今週のPOSデータから/売れ筋・トレンド、POSに出る

PosBankシニアアナリスト・井上正敏が、トピックスを展開していきます。

POSBANK売れ筋、袋キャンデイ。1位、ライオン菓子「うめ塩飴」。猛暑日の購入動向が、グラフに見える?

2013年07月18日 | 2013年後期トピックス

    

 連日の、猛暑。先週は7月8日(月)から14日(日)まで、1週間そっくり猛暑日である35℃近い日が続き、
熱中症続出の要因となったようです。それ以前の週に比べ、いきなり7~8℃も最高気温の高い日が連続したこと
になるわけですから、体が対応しきれませんね。夏の心得として、水分を小まめにとる。塩分をとる。この2つが
熱中症への備えの基本にあるといわれていますが、ある調査によりますと、水分と塩分の必要性は70%~80%
の人が認識しているようですね。夏になると売り上げが低下する、袋キャンデイ・袋チョコレートカテゴリーの傾
向に逆行するカタチで、塩飴の需要が盛り上がる理由がここにあるわけです。こういったコンビニでの購買行動は、
首都圏250店以上のコンビニPOSデータを集計、売れ筋とトレンドがいち早く捉えられるPOSBANKのデータベース
に、しっかりと現われてくるものです。  

グラフ1.は、袋キャンデイ・袋チョコレートカテゴリー、日別販売数量推移グラフ(第23週~第28週)のう
ち、第28週の売れ筋上位3商品の推移を見たものです。ライオン菓子「うめ塩飴」、ロッテ「小梅ちゃん 梅塩
包み 袋」、パイン「塩スポーツキャンデイ」の3商品は、塩飴の定番ブランドとして、毎年のように7月上旬か
ら中旬にかけて上位を占めています。POSBANKのデータベースで見ると、それまではカンロ「もりもり山のくだもの
飴」、味覚糖「特濃ミルク」、榮太樓「黒みつ飴」といった定番ブランドが上位にランキングされており、ここで
塩飴の定番と入れ替わっていることになります。ただ、梅雨明けが早く、猛暑が連続している今年の場合、ちょっ
と状況が違っています。グラフに克明に表れているのですが、いつもより半月ほど、塩飴の上位進出が早まってい
ます。7月8日以降の日別販売数量推移グラフを追っていくと、販売数量が前週に比べて、約2倍になっているの
が分かります。このように、35℃近い猛暑に正比例する推移を見せているわけですが、年中行事となった猛暑の
学習効果として、塩飴での塩分補給を心掛けた人が多かったことを物語っていますね。

表1.は、袋キャンデイ・袋チョコレートカテゴリー、売れ筋ランキングです(第28週)。売れ筋の1位から8
位まで、何と塩飴が占めているのが分かります(太字)。しかも、9位にランキングされている「男梅キャンデイ
 プレミアム」も塩味ですし、11位と12位も塩飴。この時点で、上位は塩飴一色となっています。それと、こ
のカテゴリーの特徴として購入時間帯が挙げられます。早朝から、午前中の早い時間帯に購入される傾向がありま
す。上位10商品の時間帯で見ると、朝5時から、午前10時の時間帯で約40%~50%の購入比率。これは、
朝からの購入比率の高い、缶コーヒやお茶、健康ドリンクと同様の傾向ですが、朝の早い時間帯から熱中症に備え
る人が多いのでしょうね。ところで、暑い夏は始まったばかり。今後の袋キャンデイ・袋チョコレートカテゴリー
の動向を、首都圏250店以上のコンビニPOSデータを集計、売れ筋とトレンドがいち早く捉えられるPOSBANKのデ
ータベースで見極めたいものです。

 
 
  
                         売れ筋・トレンド、POSに出る                  
                               POSBANK

                     
       グラフ1.袋キャンデイ・袋チョコレートカテゴリー、日別販売数量推移(第23週~第28週)


       表1.袋キャンデイ・袋チョコレートカテゴリー、売れ筋ランキング(第28週)


       ※ 客層の年齢目安。子供:~15才。若者:16~29才。成年:30~49才。熟年:50才~

               (POSBANK:首都圏コンビニエンスストア250店以上、調査) 


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