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↓「このタイトルの意味は?」とよく聞かれますが、たいした意味はありません。身内から出たネタです。すいませんm(_ _)m

「孤宿の人」

2008年02月04日 | SATOKO
宮部みゆきの本を借りて沢山読んだが、この「孤宿の人」は初めての時代小説だった。私は宮部みゆきはミステリー作家だとずっと勘違いしていて、読み始めて時代小説だとわかったとき、はっきりいって、ちょっと読む気が失せた。(特にミステリー好きだというわけではないけど)なにしろハードカバーの分厚い本で、しかも上下巻ある。それでも、せっかく貸してもらったんだからと読み始めた。30ページくらい読み進めたころからちょっと面白くなってきて、上巻を読み終わり、下巻にかかったころにはどっぷりとはまっていて、一気に読み終えた。

主人公は「ほう」という少女。「阿呆」の「ほう」からつけられたという名前の由来を聞いただけでそうとう幸せ薄いって事がわかる。
その少女はかなりかわいそうな生い立ちであり、まだ幼いのに厳しい生活を強いられている。そんな中でも、ほうの事を気にかけてくれるやさしい人達もいてほっとする場面もある。しかし、「阿呆のほう」であるが故に、丸海藩という地域のさまざまな事情からくる思惑に利用される・・・・・。
って展開があって、読んでいてやりきれないよう出来事が色々あるんだけど、ほうの純粋さ、すなおさ、やさしさによって、誰にもなんともできない大きな流れがほんのちょっとずつ変わっていく。でもやっぱり変えられない。いや、でも・・・(何いっとるんじゃ・・)
とにかく、最後に私は泣いた。そして、やりきれないんだけど、それでもさわやかな気持ちになるっていう、ちょっと不思議な感覚になった。

宮部みゆきのすごいのは、まず細かい人物描写。そして、さすがミステリーでもすごい作品を書いてるだけあって、伏線の張り方がうまいってこと。
「孤宿の人」は「宮部みゆきらしくない」って言ってる人も結構いて、何かすごいどんでん返しとか、なぞときとか、そんなのを期待して読んでると、物足りないかも知れないが、私にとっては、好きな作品の一つになった。

さて、次は「ぼんくら」だ!
これも上下巻、がんばろ!





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