今週のPOSデータから/売れ筋・トレンド、POSに出る

PosBankシニアアナリスト・井上正敏が、トピックスを展開していきます。

POSBANK、夏の売れ筋炭酸。「コカ・コーラ」が5週連続で1位。今年の夏もやっぱり炭酸?中でもコーラ?

2013年07月23日 | 2013年後期トピックス

  
 

1年で最も気温が高くて、暑さが厳しい季節にあたるのが、二十四節気のうちの大暑(たいしょ)といわれています。
今年は、今日(7月23日)が、その日にあたり、今週から8月上旬、つまり8月8日の立秋の頃までが、夏の風情を
一番感じる時期なわけです。都心を歩いていても庭先に弦を伸ばした朝顔を見かけることがありますし、郊外に出れば
畑一面に咲き誇る向日葵、そして命の限り鳴き尽くすアブラゼミなど、真っ盛りの夏を五感で感じてしまいます。こう
いった季節、喉に渇きを覚えますが、喉がうるおせるだけでなく、爽快感をもたらせてくれる飲物に手が伸びやすいも
のです。そういった点では、炭酸飲料の爽快感、とくにコーラの発泡感は格別ですね。首都圏250店以上のコンビニ
POSデータを集計、売れ筋とトレンドがいち早く捉えられるPOSBANKのデータベースには、この季節特有の傾向が、表や
グラフに見られるものです。

グラフ1.は、炭酸飲料カテゴリー(小型PET・びん)、日別販売数量推移グラフ(第20週~第29週)のうち、第
29週の売れ筋上位5商品の推移を見たものです。とくに目立っているのが、第24週(6.10.~6.16.)で、
1週だけアサヒ飲料の新製品「スパイラルグレープ」に1位の座を譲りましたが、直近でも5週連続して1位で推移してい
る「コカ・コーラ」。6月中旬から下旬にかけては、梅雨の盛りでしたのでさすがの定番コーラも、新製品パワーに押さ
れたのでしょうか。ところで、その梅雨ですが、今年は例年にない早い梅雨明けとその後の35℃に迫る猛暑の連続に見
舞われたのが7月上旬。グラフは、高気温と高湿度の日は一気に需要が盛り上がることを物語っていることが推察されま
す。その反対に、最高気温が30℃を上回った日が1週間のうち2日だけで、猛暑がひと段落した先週は、推移の「山」が
再び低くなっています。気温30℃は、喉がコーラの刺激を求めるボーダーラインになっているのでしょうか? だとす
ると、コンビニPOSデータのグラフは、正直に反応するものですね。また、梅雨明け後の先週まで、「コカ・コーラ 
ゼロ」も、右肩上がりで推移。夏は、コーラの魅力に満ちているわけでしょうか。

表1.は、炭酸飲料カテゴリー(小型PET・びん)、売れ筋ランキングです(第29週)。1位に「コカ・コーラ」、3位
に「コカ・コーラ ゼロ」、そしてトクホのコーラ、サントリー「ペプシスペシャル」、キリン「メッツコーラ」の2
ブランドが6位と10位にランキングされているのが分かります(太字)。炭酸飲料のランキングを見ていくと、夏はコー
ラ、そして健康志向の人が多くなっているように思われます。「コーラが飲みたい」、「健康は気になる」というワケ
ですね。また最近の傾向としては、「三ツ矢サイダー」をはじめとしたサイダー系の炭酸飲料に加え、昨年春の発売以
来、すっかり定番化して上位にランキングされているのがサントリー「オランジーナ」。微炭酸オレンジの魅力とフラ
ンスのテイストが独自の魅力を醸し出しているようです。その点、5位にランキングされた新発売の「シュウエップス 
ブラッドオレンジ」も、第3の炭酸飲料として要チェックです。さて今週は、暑さが甦りそうな気配です。首都圏25
0店以上のコンビニPOSデータを集計、売れ筋とトレンドがいち早く捉えられるPOSBANKのデータに注目です。

                          売れ筋・トレンド、POSに出る                  
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       グラフ1.炭酸飲料カテゴリー(小型PET・びん)、日別販売数量推移グラフ(第20週~第29週)


       表1.炭酸飲料カテゴリー(小型PET・びん)、売れ筋ランキング(第29週)


      ※ 客層の年齢目安。子供:~15才。若者:16~29才。成年:30~49才。熟年:50才~
                 (POSBANK:首都圏コンビニエンスストア250店以上、調査) 


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