年末の恒例イベントのひとつ、流行語大賞の発表が終わりました。今年は、史上初めて4つの流行語が大賞に
選ばれて、賛否両論でしたが、それだけ世の中が多様化し、流行の変化が激しいともいえます。「10年ひと昔」
と呼ばれたサイクルの時代は終わりを告げ、いまや「1年でひと昔」の変化の時代になってきました。この1年
の身近な日常生活にフォーカスを当ててみると、カウンタコーヒーとか、コンビニコーヒーと呼ばれる低価格の
本格コーヒがブームになり、コーヒーの飲用比率が低かった女性たちが、コンビニで購入しているシーンをよく
見かけます。ここでも、ちょっとした嗜好の変化、ライフスタイルの変化がおこっているわけです。さらに、コ
ーヒー専門店や欧米系のコーヒーチェーンには、コーヒー豆や焙煎にこだわったコーヒーカルチャー、サードウ
エーブと呼ばれる新しいトレンドが押し寄せていますね。それでは、多くの日本人のライフスタイルに密着して
きた、缶コーヒーの状況は? 首都圏250店以上のコンビニPOSデータを集計、売れ筋とトレンドがいち早
く捉えられるPOSBANKのデータベースには、その動向が現われています。
グラフ1.は、缶入り飲料カテゴリー(ボトル缶除く缶コーヒー等嗜好飲料)、日別販売数量推移グラフです
(第40週~第49週)。第49週の売れ筋上位5商品の推移を見たものですが、今回のこの5商品、ランキン
グ順位は別として、年間を通して上位を占めている定番ブランドともいえます。グラフはその傾向を表していま
す。つまり、「ジョージアエメラルドマウンテンB」、「ボス レインボ―マウンテン」、「ボス 贅沢微糖」
が交互に1位で推移している様子が分かります。そして、先週は「ワンダモーニングショット」が1位を占めて
います。朝専用の味わいは、寒さが厳しい朝の目覚めに嬉しい存在なのでしょうか(ブラックもいいですが、砂
糖・ミルク入りは、やさしくていいですね)。また、POSBANKのデータベースをトラックバックしてみる
と、昨年も一昨年も缶コーヒーの需要期であるこの時期、「ワンダモーニングショット」が1位で推移していま
すが、テレビCMを中心としたプロモーション効果が大きいのでしょうか。とくに今年の場合は、WONDA×AKB48
キャンペーン(ワンダ限定!スペシャルイベントご招待!-1日限りのAKB48ステージ!)。この「非売品ライブ
チケット」のパワーのタマモノでしょうか? 実際に、この消費者キャンペーンがスタートした12月2日(月)
から推移グラフが上昇を始め、週末には小さなピークを見せています。それに伴ってライバルブランドは、一斉
に下降を見せているのが、推移グラフから分かります。
表1.は、缶入り飲料カテゴリー(ボトル缶除く缶コーヒー等、嗜好飲料)、売れ筋ランキングです(第49
週)。ご覧のように、「ワンダモーニングショット」が1位を占めています。とくに朝専用が売り物の缶コーヒ
ーなだけに、購入時間帯は早朝の5時から午前10時台の比率が59,7%(太字)。つまり、「ワンダモーニ
ングショット」を購入している5人のうち3人が、朝のコーヒーブレイクを楽しんでいる人という計算になりま
す。中には、缶コーヒーとほぼ同じ値段で挽きたてのコーヒーが味わえるコンビニコーヒーを選ぶのか、朝専用
の缶コーヒーにするのか、朝のコンビニのカウンターで悩んだ末にコーヒー選択をしている人も多いものと思わ
れます。いまや缶コーヒーのライバルは、缶コーヒーというカテゴリーを超えて、コンビニコーヒーだったり、
サードウエーブだったりするわけですが、朝専用という特徴を持つ「ワンダモーニングショット」の今後は?
首都圏250店以上のコンビニPOSデータを集計、売れ筋とトレンドがいち早く捉えられるPOSBANKの
データに、その動向はどう映るのでしょうか。
売れ筋・トレンド、POSに出る
POSBANK
グラフ1.缶入り飲料カテゴリー(ボトル缶除く缶コーヒー等嗜好飲料)、日別販売数量推移グラフ(第40週~第49)
表1.缶入り飲料カテゴリー(ボトル缶除く缶コーヒー等、嗜好飲料)、売れ筋ランキング(第49週)
※ 客層の年齢目安。子供:~15才。若者:16~29才。成年:30~49才。熟年:50才~
(POSBANK:首都圏コンビニエンスストア250店以上、調査)