今週のPOSデータから/売れ筋・トレンド、POSに出る

PosBankシニアアナリスト・井上正敏が、トピックスを展開していきます。

POSBANK、売れ筋ミネラルウオータ。1位、「サントリー」。 2位、「いろはす」。 天然水、大激戦!

2013年04月25日 | 2013年前期トピックス

 

日本人のライフスタイルや食習慣には、地域特性が出てくるものです。近ごろ、ちょっと驚かされたのが、ミネラル
ウオータの消費量。大都市圏の消費量も多いのですが、総務省が全国9,000世帯を対象に毎月実施している家計
調査では、1位は沖縄県。世帯の平均購入金額は、3,992円(2007年~2009年)で、全国平均の1.7倍を記
録しています。沖縄の地層は石灰岩が多く、カルシウムやマグネシウムが含まれる水質のため、市販の軟水ミネラル
ウオータが購入されるのが、理由とされています。そういえば、ご飯を炊いたり、味噌汁をつくったり、日本茶を淹
れるには軟水が向いていますし、亜熱帯に属しているといっても、沖縄には日本の食文化が流れているわけですから。
このように、私たちの日々の生活に、ミネラルウオータは欠かせない存在になっているといえます。首都圏250店
以上のコンビニPOSデータを集計、売れ筋とトレンドがいち早く捉えられるPOSBANKのデータには、最近の
ミネラルウオータの傾向が現われています。

グラフ1.は、炭酸水・ミネラルウオータカテゴリー(小型PET・びん)、日別販売数量推移で(第7週~第16
週)、第16週の男性購入層、上位5商品の推移を見たものです。男性層では、ご覧のように、天然水の大激戦! 
この10週間、「サントリー 天然水(南アルプス)」と、「いろはす 天然水」が、1位と2位を繰り返しながら、
ほぼ並行して僅差で推移しているのが分かります。男性にとって、どちらの天然水も魅力なわけでしょうか。それ以
上に、このグラフから見られる傾向が、フレーバー付きミネラルウオータ、つまりフルーツの味と香りの付けられた
ミネラルウオータの動向。以前、頻繁に売れ筋ランキング1位を占めていたフレーバー付き「いろはす みかん」の
安定した推移も気になりますが、新発売のキリン「ボルビック ピーチ」の躍進が目立ちます。爽やかなピーチの風
味のついたフレーバーウオータへの関心が、3月12日の発売日以降の販売数量のピークにあらわれています。激戦
の天然水に続いて、フレーバーウオータも、ちょっとした激戦というワケです。

グラフ2.は、炭酸水・ミネラルウオータカテゴリー(小型PET・びん)、日別販売数量推移で(第7週~第16
週)、今度は第16週の女性購入層、上位5商品の推移を見たものです。女性の購入数量は男性と違って、「サント
リー 天然水(南アルプス)」が、売れ筋1位での推移が続いています。それと、気候・気温の変化に敏感に反応す
る傾向が顕著。3月19日や、4月5日、4月17日と気温が20℃を大きく超えた日には、購入数にピークが見ら
れます。また、フレーバー付きミネラルウオータの動向も、男性の場合以上にキリン「ボルビック ピーチ」が新発
売時に購入され、その後も定番の「いろはす みかん」と並んで売れ筋の3番手で推移している様子が分かります。
女性の場合、日別販売数量は男性の約半分ということもあり、好みが明確に出る傾向があるのでしょうか。

表1.は、炭酸水・ミネラルウオータカテゴリー(小型PET・びん)、売れ筋ランキングです(第16週)。ラン
キングで見てみると、改めて「サントリー 天然水(南アルプス)」と、「いろはす 天然水」が僅差で続いている
様子が分かります(太字)。その差は、なぜ? 「サントリー 天然水」は女性、「いろはす 天然水」は、若者と
成年の男性比率が高めですが(太字)、ひとつは、この男女差なのでしょうか?  首都圏250店以上のコンビニ
POSデータを集計、売れ筋とトレンドがいち早く捉えられるPOSBANKのデータウオッチングから、その動向が見えてく
るかも知れません。 

 
    
                       売れ筋・トレンド、POSに出る                  
                            POSBANK

                     グラフ1.炭酸水・ミネラルウオータカテゴリー、男性層・日別販売数量推移(第7週~第16週) 


グラフ2.炭酸水・ミネラルウオータカテゴリー、女性層・日別販売数量推移(第7週~第16週) 


表1.炭酸水・ミネラルウオータカテゴリー(小型PET・びん)、売れ筋ランキング(第16週)   


   ※ 客層の年齢目安。子供:~15才。若者:16~29才。成年:30~49才。熟年:50才~

                (POSBANK:首都圏コンビニエンスストア250店以上、調査)  


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