セブン・イレブンの成功の秘密
(副題:倒産寸前だった創業当初の会社が、何故成功したのか!)
(3)35年間のセブン・イレブンの歴史のまとめ
セブン・イレブンが、なぜ成功したのかを、思いつくままに列挙しましたが、昭和48年に日本でコンビニエンス・ストアが出来てから、はや35年がすぎました、その間に、世の中の環境(政治、経済、生活、通信、ハード、ソフト等)が一変してしまいましたが、その環境の変化に対応して、様々な改革(従来の常識や習慣にとらわれることなく)、便利さを提供する店舗として発展をしてきました。
20年以上前からコンビニエンス・ストアが飽和状態と叫ばれていましたが、様々な改革をしながら、より便利店として、現在でもセブン・イレブンをはじめとして新規出店意欲は、まだまだ、凄まじいの一言である。
この35年の業務改革や業務拡大(本部・店舗・商品・物流・店舗・什器・備品・従業員教育・客層の拡大・扱い商品及びサービス・各種取次商品(公共、銀行含む)・通販等・宅配等)の連続であった。
あれば便利な商品・サービスを、顧客目線で、業務内容を増やしてきた、それは、何よりも他の会社との差別化であり、新規参入が難しい業種に仕立て上げた、新規参入するには初期に何百億円の投資と何百人の本部要員が必要になり、経常黒字になるまでに、最低でも10年はかかる。
コンビニエンス・ストアが単なる流通業(小売業)ではなく、総合IT・システム・製造機能付き小売業に変身し、広告宣伝費でも100億円単位の費用をかけているので、後発企業もなかなか追いつけない。
何よりも凄いのは、1店舗当たりの日販である、大手コンビニエンス・ストアでは平均日販が50万円以上であり、とりわけセブン・イレブン店は70万円強で、他チェーンを10万円以上引き離していて、この差が縮まらないのは、日々革新の成果であり、バランスのとれた運用がとられているからである。
最後に、
① 業界の慣習や利権に左右されずに、論理的な仕組みを作る
② 他社(易しい方を採用)のマネはしない、むしろ逆(難しい)にすると勝機がある(50対50の原則)
③ 原理原則は、妥協せずに、完全(確率を高める)さを求める
であり、
全ての判断は、顧客の買う立場(目線)で行う、間違っても売る立場で判断しない事。
だからといって、
利益を無視したら、企業は存続しなくなるので、
常に、何故なんだろうと考える、理由と効果測定
常に、革新し続ける、目標や仮説の設定
常に、実行する、仮説・目標、計画、実行、分析・検証、反省・改善を繰り返す、(計画倒れはダメ)
なので、
楽(らく)をするのではなく、楽(たの)しく仕事を行う事を心掛ける。
* 楽(らく)とは…たやすいこと。簡単なこと
* 楽しいとは…満ち足りていて、愉快な気持ちである。
このように、日本に於ける成功が、セブン・イレブンの親会社である米国のサウスランド社(石油事業で失敗)を助けると同時に、日本の親会社であったイトーヨーカドーも凌駕して、7&Iグループの中核として世界に羽ばたいている。
参考までに)
当時サウスランド社から学んだこと
① 人の考え方をはじめとして、物事のMAXは、50%である。
(即ち50%の賛成者と50%の反対者がいる、シェアのMAXも50%である)
② システム(仕組み)は、其々の国や地域の環境に合わせて作らなければならない
(成功したシステムを物真似しても身につかない、常に3歩先を用意する)
③ 商品のコスト(タリフ)の中で一番削減ができるのが物流コストである
(兵站業務が一番大事であると同様に、定時定量と一日多便配送、最小ベンダーによる納品)
サウスランド社を見て、日本における業務改革に目覚めたこと
* 米国のサウスランド社全体(現場)を見て、驚いたことは、99.9%の商品がセンター(20万坪)一括納品(小分け済)であり、店舗における検収・検品が必要がないし、事務作業も一日1、2枚の仕入伝票なので、本部における事務代行も大幅に削減され、本部のFCは経営指導に専念できる。
* 当時のその他のシステム(商品管理や販売管理、市場調査等)は、イトーヨーカドーの方が数段進んでおり、地域環境に合わせて、そのノウハウを十二分に活用したシステムを、イトーヨーカドーの体質(シンプル イズ ベストや利益重視、顧客優先)に合わせた改革を行う。
* 新業態のため、業種・業態の悪しき慣習やムダ・ムリ・ムラを打破して、より効率的な運用に改革する。
(例、チェーンストア統一伝票(6行又は8行)を24行伝票に変更、
取引先の集約、共同配送、小分け納品等、ドミナント出店…1D/O、40店舗以上
人員の増員等の手続き…一人のFCの持ち店舗数MAX8店舗等)
高度情報サービス㈱ 村上豊道