クルド難民、ベトナム難民、インドシナ難民など、「難民」はメディアで良く耳にする言葉である。政治難民、経済難民などと分類される事もある。しかし、この言葉、よく考えると意味が分からない言葉でもある。
----
難民【なんみん】
(1)天災・戦禍などによって生活が困窮し,住んでいた土地を離れ安全な場所へ逃れて来た人々。
(2)人種・宗教・政治的意見などを理由に迫害を受けるおそれがあるために国を出た人。亡命者。
(3)転じて,何かから溢(あふ)れてしまった人々を俗にいう語。「昼食―」「就職―」
----
これは、goo国語辞典の定義である。(1)の定義によると、天災によって居所を変える人も難民になるようだから、神戸や新潟の地震で家を離れた人は難民と言えそうだ。アメリカのハリケーンで家を追われた黒人達も、難民と言って良いだろう。何とも曖昧な定義だ(笑)。
(2)の定義はもう少しましだが、人種・宗教・政治的意見など、国を移る理由が何であっても難民となってしまう。
しかし実際にニュースで取り上げられる難民問題は、ほぼ、
「全体主義国家の圧政」や、「軍事政権と反政府勢力の絶え間ない内戦」に耐えかねて、「国を捨てる貧しい人々」
というパターンなのである。そして、この「全体主義国家」と「軍事政権」こそが、東西冷戦下では東側諸国の代名詞だったので、冷戦下では、東側諸国から西側に逃げて来た人≒難民であった。
難民問題の元締めといえば、緒方貞子さんが代表を務めていた国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)であるが、実はUNHCRも、ロシア革命から逃れて来た人を救うために作られた機関なのである。
http://www.geocities.jp/horry0713/3kai.htm
つまり、難民問題と共産主義は当初からコインの裏表の関係にあったのであり、これは東西冷戦の終結まで続いた。
そしてその間、難民問題は西側諸国による反共産主義のプロパガンダの役目も果たしてきたのである。
例えば、難民と言って真っ先に思い浮かぶのは、ボートピープルであろう。言うまでもなくボートピープルとは、南ベトナム政権崩壊により共産国となったベトナム及び周辺国から船で逃げ出す人々である。
そしてこれは、共産圏の非人道性を訴えるための格好の被写体となったのである...
(なお、余談であるが、日本にたどり着いたボートピープルの実態は、中国人の「偽装難民」だったというオチも付いている。) http://www.npa.go.jp/hakusyo/h02/h020101.html&no=8
----
最近の報道によると、北朝鮮の難民を日本が受け入れることを検討しているらしい。そして、同じ動きが米国内でもあるようだ。
http://www.kobe-np.co.jp/kyodonews/news/01033638kd200603020900.shtml
ひょっとすると、北朝鮮への軍事行動が近づいているのだろうか?
そんなわけで、今日は、難民問題の政治的意味と背景について整理してみた。
----
難民【なんみん】
(1)天災・戦禍などによって生活が困窮し,住んでいた土地を離れ安全な場所へ逃れて来た人々。
(2)人種・宗教・政治的意見などを理由に迫害を受けるおそれがあるために国を出た人。亡命者。
(3)転じて,何かから溢(あふ)れてしまった人々を俗にいう語。「昼食―」「就職―」
----
これは、goo国語辞典の定義である。(1)の定義によると、天災によって居所を変える人も難民になるようだから、神戸や新潟の地震で家を離れた人は難民と言えそうだ。アメリカのハリケーンで家を追われた黒人達も、難民と言って良いだろう。何とも曖昧な定義だ(笑)。
(2)の定義はもう少しましだが、人種・宗教・政治的意見など、国を移る理由が何であっても難民となってしまう。
しかし実際にニュースで取り上げられる難民問題は、ほぼ、
「全体主義国家の圧政」や、「軍事政権と反政府勢力の絶え間ない内戦」に耐えかねて、「国を捨てる貧しい人々」
というパターンなのである。そして、この「全体主義国家」と「軍事政権」こそが、東西冷戦下では東側諸国の代名詞だったので、冷戦下では、東側諸国から西側に逃げて来た人≒難民であった。
難民問題の元締めといえば、緒方貞子さんが代表を務めていた国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)であるが、実はUNHCRも、ロシア革命から逃れて来た人を救うために作られた機関なのである。
http://www.geocities.jp/horry0713/3kai.htm
つまり、難民問題と共産主義は当初からコインの裏表の関係にあったのであり、これは東西冷戦の終結まで続いた。
そしてその間、難民問題は西側諸国による反共産主義のプロパガンダの役目も果たしてきたのである。
例えば、難民と言って真っ先に思い浮かぶのは、ボートピープルであろう。言うまでもなくボートピープルとは、南ベトナム政権崩壊により共産国となったベトナム及び周辺国から船で逃げ出す人々である。
そしてこれは、共産圏の非人道性を訴えるための格好の被写体となったのである...
(なお、余談であるが、日本にたどり着いたボートピープルの実態は、中国人の「偽装難民」だったというオチも付いている。) http://www.npa.go.jp/hakusyo/h02/h020101.html&no=8
----
最近の報道によると、北朝鮮の難民を日本が受け入れることを検討しているらしい。そして、同じ動きが米国内でもあるようだ。
http://www.kobe-np.co.jp/kyodonews/news/01033638kd200603020900.shtml
ひょっとすると、北朝鮮への軍事行動が近づいているのだろうか?
そんなわけで、今日は、難民問題の政治的意味と背景について整理してみた。