前の記事「日本を戦争に駆り立てるハリウッド映画」で考察したように、誰かが日本の再軍備を促しているように見えるのである。
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米国は、戦後、日本を弱体化することに力を入れていた。日本人という優秀で団結力のある民族が、再度欧米に刃向かう事がないように、その牙を抜くことを至上命題としていたのである。
その後、朝鮮戦争の勃発により、日本の再軍備が必要となり、また米国内でマッカーシズムが起きて対日政策の方針転換があったが(俗に言う「逆コース」)、日本を弱体化するという基本方針は一貫していたと思う。
ところがここに来て、米国内に変化が起きているように見える。沖縄の海兵隊のグアム移転が決まったことが象徴的である。(なお、1兆円を超える移転費用を日本側が負担することになって問題視されているが、何を今さらと言うしかない。移転費用の全額日本負担を米国側に約束したのは、半年以上まえのことなのに。)
米国は世界中に軍隊を常時駐留させる方式を改め、世界中のどこかで紛争が起きた場合、航空機を使って迅速に部隊を展開し、短期間に制圧して撤収するシステムを構築しようとしている。この背景には、大規模戦闘から局地的テロへという戦争の形態の変化があり、技術的には軍事技術とITが結びついた「軍事革命」(RMA:Revolution in Military Affairs)が、さらには米国の財政赤字の問題も根本にある。
このように、米国は「撤退したがっている」のだが、極東は未だ予断を許さない状況にある。従って、撤退する米国に代わって、日本の軍事的プレゼンスが増すことが、米国の戦略上、必要とされていると考えられるのである。
その際、極東における日本の仮想敵国はどこだろうか?
北朝鮮は、最も好戦的に見える。しかし、実際の戦力は伴っておらず、日本がミサイル基地を先制攻撃すれば、北朝鮮は攻撃の手が無くなるだろう。
残りは中国である。中国は核兵器を持っているうえ、通常兵力でも急速に力を強めている。米国にとっても脅威であるに違いない。
さらに今後、台湾独立の動きが進めば、中国は併合(統一)に向けた軍事的圧力を強めるだろう。そして、米国はそれを認めることはできないだろう。その時にもし、中国と米国が軍事衝突すれば、米国はベトナム戦争を遙かに超えた軍事的泥沼に入り込んでしまうことになる。場合によっては第3次世界大戦にも繋がりかねない。米国としてはそのような事態は避けたい所である。
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約100年前にも、同じような状況があった。その時は、敵は、アジアに勢力を伸ばして英米の権益を脅かしていたロシアだった。そして、そのロシアに対してけしかけられ、代理戦争を戦ったのが日本だったのである。
日本人は、100年経っても、何の教訓も得ることなく、中国に対して、同じ過ちを繰り返してしまうのだろうか。
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米国は、戦後、日本を弱体化することに力を入れていた。日本人という優秀で団結力のある民族が、再度欧米に刃向かう事がないように、その牙を抜くことを至上命題としていたのである。
その後、朝鮮戦争の勃発により、日本の再軍備が必要となり、また米国内でマッカーシズムが起きて対日政策の方針転換があったが(俗に言う「逆コース」)、日本を弱体化するという基本方針は一貫していたと思う。
ところがここに来て、米国内に変化が起きているように見える。沖縄の海兵隊のグアム移転が決まったことが象徴的である。(なお、1兆円を超える移転費用を日本側が負担することになって問題視されているが、何を今さらと言うしかない。移転費用の全額日本負担を米国側に約束したのは、半年以上まえのことなのに。)
米国は世界中に軍隊を常時駐留させる方式を改め、世界中のどこかで紛争が起きた場合、航空機を使って迅速に部隊を展開し、短期間に制圧して撤収するシステムを構築しようとしている。この背景には、大規模戦闘から局地的テロへという戦争の形態の変化があり、技術的には軍事技術とITが結びついた「軍事革命」(RMA:Revolution in Military Affairs)が、さらには米国の財政赤字の問題も根本にある。
このように、米国は「撤退したがっている」のだが、極東は未だ予断を許さない状況にある。従って、撤退する米国に代わって、日本の軍事的プレゼンスが増すことが、米国の戦略上、必要とされていると考えられるのである。
その際、極東における日本の仮想敵国はどこだろうか?
北朝鮮は、最も好戦的に見える。しかし、実際の戦力は伴っておらず、日本がミサイル基地を先制攻撃すれば、北朝鮮は攻撃の手が無くなるだろう。
残りは中国である。中国は核兵器を持っているうえ、通常兵力でも急速に力を強めている。米国にとっても脅威であるに違いない。
さらに今後、台湾独立の動きが進めば、中国は併合(統一)に向けた軍事的圧力を強めるだろう。そして、米国はそれを認めることはできないだろう。その時にもし、中国と米国が軍事衝突すれば、米国はベトナム戦争を遙かに超えた軍事的泥沼に入り込んでしまうことになる。場合によっては第3次世界大戦にも繋がりかねない。米国としてはそのような事態は避けたい所である。
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約100年前にも、同じような状況があった。その時は、敵は、アジアに勢力を伸ばして英米の権益を脅かしていたロシアだった。そして、そのロシアに対してけしかけられ、代理戦争を戦ったのが日本だったのである。
日本人は、100年経っても、何の教訓も得ることなく、中国に対して、同じ過ちを繰り返してしまうのだろうか。