



Q : ミンシクさんがジャソンの役にはイ・ジョンジェがよく似合いそうだった、と。
JJ : 映像として出た物より、シナリオは少し地味に表現されていました。
ある人は「地味なシナリオは良いシナリオだ。それでこそ何かを満たすことが多いから」
と言いますが、私は理解できません。
シナリオは設計図と言えるのに、それが粗末ではいけないと思う。
Q : それでパク・フンジョン監督をとても困らせたんですか?
このシーンはなぜ出てきたのか、どんな方法で演じなければならないのか、
次のシーンとはどう作用するのか等、面倒なほど監督と議論をし、
作品に入る前も、そして撮影が終る時まで続いたそうですが。
JJ : 監督に「私にも行動で現わすポイントが必要なのでは」と聞いたこともあります。
しかし、継続して緊張・葛藤した人が突然変わるとキャラクターの強さが落ちそうなので、
お互いに意見の相違を調整していきました。
流れを壊さず、派手でなくても初めのようにスライドさせて行くのが良いという結論に達しました。
Q : チェ・ミンシクさんはとても積極的だったそうですが。
JJ : 夕食の席でミンシク先輩が私を隣に座らせ、
「ジョンジェ、お前ならジャソンを上手く出来るから、お前のやりたい通りにしてみろ。
出来る限りやってみろ」と言われました。
ところが、冷静に考えると これは勇気を与えたのか、負担を与えたのか分からないんです。
勇気を出すよう助けてくれながらも、一方では憎らしかったです(笑)
Q : 役者生活と共に恋愛、結婚を考えているのか。
JJ : 愛のために私は仕事をし、楽しく面白く生きようとするのでは、と思います。
家族間の愛や、異性との愛 全てを含みます。
私の人生で仕事と愛を外すと、私には何もないような気がします。
だが最近、愛は私の思うようにならないという話しをたびたびするのが惜しいですね。
Q : 芸能界を代表する老いた未婚男性になってしまったが、ご両親は心配しないのか?
JJ : 名節の連休に両親と食事をしました。
一昨年までは「結婚しなさい」と言われて困りましたが、
本当に無茶苦茶に“老いた未婚男性のヒステリー”を見せたら、
結婚について もぅ話しが出なかった(笑)



Q : 演技のベテランだが…
JJ : 演技は常に難しいです。
特に最近は観客のレベルと満足度が高まってるので。それは良い現象です。
“この程度なら分からないか?”と言うくらいなら、上の空で出来ますが、
最近の観客は凄いことを知ってるので、慎重に完成度高く撮るよう努力します。
Q : そんな努力をした『新世界』は観客の好みに合ってるようだが、
イ・ジョンジェの代表作になるとしたら用心深くなるのか。
JJ : 好評で良い記事もたくさん出たのを見ました。
とてもありがたい話しで、そうなればとても嬉しいですが、
まだ一般の反応が出ていないので控え目になります。



JJ : 昔は男性的なものを好み、そんな姿で刻印されたいと思いましたが、
あまり上手くいかなかった。今は私の色を見つける過程だと思います。
ミンシク先輩とジョンミンさんとの仕事は、
過ちを犯せば元金さえも取り返せないという気がしました。
共演しようというミンシク先輩の電話を わけも分からず受けました。
それでも、今回がなければ いつあの先輩達と共演できるのか、
そんな思いで出演を決めました。
Q : 『新世界』試写会後、演技に対する好評が続いているが。
JJ : 自信のないキャラクターでしたが、ミンシク先輩にたくさん助けられました。
役者がちょっと敬遠する役でしょ。苦悩するのに行動をしない役って。
表現できる幅が狭いのに 感情の幅は深くなければならない。
撮影しながらも これで合ってるのか、と最初は自信ありませんでした。
Q : 男性ホルモン溢れる『若い男』・『太陽はない』、
『情事』・『イルマーレ』のようなメロー、
『オー!ブラザーズ』・『1724 妓房狼藉事件』のようなコメディにも出演した。
『イ・ジェスの乱』・『インタビュー』・『ハウスメイド』等、
作家主義思考の映画にもしばしば出演したが。
JJ : 当時、どうしてこんなにジャンルが様々なのかとよく聞かれました。
自分自身を実験しているのが半分だとすると、残りの半分は虚栄心だったと思います。
全てやり遂げれるだろう、と言う錯覚もあったし、
色々なことをしてみなければいけないという強迫心もありました。
良い経験でしたが、当時としては賢くない選択だったと思います。
無難な道を選んだらスランプなしで来れたのに。
Q : 一時、演技活動を休みながら事業に没頭したこともあるが、
今は演技にだけ専念するつもりなのか。
JJ : 「トリプル」(2009)以後、中断していたドラマ出演も検討中です。
以前、偶然立ち寄った食堂のおばさんに「どうして最近演技しないの?」と聞かれ、
考え直しました。
Q : 『泥棒たち』を経て『新世界』、そしてソン・ガンホと共に『観相』を撮っているが。
JJ : 一度ぐらい意欲ある演技をしたいです。
成功にこだわったり執着をせず、沢山演じれたら良いですね。



JJ : チェ・ミンシク、ファン・ジョンミンと共に“3トップ”だよと言われ、
負担を感じない人がいるのか。
サーカスに例えるなら、1人はファイアーショーする人(チェ・ミンシク)で、
また1人はナイフを投げる妙技を見せる人(ファン・ジョンミン)。
ところが私は素手で公演するのも同然。果てしなく耐え難かった。
Q : 『新世界』は個人の妙技を見のではなく“合同公演”だった。
マルチキャスティングの『泥棒たち』とは全く違う感じだった。
JJ : 2人は言葉にはしないけど 私を助けようとしているのを体で感じました。
ジャンソがこの映画を引っ張って行くことを目標にしているようでした。
『泥棒たち』には多くの俳優が出て来ますが、各自の(撮影)空間で別々に遊びました。
しかし『新世界』は、3人の俳優が1人の体に頭、腕、脚が付いたように感じるほど
心が1つになりました。
Q : 「ぜひ一度やってみたかった」というチェ・ミンシクとの共演に対する思いは?
JJ : 重いと予想してましたが、重いのは当然で、非常に鋭かった。
ミンシク先輩は青唐辛子がたっぷり入ったカンデンジャン(濃い味噌)のようです。
Q : デビュー20年目「40を超えて非常にゆったりした」と言うが、
その余裕は語りと表情にそのままにじみ出ている。
JJ : 20代では芸能人という職業に対する不安が大きかったです。
だから三十代で事業を並行しましたが、その時は無謀だと悟ることが出来なかった。
事業の結果が良くなく、経済的に大きな物を失うと、
本当に重要なのは 人気とお金ではないと言うことを知りました。
そして20作余りの作品を経て見ると、演技への自信がつき、
少し違うものを演じてみたいという欲が出てきました。
そんな状態を楽しむことになった今、私はとても幸せです。