真っ当なモニター・サウンドと鮮烈な赤の対比も面白いヘッドホンATH-M50

【audio-technica】

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プロ用モニターに限定色のレッドが登場


オーディオテクニカのヘッドホンのラインナップの中で、プロユースに対応するモニターヘッドホンのトップモデルが本機。2007年の発売だが好評を受けてか、去年2012年には全てが真っ白な新色コンプリートホワイトを追加。そして先日さらに、期間限定という形でレッドが登場した。マットやメタリックではなく、ペイントで塗りつぶしたかのようなぎらっと艶やかな赤だ。すぐには他に思い当たらない、ベーシックな色でありながらも個性的な仕上がりとなっている。

音質
さて音質等の面も改めて確認しておこう。スタジオ・エンジニアの鋭い聴覚に応える頼れるパートナーとしての高音質を追求したという本機のドライバーは、45mmとほどよい大口径に、強磁力マグネットを搭載。ボイスコイルの素材には軽量なCCAW（銅クラッドアルミ線）を採用し、軽快かつ力強い駆動を実現している。

もちろんプロの現場では長時間の装着における快適性も重要であるので、フィット感のよいイヤーパッドやスムーズに調整できるヘッドバンドといった部分も抜かりない。実際、重量は284gと軽くはないのだが、装着している分には特に重いとも感じさせない。

扱いやすさの面についても、頻繁な着け外しを考慮しての片出しのカール・ケーブル、移動や収納に便利な折り畳み機構といった機能性を備えている。

実際に音を聴いてまず感心させられたのは、低音のコントロールの巧みさ。ベースやドラムスの太さを適当に出しながらも、それでいて緩い膨らみはない。強調感のない自然な低音だ。ベースは音程感の確かさやアタックの素直さも特長で、これならベーシストが録音モニターとして使うこともできるだろう。高音側では、シンバル類はロック的なザクザクという荒さは控えめの澄んだ音色だが、良質な音色なので物足りなさはない。女性ボーカルは声の質感を少し強めに出すので、声のかさつきなどが気になる瞬間もある。しかしそういう部分を何でも聴きやすく丸めてしまってはモニター用として使い物にならないので、ここは当然。シビアな再現性だ。

実に真っ当なモニター・サウンドと鮮烈な赤の対比も面白いヘッドホンだ。
【SPEC】
●型式：密閉ダイナミック型 ●ドライバー：φ45mm、ネオジウムマグネット、CCAWボイスコイル ●再生周波数帯域：15～28,000Hz ●許容入力：1,600mW ●インピーダンス：38Ω ●出力音圧レベル：99dB ●質量：284g (コード除く)
     

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