はぎおの「ツボ」note

興味がかなり偏ったはぎおが「ツボ」にはまったことを、のんびりと、時に激しく?!思いつくまま綴ってます…

『鬼平犯科帳人情咄』 。

2006-05-07 22:36:10 | 記録:歴史・時代劇

この作品と出合ってから30年間の記録を、監督として数十本係わった著者が克明に書いている。作者の池波正太郎氏についてはもちろん、この作品に心血を注いだ名プロデューサー、役者、スタッフなどの仕事ぶり・エピソードが詳細に描かれ、読むうちに「鬼平」だけでなく、一つの名作テレビドラマが出来上がるまでの緊迫感がひしひしと伝わってくる。
全てが「職人」「プロフェッショナル」による丁寧なものづくりだからこそ、いまだに愛される作品なのだと痛感した
特に、プロデューサーによる脚本へのこだわり・厳しさには、池波作品への愛情すら感じる。

その中でも、役者についての評価がとても面白い。これがかなり厳しい
白鸚、丹波、萬屋、そして吉右衛門の4人をはじめとして、彦十等の密偵、忠吾達同心に至るまで、それぞれのシリーズの役者を評価していた。
丹波さんシリーズにはかなり厳しいコメントが。「細かい心理描写の池波作品には合わない役者」というニュアンスがたっぷり
萬屋さんは映画全盛期の大スターというイメージで、最初は大変やりにくかったとか紆余曲折を経て最終回には最高のものができたそうだ。
このシリーズは今スカパーで放送中ですが、萬屋さんのあの甲高いに慣れてきたせいか、ようやく楽しんで見られるようになりました

やはり現在の吉右衛門さんシリーズには高評価で、ページ数も一番多かった。
原作や長年取り組んできたスタッフに引けをとらないほど、「鬼平」そして時代劇に対して吉右衛門さんはこだわりを持ち、真摯に取り組まれたそうだ。
また共演者もそれぞれ役を通して成長したとある。
映像はもちろん、セットや衣服までこだわりのあるこの作品が私も一番好きだ

初回の放送から30数年。何故いまだに愛される作品なのか、ドラマ作りを通してわかる本だと思う。
原作が素晴らしいので(とかいって未読)どのシリーズもそれぞれ個性的で、味がある気がする。この本を読んだ上で、更に比較しながらすべて見たい気がします。


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2 コメント

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萬屋 (かしまし娘)
2006-05-10 11:07:28
はぎお様、まいど!

「萬屋」とは!むむむ、買わねばなるまい。

読まねばなるまい。

情報ありがとうございました。

私も原作読んでません。貰ったのに…(笑)
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ぜひ! (はぎお)
2006-05-10 21:15:57
かしまし娘さん、コメントありがとうございます。

「鬼平」の裏話満載で、結構面白かったですよ~萬屋さんのエピソードもたっぷり。

これを読んでドラマを見ると、一味も二味も違った印象になりそうです。ぜひ読んでみてくださいね。

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