をコントロールしなければならないし、
だんじりの曳き手以上のパワーを出せるように、
50人からの子供のテンションをコントロールしなければならない。
それを一日中となると大変だ。
しかも一度やると毎年ず~っと続けなければならない。
だから私は子供の時間が終わる17時からは
好きなポジションにいかしてもらう。


  だんじり後ろに座って高みの見物。
  だんじりの違う姿が見えてくる。

前で曳いたり、後ろで押したり、時にはだんじりにドッカリ座ったりと…
一通りやるとその年の弱点も見えてくる。
その時に弱点をズバッと指摘できるのは、
年寄りと呼ばれる重鎮か、余程の自信家か、余程の馬鹿だけである。
重さ4トン強の、バンドルもブレーキもないだんじりを
一人で動かすのは、どだい不可能だ。
もしだんじりがうまく動かなかったとしても、
誰かが悪いのではなく、全員の心がひとつになっていないからであり
チーム若中が一つにならなければ、ぜったいにうまく動かない。
それがわかっているから余程のことがない限り指摘などできない。
わかっていてもグッと抑える。大人な態度が寛容なのだ。
ただしヤバい時は叫ぶ。これも大人の態度である。
こうして気遣いを学び大人になっていく。
祭りとはドラマ人間模様であり、人と人との真相心理のぶつかり合いだ。
実は祭りの裏側のもうひとつの魅力であると私は思っている。
若者は祭りのカッコよさだけをみる傾向があるが、
このドラマ人間模様に気付くと急に大人になる。
とりわけ三役や四隅責任者になると
ドラマ人間模様が肌身でわかるようになる。
いかに今まで己はギャアギャア吠えるだけだったのかと
自己嫌悪に陥ってこそ一人前の大人になる。
今の空區では、四隅責任者には比較的若者が任命される。
毎年私は子供たちと綱を曳きながら、
四隅責任者の表情や動きを楽しんでいる。
指示に手こずり急に自信なげになったり、
遠慮したりするのがよくわかる。
私は四隅責任者や三役のいかなる罵声や
指示にも逆らわず、いつもニコニコと笑って聞いている。
これも私が三役や四隅責任者をさせてもらって
学んだことだ。
給料をもらうわけでもなく、ボランティアでもない。
ただ、だんじりが好きなだけで集まった人々がつくる
ドラマ人間模様から学んだことだ。
わずか2日間ではあるが、祭りは若者を成長させる。
空區だんじりには老若男女を問わず、
愉快で温かな人々が集っている。
おそらく、だんじりが生み出すパワーが人々を引き寄せ、
だんじりの神さんの愛で、その輪がはぐくまれているのだろう。

私も我が町の子供たちの成長を毎年見られるし、
体力の続く限りだんじりを触っていたいと思っている。
また来年。

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