PEARL FAR EAST

PearlFarEastから、真珠のこと、それ以外のこと、いろいろな情報をお届けします♪

あばたもえくぼ

2009年09月17日 | Trivia
そろそろ“シルバーウィーク”とかいう連休に入りますねー。
5月のゴールデンに続く連休だからか?
あっ!敬老の日が入っているからだっ!
と最近気づいた、森定でございます。


わが社は社長、西原さんが香港ジュエリーショー出展の為
週末からシュッチョです。
気をつけて&頑張って行って来てください。


ハイっ!私はまるっとお休みです!
すみまっせ━━━━━ヽ(*´∀`*)ノ ━━━━━ん!!!!


喜びすぎですね?|∀・)ジー |)彡 サッ!!


商品も大概送り出してしまっているので、スッカ~ラカ~ン♪
でも昨日、駆け込みで売っておきました。
JJFで仕入れてくださったお客様のリピートで、
タヒチアンパールの、ワンラインサークルネックレス。
ワン?なんだ?な、ななななんのこっちゃ???という感じですが、

これだぁ



タヒチアンパールの持つ自然の色味のバリエーションを生かして組んだ
マルチカラーのネックレスなのですが、ただのマルチじゃぁない。


珠ひとつひとつに、キッチリと、ギュィッ!と入っているんです、
サークルと呼ばれるラインが。

真珠というのは、生き物の体の中で出来る唯一の宝石ですので、
体内の組織と真珠が触れながら、
真珠の層は大きく成長すると、考えられています。
出っ張りに触れれば、触れた真珠層は凹み 【えくぼ】 となり
触れたままコロコロと回転すれば、
轆轤(ろくろ)で回したように 【スジ】 が付き、
スジが全周に渡ると 【サークル】 と呼ばれます。
【えくぼ】とは良く言ったものですね。カワイイ呼び名です。
最初に命名した方、グッジョブです。


でも、このえくぼやスジやサークルのつき方は、
凹みが浅いも深いも、線が長いも短いも、1本も10本も、いろいろ。
基本的に、嫌われることの多い、この子達。
このスジがなければ、キズなしのキレイなラウンド(真円)なのに!
パッと手に取るや、『キズやな~』など、
【キズ】と呼ばれて忌み嫌われる事もあります。


ま、宝石ですから、玉石混淆の中で、
美しさ、希少性、耐久性、ストーリー性など、
完全無欠の条件が求められてしまうのが必定。
しょうがないんですけどね、そうゆう品物ですから。


ただ、人と同じ、全ては個性です。
美人がもてはやされる世の中に在って、
【それなり】であっても【!!!】であろうとも、
とても愛され好まれる事って当然あるんです。
あるんでしょ?チョット待って!あるよね???
なきゃダメでしょうが~~~!!!(||゜Д゜)ゼィゼィ
(-_-)」 失礼。


私は、両方とも、大好きですからね。


完璧なシェイプに、一点のキズも曇りもない輝きと独特の虹色光沢。
他を寄せ付けない高貴な美しさももちろん、
なんなの?このユニークなカタチっ!
なんで半分こんな面白い色なの?かーわーいー!o(≧∇≦)o
私の中で優劣はありません。
好きかどうかですね。


今回お客様にお求め頂いた、こちらのネックレスは、
サークルの中では【スジがいい】ブツです。
ウスラぼんや~りな、何本もの線ではなく、
くるんと一周キレイに一本だけ、
くっきりとデザインされたかのようにラインが入り、
珠も痩せていなく、ふっくらブリッ!と
良く巻いている(真珠層が厚い)良質な珠です。
糸を通す時の穴のあけ方も、大層マニアック。
サークルが一定方向ではなく、タテ・ヨコ・タテ・ヨコ・・・
と来るように、あけられています。


お客様とのお話の中で、
この独特な珠の形状と、穴位置から来る形状のユニークなバランスを生かして
珠と珠の間にチェーンを入れて、ステーションネックレスにしても
珠の個性がひとつのデザインになって、一層生きますね!
な~んて言っていたら、
その方向でお作りになる事になりました~


でも、このネックレスは、キレイにであれ、何であれ、
サークルが入っている珠なので、真珠の評価では【キズ】と見なされ
真円のキズナシと比べたら、遥かにお手ごろな値段でお納めできるんです。
ちょっとした差で価格にも大きく反映する真珠の見た目の評価。
でも、上手~く選べば、
ひょっとしたら真円キズナシよりも使い勝手の良い、
プライスレスな魅力を発揮する子を手にすることができます。


何であっても、見る目を養えって、事ですね。
( ̄▼ ̄*)ニヤッ






糸組み

2008年12月24日 | Trivia
今日はクリスマスイヴってーやつですねー
皆様はどんなイヴをお過ごしになるのでしょうか?
東京の街は、人の集まるところはどこもキレイにライトアップされ、
ここぞとばかりに恋人に宝石店にぐいぐい連行される男性
チョィチョィ見かける今日この頃、
美しいイルミネーションに心躍らされていたのはいつまでだったのか、
もはやスッカリ思い出せない、森定です( ̄▼ ̄)V


最近の不景気の波は、
宝飾品なんていう部類を扱う私達には
そりゃもうテキメンにキビシイもんですが、
ご注文を頂き、コツコツと加工なんかも請け負っちゃったりします。
加工といっても、糸に通っているだけの材料をネックレスに組み上げる、
真珠に穴を開け、枠に留めて完成品にする、などがほとんどです。

ネックレスの加工には、糸の組み方にも種類がありまして、
・ワイヤー
・ノーマル
・オールノット
この3種で組まれます。

ワイヤー加工は、ナイロンコーティングされたワイヤーを使いますが、
最も強度があり、組むのも誰にでもできて、一番簡単です。

ノーマル加工、オールノット加工の2種類は、糸を使います。
絹糸を使用していたこともありましたが、改良され、伸縮性もある、
真珠専用のポリエステル糸で組まれるのが主流でしょう。
糸で組む利点は、真珠にやさしく、
汚れや汗、水分を吸収してくれることで、
真珠の状態をよりよく保つ働きを担ってくれている事と、
装着感が、しなやかなことでしょうか。

↓糸の太さや色も様々です。
↓真珠の大きさや、穴口の大きさによって選びます。
↓モジャモジャしたそうめんの様なものは【モール】といって、
↓5㎜くらいにカットしたものを糸に通して
↓クラスプ(留め金)と真珠の間にかませます。
↓極細の金属のコイルで、珠が地金に触れるのを防ぐと共に、
↓これは使用年数によって、多少変色しますので、
↓これの色が変わってきたら糸交換時期の目安として
↓お持ちいただけるようオススメしています。


ただ、糸は使用頻度や年数などによって、
徐々に伸びるのは避けられません。
2年~3年に一度は糸を交換して、その際に汚れも一掃、
きれいな糸に組み替えて、
真珠も、ネックレスのラインもリフレッシュさせるのがオススメです。

今回、お客様にご納品するネックレスは、
オールノット加工でとの注文でした。
これは、珠と珠の間にすべて、
ノット(結び目)を作っていく方法なのですが
大粒の真珠や、ロングネックレスに使用されることの多い手法です。

小さな粒だと、かえって結び目が目立ってしまうので、
ノーマルという、両端3個くらいの結び目で組む方法が美しいでしょう。

オールノットですと、もしも糸が切れても
珠がバラバラッ!と落ちてしまうことがなく、
珠自体に重さがある大粒の真珠であっても、
ひとつひとつの真珠の間にしっかりと結び目があることで強度が出て、
安心安全な方法です。

首へのアタリ具合も抜群にしなやかで、装着感はピカイチです。
自分で持っているネックレスは、
気がつけば長いも短いも全て、オールノット。
ま、自分の糸組みの練習がてらもありましたが、とにかく丈夫で、
触っていても結んでも、たら~んと垂らしているだけでも
さらりとしなやかにパールが動いてくれるのが、とても心地良いんです。
↓【拡大図】 真珠の間に結び目が見えますか? 


先のブログで、
西原がアンティークパールについてご紹介しておりましたが
アンティークのネックレスは、大概がオールノットで組まれています。
アンティークジュエリーのネックレスは、途中に地金を使った
精巧なデザインパーツが入っていたり、
バロックパールであったり、何重にも重なるロングネックレスであったり、
おしなべてそれは、高額品でもあります。

高貴な方への献上の品であったり、貴族が自分の身分を示す為に
飾り職人に時間とお金に糸目をかけずに作らせる一級品ですから
万が一切れたら、おそらく首もふっ飛ぶハナシなんでしょうね

そんな由緒ある組み方のオールノットですが、
実は組むのはけっこう大変です


糸は、組むネックレスの5~6倍の長さを必要とし、
組み方にもセオリーがあります。
一度すべての珠に糸を通してから、
折り返しながらひとつひとつの珠の間に、丁寧に、均一に、
ノット(結び目)を作っていきます。
はじめの頃は、3本分のロングネックレスをオールノットで組んでいて、
最後の最後に糸が足りなくなって、
あしたのジョーばりに真っ白な灰になったこともありました。
途中で長い糸が絡まって、にっちもさっちもいかなくなり、キィィィ
泣きながらやり直した事もありました。
やり直すときには、完全に、ご破算ですふりだしに戻るです。
結び目を一個一個パチンパチン切る訳です。
ごっつ切ない訳です。

さすがにもう相当こなして慣れましたので、
そんな悲しい事態は回避できるようになりました。
仕上がりは、満足のいく出来栄えです。


巷で真珠のネックレスをしておられる方の中に、
糸が伸びてるぞーーー!!!( ̄■ ̄;)
という方をお見かけします。
法事らしき一群などは、そこここに、伸び放題の祭りです。

『(||゜Д゜)いっ、糸替えしましょう!』

と、突然つかみかかりたい気持ちはヤマヤマなのですが、
不審者に間違われてしょっぴかれるのが怖くてさすがに言えません
糸で組んだネックレスをお持ちの方、オールノットはともかくとして、
2~3年に一度の糸交換を、強くお勧めいたします。
いつでもお申し付けくださいませ。



真珠って何???

2008年09月04日 | Trivia
(`∀´)ノ~~ 森定でございます。
弊社社長は、伊勢にて舞い上がる粉塵と格闘しているようですね ( ̄m ̄*)ぷっ

さて、ところで、【真珠って何?】
こうゆう質問こそ難しいんですね。
何?ってどゆこと?素材の事?できる仕組み?カタチ?色?
真珠業界に○年以上いると、あたりまえになってしまう知識も、
一般の方や、ご商売されている方にとって「へ?そうなの?」
というトリビアになることがたくさんです。
それだけ、真珠って特殊な宝石なんですね。
なんたって、生き物が体の中で作る唯一の宝石ですから。

プロとして真珠に携わっている以上、
このような、ふわ~っとした極めてアバウトな質問にも
明快に、何らかの正しい回答を、ズバン とできねばならん
と私は思います。
「スイカって何?」こんなこと聞かれても、きっとスイカ農園の方は
ズバッとお答えになるんだきっと。間違いない。

ぶっちゃけますと、真珠は【カルシウムとたんぱく質】なんです。

真珠はドブ貝という肉厚の淡水貝を球体にくりぬいたものを核にし、
その周りを真珠層が覆った構造をしています。
その【真珠層】は?というと、
95%の【アラゴナイト】という炭酸カルシウムが、レンガ状に積み重なり、
それを繋ぐ接着剤の役割をしているのが5%の【コンキオリン】という
硬タンパク質なのです。
ま、レンガとモルタルですね。

レンガ部分のアラゴナイトは酸に弱く、
モルタルのコンキオリンは比較的酸に耐える為、ガードする役割も果たしています。
自然のメカニズムでありながら、このような構造を持っている事には驚かされますね。
真珠貝が、外からの刺激から身を守る為の構造です。
そのレンガ状の構造は、真珠の美しさに大きく大きく影響を与えているのですが
それは長ったらしいお話になりますので、また今度

ということで【カルシウムとたんぱく質】ですから、
どんだけかぶっても、吸い込んでも、貪り食っても健康的に影響はありませんので
むしろカラダにいいんでは?てぐらいの勢いですので
張り切って穴あけ頑張ってくださいシャチョー