今週のPOSデータから/売れ筋・トレンド、POSに出る

PosBankシニアアナリスト・井上正敏が、トピックスを展開していきます。

POSBANK、売れ筋袋めん。人気復活!1位、「サッポロ一番 みそ」。3位に「マルちゃん正麺 醤油味」。

2013年09月19日 | 2013年後期トピックス


1年で、2億食! これは、即席麺(袋麺)のニューウエイブ、「まるちゃん正麺」の発売以来の年間販売数。
ひと言に2億食といわれても見当が付きにくいのですが、概算すれば日本国民が年間に2個ほど食べた計算に
なります。お湯を注ぐだけで食べられるカップ麺に比べ、調理器具と調理のテマが必要な袋麺は、いつの間に
か存在意義が希薄になり、つい先ごろまでは、忘れ去られる危機にありましたね。ところが、生麺の美味しさ
を追求した「マルちゃん正麺」の大ヒットが、袋麺全体を復活させる引き金になったわけです。その後も、生
麺の食感を求めた「日清ラ王 袋麺」、「サッポロ一番 麺の力」、「明星 究麺」といった本格志向の新商
品が続々登場、このカテゴリーでの生き残りをかけた袋麺戦争が始まり、コンビニでは袋麺コーナーの陣取り
競争が激しさを増していますが、既存ブランドの「サッポロ一番」や、「日清チキンラーメン」も元気な存在。
首都圏250店以上のコンビニPOSデータを集計、売れ筋とトレンドがいち早く捉えられるPOSBANK
のデータに、その状況が現われています。 

 
グラフ1.は、即席めん(袋めん)カテゴリー、日別販売数量推移グラフです(第28週~第37週)。第37
週の売れ筋ランキング上位5商品の推移を見たものです。グラフ全体を見ると、猛暑が始まった7月上旬のグラ
フ左端に比べグラフ右端に向かって徐々に上昇しているのが分かります。ようやく暑さが和らぎ、気温が下がり
始め、熱いラーメンのおいしい季節の始まりですね。この間の売れ筋上位5商品の推移を見ていくと、1位を
「サッポロ一番 塩」、2位を「サッポロ一番 みそ」が占めるケースが多くなっています(POSBANKの
データベースでは、「サッポロ一番」の場合の1位と2位は、夏は、塩。寒くなると、みそ。季節・気温によっ
てサッパリ系とコッテリ系が選ばれているのでしょうか)。そして三番手として、「マルちゃん正麺 醤油味」
が推移しています。「サッポロ一番しょうゆ味」を抜いて、しっかりと上位5商品の定番3位の位置をキープ。
スープの味覚で選べば、「味噌」と「塩」は、「サッポロ一番」。「醤油」は、「マルちゃん正麺」というわけ
です。ところで、このグラフ推移を曜日別にみていくと、袋麺の販売数量に関して、ウイークエンド、とくに土
曜日にピークが見られる傾向があります。一般的に袋麺の利用目的の一つに、多忙な時のとりあえずの食事とか、
間食・おやつがあげられますが、テマのかけ方次第で、立派な食事メニューになりますね。つまり、休日はちょ
っと手をかけた袋麺の昼食を頂いているのでしょうか。最近の内食志向もあって、こういった袋麺の購入に拍車
がかかっていることが推察されます。袋麺の復活は、時代の後押しを受けていることにもなりますね。  

表1.は、即席めん(袋めん)カテゴリー、売れ筋ランキングです(第37週)。久しぶりに1位は、「サッポ
ロ一番 塩」から「サッポロ一番 みそ」へ。いま流れている発売45周年を訴求した、「サッポロ一番 みそ
ラーメン」のテレビCMのインパクトはかなりのものがあります。袋麺の魅力は、みそラーメン? 注目は、6
位にランキングされている「マルちゃん正麺 味噌味」。こちらも、テレビCM投入。 今度のメッセージは、
「ウソだと思ったら、食べて下さい」から、「ミソだと思ったら、食べて下さい」へ。つまり、「みそラーメン」
をモチーフにした、袋麺対決? こういったテレビCMの反応は、コンビニPOSデータにあらわれるもの。そ
の点、首都圏250店以上のコンビニPOSデータを集計、売れ筋とトレンドがいち早く捉えられるPOSBA
NKのデータに注目です。


                        売れ筋・トレンド、POSに出る                  
                             POSBANK

  
      グラフ1.即席めん(袋めん)カテゴリー、日別販売数量推移グラフ(第28週~第37週)


      表1.即席めん(袋めん)カテゴリー、売れ筋ランキング(第37週)


      ※ 客層の年齢目安。子供:~15才。若者:16~29才。成年:30~49才。熟年:50才~

                 (POSBANK:首都圏コンビニエンスストア250店以上、調査) 


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