米国イラク撤収？

テロによる犠牲者数は・・・2005年は1万4618人、2006年は約40％増の2万498人・・・この数字は米国務省の発表によるモノなんだけど、その犠牲者のほとんどが、イラクやアフガニスタンの善良な一般庶民だと思う。今年も依然としてイラクではテロが相次いでいる。
撤収にしても継続にしても・・・イラク／イスラム社会に踏み込んで、大きな影響を与えたブッシュ／アメリカの責任は大きくて重いと思う。今さら“間違いでした”“根負けました”じゃ済まないと思うし、難しいトコだと思うけど、米国がイラクから撤収したら・・・タリバンやアル・カーイダの思う壷のような気もするんだけど、イスラム社会のシーア派大国イランにとってもその方が都合がいいだろうし、インドネシアにも強行派があるしねぇ・・・

9.11で・・・心に大きな傷を受けたアメリカの国民も、長引くイラク駐留と内戦、バカボンブッシュの政策には反発する人も増え、選挙で民主党が大躍進したからこそ・・・4/25にイラク駐留米軍を撤退させる法案が下院本会議で可決され、4/26の上院本会議でも可決された・・・んだと思う。撤退時期は今年の10/1～で、撤退期限は来年の3月末となったらしい。
しかしブッシュは「拒否権を行使する」と表明・・・共和党と民主党の激しいぶつかり合いは必至かもしれないけど・・・その決定によって世界各国の動向も注目されるな～。日本の貧相なリーダーはどう決断するんだか・・・どうせ右へならえだろうけどね～。

ところで・・・最近起きた自爆テロは・・・以下の通りですが～
4/28・・・パキスタン北西部チャルサッダで開かれていた市民集会で自爆攻撃が発生。
　　　　少なくとも26人が死亡。内相を含む45人が負傷。
4/28・・・イラクのイスラム教シーア派聖地カルバラで自動車爆弾を使った自爆攻撃。
　　　　60人が死亡、170人が負傷。宗派間抗争によるものとみられる。
4/30・・・イラク中部のハリスの葬儀会場での自爆テロ。
　　　　少なくとも102人が死亡するか、遺体で発見された。

パキスタンは首都イスラマバードでも自爆テロは起きてるくらいだから、米国を支持するムシャラフ政権に反発する人は多いだろうし、カシミールの国境紛争や民族紛争も複雑に絡んでて、チャルサッダは、米国とムシャラフ政権に非常に強い反発のある地域だそう。
イラクはイスラム教のスンニ派が多数を占めているんだけど、カルバラはイスラム教シーア派の重要な聖地で、爆発は町の中心にあるアッバス廟（びょう）への参道の検問所付近で起き、ハリスでは・・・イスラム教シーア派の男性の葬儀で、参列者に食事を振る舞っていたテントに男が侵入して爆弾を爆発させたそうで、犯行はいずれもスンニ派の過激派らしい。
イラクは・・・シーア派とスンニ派の勢力争いの様相がますます色濃くなってきている。
＊米国は確かスンニ派を支持していたと思う＊

米国が撤退するとして・・・現在派兵している各国も順次撤収するとして・・・
イスラムのスンニ派対シーア派はもっと激しくなる事が予想できるよねぇ。
穏健派のイスラム庶民は、米国を始めとして各国を非難するかもしれない。
少なからず、米軍などが駐留しているからなんとかなっている地域もあるかもしれないし、日本の自衛隊のように、道路や環境の整備なんかをして、イラク人に感謝されている地域もあるんじゃないかと思うけど・・・そのあたりのホントのトコはどうなんでしょ？？？

ヒラリー・クリントンはブッシュを強く批判して「私が大統領に就任した際の初仕事はイラク戦を終わらせる事」って宣言したそうだけど・・・いったいどうやって終わらせるつもりなんだろう？単に米軍を撤収させるだけが関の山なんじゃないのかなぁ？
まっ、ホントに大統領となれるかどうかは解んないけど。

米国務省は“テロ支援国家”を・・・キューバ、イラン、北朝鮮、スーダン、シリアの5カ国として、特にイランを注視しているけど、それは・・・前にもちょろっと書いたけど、レバノンのイスラム教シーア派民兵組織ヒズボラなどを支援しているから。

levieにはいまいち・・・そう言う政治的世界情勢はよくは解らない。
けど・・・パレスチナや中東やアフリカなどを始めとして、毎日のように自爆テロがニュースになるのは嫌だし、米国撤退でテロの被害が世界中に拡散するのはもっと嫌だ。
かと言って・・・何事もなかったかのようにテロがなくなる事も無いだろうなぁ・・・

ホント、どうなって行く事やら・・・