今週のPOSデータから/売れ筋・トレンド、POSに出る

PosBankシニアアナリスト・井上正敏が、トピックスを展開していきます。

POSBANK、売れ筋チョコ菓子。1位と2位に,明治「トロット」、森永「ベイク ショコラ」。夏でも溶けない!

2013年07月03日 | 2013年後期トピックス

 

気がつけば、すっかり夏の様相です。気象庁発表の7月から9月までの3ケ月予報によれば、今年はとくに太平洋
高気圧が強く張り出して日本列島を覆うため、記録的な猛暑だった2010年ほどではないものの、全国的に暑い
夏になるといわれています。ちなみに6月前半の集計ですが、熱中症による病院への救急搬送者数は、この期間で
過去最高を記録したようです。そういった状況になると、コンビニで猛暑の売れ筋がイロイロと誕生しそうな気配
でもありますね。たとえば、熱中症対策のスポーツドリンクやニアウオータ、身近なところでミネラルたっぷりの
麦茶も猛暑の時期に売れ筋上位にランキングされそうです。反対に、汁もののカップ麺や、カップスープ、チョコ
レート、チョコレート菓子などは、ランキングを下げることになるわけです。首都圏250店以上のコンビニPOS
データを集計、売れ筋やトレンドがいち早く捉えられるPOSBANKのデーターベースには、チョコレート菓子に猛暑の
到来を予感させる兆候が現われています。 

グラフ1.は、チョコレート菓子カテゴリー、日別販売数量推移グラフ(第17週~第26週)で、第26週の売
れ筋上位3商品の推移を見たものです。このカテゴリーは、チョコ菓子の定番として、ロッテ「コアラのマーチ」、
明治「たけのこの里」、ロッテ「トッポ」、そしてグリコ「ポッキー」などの有力ブランドが上位を占めています。
ただ毎年、森永の焼チョコ、「ベイク ショコラ」は気温が上がってくるにつれてランキングを上げ、そのうちの
何週かで売れ筋ランキング1位を獲得してきました。その理由は、この焼チョコ独自の特徴、手で持っても溶けな
い点にあるわけで(真夏でも、手を汚さずにチョコ菓子が食べられる)、それを推移グラフが物語っています。今
年の場合も、最高気温が30℃近い日が続いた2週間ほど前から、森永の「ベイク ショコラ」が右肩上がりで推
移、先々週はロッテの「トッポ」を抜いて売れ筋ランキング1位を占めています。ところが、ライバル出現!森永
「ベイク ショコラ」と同じ特徴、外側が焼き上げたチョコになっていて夏でも手で持っても溶けない、明治「ト
ロット ナッツクリーム」が新発売。新製品効果も手伝って、いきなりこちらが1位に大躍進したわけで、森永「
ベイク ショコラ」のグラフの伸びが止まっているのが分かります。

表1.は、チョコレート菓子カテゴリー、売れ筋ランキングです(第26週)。明治「トロット ナッツクリーム」
と森永「ベイク ショコラ」が僅差で、1位と2位を占めています(太字)。ここで注目したいのは、購入者。2
つの商品とも、成年女性と若者女性の購入比率の高さに注目です。森永の焼きチョコにするか、明治の焼きショコ
ラを選ぶか。真夏の食べやすさと、美味しさ、これから比べられることになるのでしょうか。その時、カギを握る
のは、購入比率の高い成年女性と若者女性になるわけです。首都圏250店以上のコンビニPOSデータを集計、
いち早く売れ筋とトレンドが捉えられるPOSBANKの推移グラフと売れ筋ランキングが、その動向を物語るこ
とになります。新データが出る前に、食べ比べは、どうですか? 

                          売れ筋・トレンド、POSに出る                  
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      グラフ1.チョコレート菓子カテゴリー、日別販売数量推移グラフ(第17週~第26週)


      表1.チョコレート菓子カテゴリー、売れ筋ランキング(第26週)


      ※ 客層の年齢目安。子供:~15才。若者:16~29才。成年:30~49才。熟年:50才~

                 (POSBANK:首都圏コンビニエンスストア250店以上、調査) 


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