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しずくな日記

書きたいなあと思ったときにぽつぽつと、しずくのように書いてます。

電車に乗って

2012-07-31 21:43:37 | 日記
夏休みに突入した23日からずっとやっていた補習もやっと一段落。
今日は補習+5年次研修という日だった。
5年次研修は児童理解研修というもので、
地区の小学校へお邪魔して先生たちと話し合い。

小学校の先生達の時間の流れ方って、全然、中学と違うのだなあ。
中学は授業が終わると委員会、部活と18時くらいまでなんだかんだ生徒とともに活動してるけど、
小学校は授業が終わるとすぐに生徒を帰さなくてはいけないらしい。
そのあとは、ほぼ毎日のようにA研、B研という授業研究や会議をやるという。
それはそれで大変だな・・・。
小学校の先生は一日中ずーっと同じ子どもたちとともにいて、
中学では教科の先生や部活の先生が入れ替わり立ち代わり子どもを見る。
どちらの見方もすごく大事だから、小中連携ってやっぱり大事だよねえという話。
今日は学区の2校の小学校の、同じく5年次研修の先生方とお話したけど、
ちょうど私が担任している生徒たちの妹や弟がお世話になっていて、
両校の先生方と話がいろいろ通じた。かなりいろんな情報がお互いに交換できた。
その後、また学校へ帰って来て研修の報告書を書く。
たった2時間ちょっとの研修だけど、
アットホームだったし、わりと実りがあった。
けど、私の「のんびり」は人よりのんびりなんだなあと話してて実感。
ああ、だからストレスたまるのかー・・。相手にもストレスを感じさせてなきゃいいけど・・。


外で活動してる部活も一つ。
もう職員室には誰もいない。。。夏休みモードの職員室。


電車の中で昨日購入した、萩尾望都さんの「なのはな」を読んだ。
最初の「なのはな」は、「その後」を描いて欲しかったので、ちょっと物足りなかった。
真ん中の放射性物質3部作は、まだぎこちない感じの話だった。
でも、放射性物質を「人間に奉仕したいと願う無邪気な人格」として表現したのは、
なんだか核心をついているような気がした。利用してる人間が悪なのだ。


けど最後の「なのはな 幻想『銀河鉄道の夜』」に
不覚にも電車の中でポロポロ涙が。。。。止まらないから困った。
周囲の人に不審に思われないように、気づかれないように下を向く。
マンガ読んで泣いてるとか、なんかもうかなり恥ずかしい。

「なのはな 幻想~」は宮澤賢治の「銀河鉄道の夜」と「ひかりの素足」を下敷きにしている。
津波で亡くなった方が、銀河鉄道に乗って天に昇って行くイメージは、
3・11直後、死亡した方の名前を淡々と読み上げていく真夜中のNHK放送をみたとき、
私も同じようによぎったイメージそのものだった。
なぜなら、『銀河鉄道の夜』のアニメで使用された曲がバックに流れていたからだった。
きっとこの曲を流したのは意図的で、これは祈りだと思った。
苦しかったでしょう、どうぞ安らかに、天に昇って行ってください、という祈り。

淡々と読み上げる声とその曲に、思わず泣いたのは、地震から数日経った日だった。
地震や放射能の恐怖と激しく悲しい気持ち、あんな気持ちになったのは、生まれて始めてだった。
萩尾さんも、あのニュースをみていたんだろうか。
絶対にみていたんだと私は思う。
あの時の恐怖や悲しみは、みんなが深いところで共通して感じたものだったのだろう。
そして多くの人が、同じイメージ映像を頭の中で再生していたと思う。
強くイメージすれば、それは現実になる。原子力だって、最初は夢だった。

ならば、本当にあの日の夜空に、亡くなった方を乗せた銀河鉄道が走っていたかもしれないと信じたい。

この漫画が描かれたのは2012年1月。半年前だった。

読んで良かったな。短いけど、心にじんと沁み込んだ。
そしてもう一生、忘れられないことなんだなあと、悔しく思った。



さて、明日からちょっとだけ夏休み。
避暑地じゃなくて、わざわざたぶんちょっと暑い場所。
夏休みはもう残り1ヶ月を切ってしまって。夢見心地もあと1ヶ月ない。
ずっとこのままでいたいので、
電車に乗って、私もどこかに行ってしまいたいな。
永遠に夏休みの世界とか・・・・・。
















まるで魔術のように

2012-07-31 00:21:45 | 日記
日曜日に部活で横浜美術館に行った。
奈良美智さんの展覧会「君や僕にちょっと似ている」。

奈良さんの絵は大学生のときに小説の表紙で見て、とても好きになった。
当時、奈良さんの描く子どもの絵は、
かわいいけど、どこか凶暴で孤独で悲しげだった。
魂そのものが形をもったかのようで、心魅かれるものがあった。

だから、奈良さんの展覧会が横浜である、とTwitterで知ったときから、
かなり楽しみだった。
もちろん、生徒を連れて行きたいというのもあったけど、
自分がみたかったというのも大きい。
美術部の生徒たちには、奈良さんの絵が好きだとずっと言ってたから、
奈良さん関連の新聞記事や雑誌の切り抜きなどをわざわざ持って来てくれる子もいた。

今回、最終的には生徒23名(直前にまた増えた)と卒業生3名の総勢26人。
気温も上がるということだったので、生徒の体調管理も気になったけど、
距離的に遠くないこともあって、無事に過ごすことができた。

奈良さんの描く絵が、穏やかで深くなっていた気がする。
「cosmic eyes 」「春少女」という絵の人物の瞳の色。
エメラルド、茜色、様々な美しい色彩が調和して,光り輝いているように見えた。
長い時間見ても飽きない。なんて綺麗なんだろう・・・。
生徒のことも気にかかっていたけど、これらの絵の前で、長いこと立ち尽くしていた。
無料券を持っているので、また一人で行こうと思う。
もっとよく見てみたくなった。
というか、絵の鑑賞というのは絵をみているようで、
実は自分の心と会話してるようなものなのかもしれない。


質の高いものは、心の中の、今まで閉じられていた部分を開くように思う。
そういう超常的なパワーのあるものを「芸術」と呼ぶのかも。
毎日が忙しく、気持ちまで落ち込みがちだったけど、
心に羽をもらったようだ。身体という容れ物は不完全でも、自由に心はいられる。
そういうことを、思い出した。

そうすると不思議なもので、
今まで気づかなかったものに気づいたりする。
自分でも、何で今まで気がつかなかったのか、とびっくりしたことがあった。
目は開けていても、見えてない、気づいてないことって多いのね。。

そのうちの一例。

今日の帰り際、本屋さんに寄ったら、
好きな漫画家さんのマンガで、
読んだことがなかったのが突然目に入って来た。
最近出たばっかりなのかなと思いきや、全然そうじゃなかった。
今まで、あっても私が見過ごしてきたのか・・・・・。
この人のは、逃さず全部読んでたつもりだったのだけど。


萩尾望都 「バルバラ異界」(1~3巻)



1巻だけ購入して、コーヒーショップで読んだらハマってしまった。
急いでまた違う本屋に行って、3巻まで購入。

そうしたら今度は、
同じ漫画家さんが3・11後に描いた最新作のマンガまで見つけた・・・。

萩尾望都 「なのはな」



今、「バルバラ異界」を全部読み切って、
しんとした気持ちでいる。
日常のあれこれの塵から心を洗って、
自分の求めているものを探す感度を高めてくれるのかもしれない。


こういう心が大きく動くことが呼ぶ連鎖って、芸術の超常的パワーだとよく思う。

「なのはな」は明日以降、大事に読もうと思う。
原発、放射性物質に関する物語みたい。


芸術家って、ある意味、超能力者みたいなものだなあ。
私に、心の動くものを引き寄せてくれるパワーをくれる魔術師だ。