セブンーイレブンの成功の秘密
(副題:倒産寸前だった創業当初の会社が、何故成功したのか!)
(2)セブンーイレブンの船出~システムの見直し・・・
今でこそセブンーイレブンの成功物語は、本や雑誌、そしてテレビ等で、苦労も美談として取り上げられているが、現実は前書、ちぐはぐな仕組み(システム)で、模倣した仕組みが試行錯誤の連続であり、結果として大赤字の会社(初期は㈱ヨークセブンとして発足)であった。
理由は、簡単です。
① 出店制約(サウスランド社との)の為、何が何でも出店しなければいけなかったので、手探り状態での開店(全て手作業で)
② 会社自体が商品部以外は、素人ばかりで小売業の事を良く知らない(英字のマニュアルを翻訳しての運用・環境の違いを把握せず)ので、まずは、米国の模倣から(後で、環境の違いを知り、変更)
③ コンビニエンス・ストア=便利な小型店舗としか意識がなく、本部(フィランチャイズ・システム事業とファイナンシャル事業)として、経営カウンセル(店舗オーナーと対等の立場で)としてのサービス業の意識が薄かった(当初は、経営コンサルティング業の感覚)
以上の3項目に集約される。
経営指導・事務代行を謳い文句に、フランチャイジー(直営店でなく、経営母体が独立店)を募集している為に、フランチャイジーは、販売に専念し、本部は後方処理(商品の取扱い、経理事務全般、利益管理等)を全てやらなければいけないため、1店舗に3~5人位の本部要員が必要になり、ロイヤリティ収入より人件費の負担が大きくなる、こんな状態が8店舗(契約済み含めて)の開店まで続いた。
そこで、急遽システムの見直しとトータルシステムのコンピュータ化の為、イトーヨーカドーから2名とヨークセブンから1名(通訳として、後に物流本部長~取締役になる)の3名で、サウスランド社のシステム全般(トータルシステム)のレクチャーをあらためて、米国のシステムを学びに行った。
(多分、この段階で、初めてコンビニエンス事業の本質を理解して、ノウハウをヨークセブンの幹部に説明し、それから、本格的なシステム開発が始まった…後のターミナルセブンというバーコード読み取りの定置型の発注端末の開発へと繋がり、コンビニエンス・ストアがシステム産業と呼ばれる足がかりになった)
① 事務代行部分の徹底的に合理化と店舗管理のための帳票類の充実(結果報告ではなく、対策・対応可能)
② 営業しながらの棚卸と在庫削減(死に筋商品の排除と売れ筋商品の品切れ防止)
③ オープンアカウントシステム(ファイナンス事業…自動融資と粗利保証)
最大の成果は、商品の物流(納品形態)であった、
99.9%の商品はサウスランド社の物流センターで、小分けをして、数量検品を行い、20トン車で、店舗に発注された商品を毎日納品する仕組みが出来あがっていた。
(コカコーラのみベンダー処理…ビルトアップシートを基に)
*これが、業務革新の基であり、日本流コンビニエンス・ストアの始まり!
その他、発注・商品管理、販売・店舗管理、経営管理、FC(フィールドカウンセラー)、デストリクト、デビジョン、リージョンの地区本部体制と仕組み、市場調査、店舗開発、FC募集等、オーナー管理、ベンダー管理等々でトータルシステムを見聞する)
サウスランド社の担当者は、質問に答えるだけで、質問しなければ何も教えてくれない、最初に発する言葉は“何か質問は=Any Question?…これが、米国式か?…当時の日本では手取り足取りの指導であった。
(なので、事前にマニュアルに書かれている項目の意味を理解しなければならない・読むだけではダメで、講師と生徒は、対等の立場で、考えながら業務を教わる。)
はじめに、コンビニエンス・システムのレクチャーを受けた7名は、カナダのエリアフランチャイザー(30店舗弱)で手作業のシステムでの店舗実地訓練と指導の為、店舗のシステムマニュアルは米国のサウスランド社、実地訓練はカナダとちぐはぐな指導を受けてきたので、各項目の意味を殆ど理解していなかった。
サウスランド社からのノウハウは、
① コンビニエンス・ストア事業は、システム産業であり、ファイナンスを含む事業
② 全てに於いて、合理化、省力化、省脳化の徹底と考えながらの業務の遂行
③ 本部機能(企業運営中心)と店舗機能(販売中心)との役割分担と責任範囲の明確化
そこで、日本でのコンピュータ・システムで最初に始めたのが、
【取引先の集約とベンダー(配送機能付き取引先)の本格的な採用である…多行式伝票の採用】と
【ターミナルセブンの定置式発注端末の開発…バーコードの採用】と
【考える発注による発注精度を上げる…see,think,plan,do,checkの考え方…データの活用】
次に、
・本部としての管理帳票のコンピュータ化であり、特にFCの指導資料の充実(店舗管理から単品管理へ)
・商品関係(発注~納品~販売~在庫~分析まで)…発注重視した商品管理全般改革
・ベンダーの集約~共配へ…本格的な物流改革
これらの諸問題から逐次開発し、改革を行いながら、下記のシステムへの開発に繋がっていく
① EOS・EOB(携帯型発注端末・分析付システム)
② POS(販売時点管理)システムとストア・コントローラーシステム(デジタル/プロセスI/O)
③ 単品管理の深耕(自動発注システムの禁止…発注は、必ず店舗担当者が責任を持って、考える発注)
すべての業務の業務革新は、現在でも行われているが、コンビニエンス・ストアとしての原理原則は、現在でも維持されている。
① 1D/O(デストリクト)は、40~60店舗(FCの受け持ち店は7~8店)と集中出店(ドミナント)
② 店舗管理に於ける4原則(鮮度管理・売れ筋の品揃え・クリンネス・フレンドリーな接客)・考える発注
③ 上流工程からの改革(慣習や利権に囚われるな…効率的な論理とメリット優先)と共存共栄の精神
次ページからは、セブンイレブン・ジャパン社の成功の秘密を箇条書で展開していきます。
(副題:倒産寸前だった創業当初の会社が、何故成功したのか!)
(2)セブンーイレブンの船出~システムの見直し・・・
今でこそセブンーイレブンの成功物語は、本や雑誌、そしてテレビ等で、苦労も美談として取り上げられているが、現実は前書、ちぐはぐな仕組み(システム)で、模倣した仕組みが試行錯誤の連続であり、結果として大赤字の会社(初期は㈱ヨークセブンとして発足)であった。
理由は、簡単です。
① 出店制約(サウスランド社との)の為、何が何でも出店しなければいけなかったので、手探り状態での開店(全て手作業で)
② 会社自体が商品部以外は、素人ばかりで小売業の事を良く知らない(英字のマニュアルを翻訳しての運用・環境の違いを把握せず)ので、まずは、米国の模倣から(後で、環境の違いを知り、変更)
③ コンビニエンス・ストア=便利な小型店舗としか意識がなく、本部(フィランチャイズ・システム事業とファイナンシャル事業)として、経営カウンセル(店舗オーナーと対等の立場で)としてのサービス業の意識が薄かった(当初は、経営コンサルティング業の感覚)
以上の3項目に集約される。
経営指導・事務代行を謳い文句に、フランチャイジー(直営店でなく、経営母体が独立店)を募集している為に、フランチャイジーは、販売に専念し、本部は後方処理(商品の取扱い、経理事務全般、利益管理等)を全てやらなければいけないため、1店舗に3~5人位の本部要員が必要になり、ロイヤリティ収入より人件費の負担が大きくなる、こんな状態が8店舗(契約済み含めて)の開店まで続いた。
そこで、急遽システムの見直しとトータルシステムのコンピュータ化の為、イトーヨーカドーから2名とヨークセブンから1名(通訳として、後に物流本部長~取締役になる)の3名で、サウスランド社のシステム全般(トータルシステム)のレクチャーをあらためて、米国のシステムを学びに行った。
(多分、この段階で、初めてコンビニエンス事業の本質を理解して、ノウハウをヨークセブンの幹部に説明し、それから、本格的なシステム開発が始まった…後のターミナルセブンというバーコード読み取りの定置型の発注端末の開発へと繋がり、コンビニエンス・ストアがシステム産業と呼ばれる足がかりになった)
① 事務代行部分の徹底的に合理化と店舗管理のための帳票類の充実(結果報告ではなく、対策・対応可能)
② 営業しながらの棚卸と在庫削減(死に筋商品の排除と売れ筋商品の品切れ防止)
③ オープンアカウントシステム(ファイナンス事業…自動融資と粗利保証)
最大の成果は、商品の物流(納品形態)であった、
99.9%の商品はサウスランド社の物流センターで、小分けをして、数量検品を行い、20トン車で、店舗に発注された商品を毎日納品する仕組みが出来あがっていた。
(コカコーラのみベンダー処理…ビルトアップシートを基に)
*これが、業務革新の基であり、日本流コンビニエンス・ストアの始まり!
その他、発注・商品管理、販売・店舗管理、経営管理、FC(フィールドカウンセラー)、デストリクト、デビジョン、リージョンの地区本部体制と仕組み、市場調査、店舗開発、FC募集等、オーナー管理、ベンダー管理等々でトータルシステムを見聞する)
サウスランド社の担当者は、質問に答えるだけで、質問しなければ何も教えてくれない、最初に発する言葉は“何か質問は=Any Question?…これが、米国式か?…当時の日本では手取り足取りの指導であった。
(なので、事前にマニュアルに書かれている項目の意味を理解しなければならない・読むだけではダメで、講師と生徒は、対等の立場で、考えながら業務を教わる。)
はじめに、コンビニエンス・システムのレクチャーを受けた7名は、カナダのエリアフランチャイザー(30店舗弱)で手作業のシステムでの店舗実地訓練と指導の為、店舗のシステムマニュアルは米国のサウスランド社、実地訓練はカナダとちぐはぐな指導を受けてきたので、各項目の意味を殆ど理解していなかった。
サウスランド社からのノウハウは、
① コンビニエンス・ストア事業は、システム産業であり、ファイナンスを含む事業
② 全てに於いて、合理化、省力化、省脳化の徹底と考えながらの業務の遂行
③ 本部機能(企業運営中心)と店舗機能(販売中心)との役割分担と責任範囲の明確化
そこで、日本でのコンピュータ・システムで最初に始めたのが、
【取引先の集約とベンダー(配送機能付き取引先)の本格的な採用である…多行式伝票の採用】と
【ターミナルセブンの定置式発注端末の開発…バーコードの採用】と
【考える発注による発注精度を上げる…see,think,plan,do,checkの考え方…データの活用】
次に、
・本部としての管理帳票のコンピュータ化であり、特にFCの指導資料の充実(店舗管理から単品管理へ)
・商品関係(発注~納品~販売~在庫~分析まで)…発注重視した商品管理全般改革
・ベンダーの集約~共配へ…本格的な物流改革
これらの諸問題から逐次開発し、改革を行いながら、下記のシステムへの開発に繋がっていく
① EOS・EOB(携帯型発注端末・分析付システム)
② POS(販売時点管理)システムとストア・コントローラーシステム(デジタル/プロセスI/O)
③ 単品管理の深耕(自動発注システムの禁止…発注は、必ず店舗担当者が責任を持って、考える発注)
すべての業務の業務革新は、現在でも行われているが、コンビニエンス・ストアとしての原理原則は、現在でも維持されている。
① 1D/O(デストリクト)は、40~60店舗(FCの受け持ち店は7~8店)と集中出店(ドミナント)
② 店舗管理に於ける4原則(鮮度管理・売れ筋の品揃え・クリンネス・フレンドリーな接客)・考える発注
③ 上流工程からの改革(慣習や利権に囚われるな…効率的な論理とメリット優先)と共存共栄の精神
次ページからは、セブンイレブン・ジャパン社の成功の秘密を箇条書で展開していきます。