青い日は晴れ

こら下界。お前はゆうべも職をむなしゆしなかった。
そして疲れが直って、己の足の下で息をしている。

エビ天とおやじ

2007-07-20 01:47:37 | 泣ける2CH



今日、ちょうど定年退職を迎えた初老の男が一人、


駅前の立ち食いそば屋で一杯のそばを食べている。


エビの天ぷらが一尾のっかった一杯500円のそばだ。


男は30年も前からほぼ毎日、


昼休みにこの店に通っているが、


一度も店員とは話したことがない。


「おやじ、今日、俺、退職するんだ」


「へえ……。そうかい」


会話はそこで途切れた。


ほかに話題があるわけでもない。


男の退職は、


今日が店を訪れる最後の日であることを表していた。


すると、突然男のどんぶりの上にエビの天ぷらがもう一尾乗せられた。


「おやじ、いいのか」


「なーに、気にするなって」


男は泣きながらそばをたいらげた。


些細な人の温かみに触れただけだが、


涙が止まらなくなった。


男は退職してからもこも店に通おうと決めた。


そして財布から500円玉を取り出す。


「おやじ、お勘定」


「700円」


最新の画像もっと見る