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「ひゅーう……(呼吸音)南無ぅ……」
吹雪の山の中、
上半身裸で漫画を描いている富樫。
富樫36歳、冬。
「富樫、連載再開への軌跡!!」
己の発想と力量に限界を感じ、
悩みに悩み抜いたすえ、彼が辿りついた結果は、
感謝であった。
自分自身を育ててくれた集英社への大きな恩。
自分なりに少しでも返そうと思い立ったのが、
10週連続、感謝の毎週連続掲載!!
機を整えて、
拝み、
ネトゲ、
構えて、
描く。
一連の動作に当初は5~6分。
一話書き終えるのに18日以上を費やした。
書き終えれば倒れるように眠り、
起きてまた下書きを繰り返す日々。
二年が過ぎた頃、異変に気付く。
一話書き終えても日が暮れていない!
齢40を越えて完全に羽化する。
感謝の毎週連続掲載10週分もストックが!
代わりにネトゲの時間が増えた。
~場面変わってどこかのアトリエ~
大勢のアシスタントの前で下書きをする富樫。
山を降りた時、
富樫のペンは音を置き去りにした。
アシ「気の……せいだよな。一瞬……音があとから……」
アシ2「先生……?」
先生「か……観音様が……!!」
富樫「さて……印税をかけて犯(や)るかい?」
先生「印税は差し上げまする! 是非私めを弟子にしていただきたい……!!」
怪物が誕生した。
富樫「いいよ。飯おごってくれたらな」
一年以上昔のことである。