今週のPOSデータから/売れ筋・トレンド、POSに出る

PosBankシニアアナリスト・井上正敏が、トピックスを展開していきます。

POSBANK、麦茶の売れ筋。1位、「やさしい麦茶」。「健康ミネラルむぎ茶」に、ライバル出現。

2013年07月10日 | 2013年後期トピックス

  

全国的に最高気温が35℃を超す猛暑日が続き、世の中、熱中症の話題でもちきりです。この2~3年、熱中症の予防と
して、ミネラルウオータや、スポーツドリンク、ニアウオータをコンビニで購入する人が増えていますが、なぜか今年は
麦茶派が目立っています。麦茶は、日本古来の飲物。平安時代から、刈り入れ直後の麦を加工、お湯の中にとかして飲ま
れたようです。刈り入れ直後の初夏の麦だけに、独特の香ばしさが風味を増したともいわれますが、最近の研究では、麦
茶の香ばしさの成分は血液サラサラ(血流改善)効果のあることが明らかにされています。その点、麦茶の香ばしさは、
貴重な存在ですね。さらに麦茶には、体温を下げる効果があるうえ、カフェインやタンニンなど刺激性の成分が含まれて
いないことも知られていますが、こういった天然成分や、飲みやすさ、やさしさは、熱中症予防の飲物として愛飲する人
が増加するのも、当然かも知れません。首都圏250店以上のコンビニPOSデータを集計、売れ筋とトレンドがいち早く
捉えられるPOSBANKのデータベースには、最近の麦茶の売れ筋動向が、リアルタイムにあらわれています。

グラフ1.は、お茶カテゴリー(小型PET・びん)、日別販売数量推移グラフ(第18週~第27週)のうち、第27週の
麦茶の売れ筋上位3商品の推移を見たものです。グラフの右隅を見ると、7月2日(火)に新発売のサントリー「GREEN 
DA・KA・RAやさしい麦茶」が、お茶カテゴリー(小型PET・びん)売れ筋ランキング1位で推移している様子が分かります。
「GREEN DA・KA・RA」の麦茶バージョンだけに、新発売と同時に購入した人が多かったことが推察されます。その反動で
しょうか。6月中ごろから、右肩あがりで推移、先々週(第25週)1位を占めていた伊藤園「健康ミネラルむぎ茶」は、
第27週では、右肩上がりの「GREEN DA・KA・RAやさしい麦茶」とは反対に、右肩下がりの推移を見せています。新たな
麦茶ファンと、「GREEN DA・KA・RAちゃん」のファンと、伊藤園「健康ミネラルむぎ茶」の愛用者が一斉に「GREEN DA・
KA・RAやさしい麦茶」に手を伸ばしたのかも知れません。また、「麦茶 500ML」(プライベートブランド)の推移を
見ると、4月の末から安定した推移を見せており、強力な新製品の登場した第27週でも、グラフは低下しないどころか、
上昇気味に推移を見せています。麦茶に関しても、プライベートブランドの固定人気は根強いようですね。

表1.は、お茶カテゴリー(小型PET・びん)、売れ筋ランキングです(第27週)。売れ筋上位10商品の中に、麦茶は
3商品がランキングされています(太字)。とくに、注目は売れ筋1位「GREEN DA・KA・RAやさしい麦茶」の購入客層。
若者女性と、成年女性の購入比率が高めです。麦茶の含有成分のやさしさも要因ですが、テレビCMキャラクターの「GREEN
 DA・KA・RA」ちゃんの、可愛さ度合いが女性層の関心をひいているような気がしますよね。ところで、連続猛暑日が続い
ていますが、今後の麦茶の動向は? 毎年この時期、麦茶の定番ブランドとして上位にランキングされている伊藤園「健
康ミネラルむぎ茶」は、熱中症に備えるミネラル入りで、カロリーゼロ、カフェインゼロの魅力に加え、2割増しの大容
量。女性も、ガブガブ飲みたくなるほどの暑さが続いたら? 首都圏250店以上のコンビニPOSデータを集計、いち
早く売れ筋とトレンドが捉えられるPOSBANKのデータベースで、熱中症の状況と飲物の需要が把握できることにな
りますね。 

                         売れ筋・トレンド、POSに出る                  
                               POSBANK

                     
       グラフ1.お茶カテゴリー(小型PET・びん)、日別販売数量推移グラフ(第18週~第27週)


       表1.お茶カテゴリー(小型PET・びん)、売れ筋ランキング(第27週)


       ※ 客層の年齢目安。子供:~15才。若者:16~29才。成年:30~49才。熟年:50才~
                 (POSBANK:首都圏コンビニエンスストア250店以上、調査) 


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