こんばんは。今日は5cmウッドコーンの進捗情報です。
既にY.Y様からご紹介がありましたが、昨日から秋葉原のコイズミ無線様でプロトモデル(神様)のテスト展示をしています。ご興味のある方は、連休にでも行ってみてください。今のところ正式な発売日程はまだ見えないのですが、今日のメールでは中国側から「まだ正式なオーダーが来てない」とか眠いことを言っているので、これからガンガンプッシュしたいと思います。
今後の予定ですが、来週後半から1週間ほどデモ機はちょっと出張しますが、その後また販売店様に展示となる予定で、そのまま発売に向けて予約販売開始ということになりそうです。デモ機も急遽1ペア追加発注しましたので、秋葉原では麻布オーディオ様でもしばらく展示していただけそうです。
そうこうしているうちに、今日はコイズミ無線のPARC担当の方から嬉しい電話が入りました。
「冨宅さん、昨日届いた5cmウッドの件ですが・・・・」
なんだ、この微妙な沈黙は・・・・。ひょっとして音がNGとかでは? う~、やばい、どうしよう、などと頭の中をいろんな思いが駆け巡っている中、
「あれ、すごくいいですねぇ! 前回よりかなり良くなってますね。驚きました。5cmであれだけの音が出たらすごいと思います。パワー感もあるし、あれ10cmと十分勝負できるのでは。」
と絶賛のお言葉。いやぁ~、驚きました。予想していた以上の高評価です。これで疲れも吹っ飛ぶってもんです。このFさん(私じゃないですよ)は、普段あまりこういう大げさな言い方をしない方で、感想なんかもこちらから聞くと答えていただけるという感じなのですが、今回はあまりに印象が良かったので思わず電話をくださったということでした。まぁここから先は、皆様のご自身のお耳で直接店頭にてご確認いただければと思います。
気分の良くなったところで、5cmウッドの秘密をちょっとだけ。実は今回PARCオリジナルのフレームを起こすにあたり、ちょっとした工夫をいれてあります。名付けて「分散共振フレーム」。具体的には、フレームの4本のステイ(柱)の大きさ(幅)をみんな違う幅にして、単一の共振周波数を持たせないようにするという工夫です。これの元のアイデアはソニーのプロ用ユニット(SUP-L11)で採用したものですが、オリジナルのL11ではステイの幅だけでなく間隔や形状等も変え、なおかつ本数も奇数の7本にするという金型屋泣かせの凝ったものでしたが、さすがにこれをそのまま採用すると中国サイドから大ブーイングになるのは必須だったので、今回は少し妥協して幅だけを変えるということにしたのです。まぁ実際のところ、今回のフレームはABS製なのでアルミ製に比べれば共振自体がそんなに激しくはないのでこれだけの効果が特性でも一見してわかる差かと言えば答えはNOですが、たかがその小さい差と言えどもそういう小さいことが重なって最終的に良い音へとつながっていくので、予算が許す範囲でやれることは全てやったという感じです。
でもこれでも最初は中国からこんなメールがきて、彼らを納得させるのにすごく苦労しました。
For these 4 different sizes, they are no effect for the speaker unit’s specification, construction and outward. Why you want make like that?
この4本の違うサイズのステイは、スピーカーユニットのスペックや構造、外観には何の効果もない。どうしてこんなもん作りたいの?
はいはい出ました、中国サイドの決まり文句が。何の効果もないって、知りもしないで断言しないでよ。誰が効果がないのに、こんなややこしい形状にするかって。図面書くのだって大変なんですよ~!まぁそれから延々と共振分散の考え方について私のつたないブロークンイングリシュで説明しましたが、ほんと毎度のことながら疲れます。まぁ最後はやっとこちらの趣旨を理解してくれて、慎重に進めるから安心してくれ、との言葉で一件落着となったのです。今週は店頭にユニット単品のサンプルも置いてあるので、ご興味のある方は覗いてみてください。では今日はこの辺で。
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詳しいことはよくわからないのですが分散させるといったイメージでしょうか?
V社のオブリコーンの技術と同じような効果があるのかな。
5cmユニットは今年の目玉になりそうですねー
ところでこのユニットの取り付けバッフル開口径を教えて下さい。
取りあえずは手元にあるキット屋さんの樽スピーカーミニに取り付けてみようかなと考えております。
時間が出来ればオリジナルBOXを作るつもりなのですが、早く音色を聴いてみたいので取り付け口径が合えば予約します!
逆にサイズが厳しいのかも知れませんが。
>詳しいことはよくわからないのですが分散させるといったイメージでしょうか?
V社のオブリコーンの技術と同じような効果があるのかな。
はい、そのとおりです。同じような考え方は他にもあり、昔ケンウッドがやっていた変形ドームとか、フォステクスの稜線ドームなんかも同じ思想だと思います。もちろん、振動板の場合は効果が大きいので特性でもはっきりと差が出ます。
>5cmユニットは今年の目玉になりそうですねー
ありがとうございます。頑張って金型も起こしましたので、是非PARCの孝行息子になってほしいです。
>ところでこのユニットの取り付けバッフル開口径を教えて下さい。
開口径はΦ56で、端子部だけは少し逃げが必要です。ここの形状はコメント欄では書きにくいので、別途ブログでお知らせしたいと思います。それとネジピッチは、Φ65です。他社の5cmクラスよりは少し大きいかも知れませんね。
>ハセヒロさんのUMU-131XSでウッドバージョンが出来たりしますかね?
う~ん、それはちょっと今の時点では分かりかねます。でも量産サンプルを入手したら、ハセヒロ様でも是非テストしていただきたいと考えております。この子なら、もうちょっと小さいBOXでも頑張ってくれると思いますので、更に小さな卓上バックロードなんかが出来ると面白いですね。
理論的には良いはずなので、
小口径のフルレンジ、私は大好きなんです。
とても期待しています、
1インチとか2インチのフルレンジというのは、
他社のものでもこのサイズでしか出せない、
味があってどんな高級SPでもかなわない、
部分があります、ただトータルとしては、
当然様々な制限欠点があり、それを、
パークさんがどこまでつぶしているのかが、
聞き所ではないかと思ってます。
ところで5cmウッドコーンのfo(fs)はどれくらいになるのでしょうか!
よろしくお願いします。
>ただトータルとしては、当然様々な制限欠点があり、それを、パークさんがどこまでつぶしているのかが、聞き所ではないかと思ってます。
ご指摘のとおり、小口径になると制約も多くなるので、なかなか全体のバランスを取るのは難しいですが、自分で言うのもなんですが今回はかなりいい子にまとめられたと思っていますので、是非お試しいただければと思います。
>PARC様のウッドコーン8cm,10cmを愛用しています。
ありがとうございます。これで5cmを揃えると、3兄弟揃い踏みですね。(笑)
>ところで5cmウッドコーンのfo(fs)はどれくらいになるのでしょうか!
Foは160Hzです。これについては当初いろいろと迷った経緯があるのですが、それはまた後日。