本日の未確認情報

政治・経済・市況・科学について、真偽不明な解説を書き綴るブログ

自然破壊で滅んだギリシャ文明

2006-04-03 23:45:50 | その他
 安田喜憲氏は、地質中の花粉の化石の分析を通じて、歴史上の植生を再現する手法を通じて、植生と文明との関係を分析して著名になった地理学者である。「森林の荒廃と文明の盛衰」などでの、歴史と文明とを結びつけた考察は、科学的裏付けもあって興味深い。もっと世界的に注目されても良い学者だと思う。

 同書で特に興味深いのは、ギリシャ文明の盛衰と、植生との関係を分析したところ。

 ギリシャ・エーゲ海というと、真っ青なきれいな海という印象がある。しかし、透明度の高い海というのは、裏返せば、生物が生息できない環境であるということ。それは、周辺の陸地に森林がないため、腐葉土などの栄養分が陸地から供給されないということである。

 ところが、植生を花粉の化石から分析すると、数千年前にはハンノキ、ナラなどの森林が拡がっていたという。そして、これらの森林は人間の焼畑や燃料としての伐採によって、失われたのである。

 森林の減少は、一時的に文明の隆盛を来す。なぜなら、砂漠化し、降水量が減少すれば、「大河のほとりへの人口の集中と、より強力な灌漑のコントロールの必要性を産み、中央集権的な国家の誕生をもたらした」(p174)からである。

 しかしながら、さらなる森林の減少は、人口の流出と文明の崩壊をもたらす。その結果が、現在のギリシャのはげ山と、すきとおったエーゲ海である。

-----

 ヨーロッパの精神の起源とも言えるギリシャ文明であるが、そのギリシャ文明はサステナビリティのない文明で、そのために滅んだと言えるだろう。

 そして、自然環境の「サステナビリティのなさ」は、現代の欧米の文化にも脈々と受け継がれていると感じられる。

 欧米文明は、ギリシャ→ローマ→フランス→ドイツ・イギリス→アメリカと、土地と森林を食いつぶしては次の地域に文明の中心を移動することで発展してきたと思う。しかし、いよいよ世界に残された土地は無くなりつつあるのである。

 ギリシャ・ローマ文明とその継承者から決別すべき時に近づきつつあるのではないだろうか。 

アフリカで政権転覆を企てたサッチャーの息子

2006-04-02 23:27:26 | 政治
 約1年前のことだが、イギリスのサッチャー元首相の息子・マーク・サッチャーが、アフリカでクーデターを企てて失敗し、当局に拘束されるという事件が起きた(フォーサイトの2005年1・4月号参照)。

 アフリカの小国・赤道ギニアで、ヌゲマ政権を転覆しようと傭兵雇った罪で逮捕されたのである。

 サッチャー以外の主な登場人物は次のとおり。

 サイモン・マン…イギリス特殊部隊SAS等の経歴あり。政権転覆の実行部隊のリーダー。69人の傭兵を連れて大統領宮殿の襲撃を計画。ジンバブエで武器を購入しようとした容疑で逮捕される。

 セベロ・モト…元・赤道ギニア進歩党党首で、スペインに亡命中。クーデター成功後、赤道ギニアに入国し、政権を担う事を予定していた。

 ちなみに、サッチャーには、セベロ・モトを赤道ギニアに移送するための飛行機を手配した容疑も掛けられているそうである。

-----

 赤道ギニアは石油が豊富なので、イギリス・スペイン両政府が、石油を狙って政権転覆を狙ったのではないか、というのが上記の記事の見方である。

 そして、クーデターの首謀者と見なされていたサッチャーに対する判決は、罰金と執行猶予付きの有罪判決という、極めて甘いものであった。サッチャーはすぐに自由の身となって今はイギリスで普通に生活しているそうである。

 欧米の民主主義と人権意識の底の浅さを感じさせる事件ではある。しかし、この手の謀略で、ここまで詳細が明らかになったのは珍しいのではないか。詳しく調べておけば、今後の日本外交にも参考になる事例だと思う。

スポーツクラブに行ってみた

2006-04-02 02:58:54 | Weblog
 ランニング等の運動はしているのだけれど、筋トレを家でやるのは限界があるので、スポーツクラブに入会してみた。

 体育会系の若者が多いかと思いきや、以外とひ弱な(失礼)中高年が多かった。中高生くらいの若者もいるが、明らかに自分よりも体力がなさそう。

 自分のことを体力がないとずっと思っていたが、意外とそうでもないらしい。

 行きなれないところに行ってみると、それなりの発見があるものだ。