



Q : 1993年にデビューして20年が過ぎた。
年齢を絶対取らなそうだったイ・ジョンジェも もう四十だ。
もちろん素敵な容貌はそのままだが。
JJ : 昔は体にローションを塗らなかったが、今は塗り始めました。
とても乾燥するので(笑)
両親が“お前も年を取ってみれば、どんなに佗びしいか”と言うので、
“私ももう少ししたら佗びしくなるのか”という気がしました。
私はどうして俳優になったんだろう?不思議です。この生活が本当に長いと思ったりします。
それでも心だけは若くありたいです。
歳月が流れれば身体の変化は当然のことですが、気持だけでも若い友達と
ずっと親しくしていられたら良いですね。
この前、私より十才以上若い後輩に会って話しましたが、
1~2時間がすぐ過ぎました。
そんな後輩と話していると友達みたいです。会話もよく合います。
私はミンシク先輩のように若くありたいです。
(チェ・ミンシクはイ・ジョンジェより11歳年上)
いたずらっ子のようです。まだ幼い子みたいな面があります。
なのに、演じてる姿を見ると、カリスマあふれる姿が現れます。
そんなふうに生きたいです。
Q : 興行について
JJ : 1990年には俳優と興行をあまり関連付けしませんでした。
当時は映画を本当に“作品”と考えていたからでしょう。
ところが最近は“総合的な大衆娯楽物”や“商品”という認識が高くなったと思います。
『泥棒たち』は損益分岐点を越えるだろうと思いました。
今回もそんな考えもありますが、『泥棒たち』に比べると損益分岐点は低く、
それだけは越せないようです(笑)
『新世界』を見て率直に面白かったったです。
なぜなら、普通ヤクザ映画と言えばコミカルな部分が加味されていても、
回し蹴り、飛び蹴りがたくさん入るのに、
今回の映画は人の心理を見ることに重点を置いた映画ですから。
Q : 『新世界』はどんな意味なのか。
JJ : 私の究極的な夢や目標は、私が今の役者生活に感じている楽しさや喜びが
冷めなければ良いだろうと言うことです。
もちろん楽しさや喜びを感じず、仕事をしなければいけない瞬間が来るでしょうが、
そんな瞬間が来ないことを望みます。



Q : シナリオを選ぶ基準は?
JJ : 観客はストーリーを重視するが、私もシナリオ上、ナレーティブとストーリーの滑らかさは
基本にすべきだと思います。
ひとまず話がスムーズに流れれば何があってもかまわないでしょう。
そして私の才能と努力で付け加えられる余地があるかを見ます。
完璧すぎて入る隙のないシナリオは俳優に挑戦意識を与えませんから。
Q : その基準から見て『新世界』やジャソンには魅力を感じたのか。
JJ : そんな部分もあって、今回はちょっと違うこともしました。
不安、不安でした。
作品も良く、共演する俳優(チェ・ミンシク、ファン・ジョンミン)もとても良いのですが、
ジャソンが苦悩に包まれたキャラクターだと、多様な演技は難しいだろうと思いました。
一日も早く暴力団を抜け出して警察に戻りたい男。
長い時間、自身が警察なのか暴力団なのかアイデンティティまで混乱した一人の人間の苦悩が
映画的にはとても魅力的だが、俳優の立場では表現しにくいキャラクターです。
と同時に、主演なので。
主役が“主演の映画”なので、事件は彼から始まり、話しも彼がリードし、
解決も彼がするような映画もあれば、
全てに関わってはいても、事件を起こしたり話しを他の方向に転換させる役割はしないのに、
映画の中心に立っている主役もいます。
ジャソンは後者の場合で、内心 とても心配しました。
本来の位置に戻ろうとする切迫感と、それが出来ずに絡まる堪え難さを観客に伝えながらも、
寡黙でも威圧感を見せるカン課長(ミンシク)と、熱い血気を放つジョンチョン(ジョンミン)の間で
埋めらないように、と言う気持ちで始めました。
Q : 作品やキャラクターに対する深い理解と慎重なアプローチが感じられる言葉の中に
“選択”という言葉を使わなかったが。
JJ : 試写会などでも申し上げたように、ミンシク先輩が電話をかけて来ました。
すでに選択の問題ではなかったんです。
そして暫くして『新世界』のキャストやスタッフで酒の席がありました。
私は『泥棒たち』の用で少し遅く着きましたが、少し遅れて行っただけなのに(笑)
ミンシク先輩は気持ちが良かったのか、少し酔ってるんですよ。
ミンシク先輩が私を呼び、隣の席に座らせ、
「ジョンジェ、お前なら上手くやりそうだった。お前のやりたい通り好きなようにしてみろ」
とおっしゃいました。
好きな先輩からそう言われ、胸が一杯になりました。
その場面が、その場が、いつまでも忘れられないと思います。
Q : 後輩を見つける先輩、そんな先輩の言葉を大切に受け止め、
迷惑をかけないようまい進する後輩、美しい風景です。
イ・ジョンジェにも心に閉じ込めておいた後輩がいるのだろうか。
JJ : チェ・スンヒョン君(T.O.P@BIGBANG)の将来を期待しています。
俳優としてマスクが本当に独特で、性格もです。
Sweetしながらも“トルキ”があります
(トルキ = トライのように気質が充満している意味)
そんな衝突する特性を一緒に持っていることは俳優として長所でしょう。
今は歌手活動に力を入れていますが、演技の経験をさらに積めば
かなり魅力的な俳優になると思います。



Q : スーツコンプレックスがあるようだが。
(スーツを着て出たドラマと映画は ほとんど失敗したという意味で付けられた修飾語)
JJ : そのようです(苦笑)
ドラマ「砂時計」を除き、話題になったり、突風を起こした作品がありません。
スーツを着なかった映画は ちょっと良かった気もするけど…。
Q : 『新世界』での黒いスーツで精一杯おしゃれした成果はどうなるだろうか。
JJ : そんなジンクスが壊れてくれたらと望みます。
Q : 映画のエンディング クレジットに一番最初に名前が挙がる主人公なのに、
自身をさらけ出し、美化することを出し惜しみした。
インタビュー中、自身を下げ、他の俳優やスタッフに球を投げるのに忙しかったが。
JJ : 性格自体“私のもの”に対する欲より“私たちと一緒に”ということを好むので。
飛びぬけて成功した人を見ると、欲がものすごい場合も時々ありますが、
私には合いません。
私はひとまず、カリスマがあって、一人で引っ張っていくスタイルとより、
犠牲にすることが良いと思うことに心が動く方です。
そのような面で「砂時計」のペク・ジェヒのような役が私にはよく合うと思います。
Q : 今年で役者生活20年目。
映画の中の人物と実際に夢見る新世界は何だろうか。
JJ : イ・ジャソンの新世界は平凡な日常でした。
派手な犯罪組織より、家庭で平凡な人生を送ることが彼が本当に望んだ世界でした。
私の新世界は、事実色々なものです。
今年で40代に突入し、何かを準備する時期だということが分かりました。
両親の助けを覗けば、私の意志と決定で生きたのは20年しかないんじゃないかな(笑)
今後、私の意志で多くのことを夢見ることができます。
漠然とですが、それなりの新世界を作り続けて行きたいです。