俺は落語が大好きである
そんな俺に付き合って
一緒に落語に行くカミさんも好きになった
地元のホールで寄席の興業があるとチケットをチェックしてくれる
今回の立川志の輔独演会もカミさんがチケットを取ってくれた
俺は、気分的にアレだという性質があるので
チケットを取ってもらった時にはすごく楽しみだったのに
精神的にストレスが掛かっていたり
疲れがあったりすると楽しみにしていた気持ちが半減する
昨日も独演会に行く直前がそうだった
仕事を早退してきたけれど
気分が実はそんなにのっていなかった
…面倒な奴でごめんなさい。
そんな感じで席について
開演となった
…
俺は二階席、左右の飛び出した部分の壁側に座り
その隣にカミさん
その隣に50代半ば~60代ぐらいの夫婦がすわった
カミさんの隣に奥さん、その向こうに旦那さん。
…
この旦那が開演前に落語のCDを数枚購入したらしく
ビニール袋に入れて、それを膝の上に乗せて落語を聴いているんだが
カサカサ…カサカサ…カサカサ…カサカサ…
ずっといじっているのである
最初は俺もCDが入っている袋だなんて思わないから
なにかビニル袋から食いものでも出そうと思ってんのかな…ぐらいに思ってた
でも、ずっとだ。ずっと。
イライラ…イライラ…イライラ…イライラ…
俺がカミさんの席だったら絶対に『うるせぇよ』って言ってる
カミさんはそういうトラブルを起こさないように俺を通路側や、壁側にしている気がする…。
休憩時間になった
旦那さんが立って行った
俺は思わず『あ~カサカサうるさかった。』と言うと
隣の奥さんに聞こえる!!ってカミさんに突かれた
『にゃびちゃん何回も睨みつけてるんだもん…』
怒られちゃった。
睨んだわけじゃないのよ??目でアピールしただけ。
…
そのあと、カサカサジジイの奥さんもいなくなった
休憩が終わる頃に二人は戻って来て
CDを袋から出してバッグに移していた
『絶対、にゃびちゃんが言ったの聞こえたんだよ…』
そして、その空になったビニル袋を
今度は奥さんが膝に乗せて、カサカサ…カサカサ…
もう…あのさ
うんとさ…えっとさ、
俺ももうさ
『チッ!!…カバンに入れろって!!!』
って、つい言っちゃった。
もうダメ。我慢の限界だった…。
分かるよね。常識だよね。
静かに聞くのが当然だよね。
どうしても咳き込んじゃうとかって言うのと違う。
音をたてないようにするって普通に出来るはずだよね。
俺が言っちゃったあと
カミさんが何度も俺に肘でドン!ドン!って。
いやいやいや…俺は悪くないって。
…
畳んでバッグにしまったようだった。
そんなの隣の席の奴に言われなくても自発的にやれよ。マジでさ。
俺も気分が悪くなるけど
言われた方だって気分が悪いでしょうに。
…俺がそうやって声に出したから
後半の落語は雑音無しで聞くことが出来た。
そして、それは本当に素晴らしいものだった。
どういう演目だったのかを書きたいけれど
このあと、違う会場でも同じ演目だと
間違って読んじゃった人がガッカリするだろうからやめておこう。
来年も来るそうだ
来年も行けるといいなぁ…と思う。
そして来年は、マナーのいいお客さんに恵まれたいなと思う。