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パチャママ的あぐりびと通信

茨城県石岡市、有機生産・飯田農園の妻(焼き物屋)が現場からお届けする日々雑多有機的考察。

保温折衷苗代

2008年05月15日 | 食を思う、農を想う。
5月。山の緑も鮮やかです。
里のたんぼはもうほとんど田植えが済み、水面には周囲の山々の姿が逆さになって映りこみ、
水の満ちた田んぼの中では小さな苗が風にそよいでいます。

さて、山の我が家の棚田では、まだ田んぼに水が入っていません。
そのかわり、棚田の1面だけに、苗がみっしり育っています。

これは、「保温折衷苗代」という昔ながらの苗作りで、春先に種籾をまき、その上に覆いをして田んぼのなかに直に苗を育てていきます。

有機農家の田植えは一般的に遅い時期といわれますが、実は、昔から田植えは5月末から6月ごろだったのだそう。
今では早いところでは4月末に田植えが済んでいるところもありますが、それは、農家の方の兼業がすすみ
勤め先が休みになる5月の連休中に、田植えをすませるため、という事情によるところが大きいようです。

というわけで、有機農家の田植えが遅いといっても、だいたい種籾を蒔く時期は同じくらいだそうで、
しっかり大きく育てた苗を植えるか、小さいうちに早く植えるか、という違いなのですね。

こちらにきて、初めてわかったのは、要するに、田植えは「移植」なのですね。
管理のしやすいところである程度まで育てた苗を、いよいよ大きな場所へ移してのびのびと成長させてやるとき。
それが田植え、なのですねえ。
だから、田植えのずっとまえから、お米作りの作業は始まっている、というわけです。
なるほど。

現代の一般の農家さん、いわゆる近代的農家では、苗から稲を育てるというよりは、育苗箱に育った苗を買って、
それを一気に田植え機で植えていくという形が多いのかもしれません。
5月のはじめごろには、荷台に棚を据え付けて、育苗箱をたくさん積んだ軽トラックをよくみかけますが
あの育苗箱の苗って1枚いくらなのかなあ・・・?とか考えたりします(笑)。

ちなみに一粒の種から、お米はいくつに増えると思いますか?
聞いたところによると、答えは2000粒くらい、ということですよ。
豊作、不作にもよりますが、一般には、一株に、百粒のお米がみのった房が、20房くらい実るってことですかね。

うーん、やっぱりお米ってすごいエネルギー!
一粒で2000粒に増殖するかもしれないエネルギーをわけてもらってる、と思うと、
お茶碗一杯のごはんでは、いったい何粒分になるかもしれないエネルギーが?!

ちなみにこちらでは、道のあちこちに無人精米所が設置されていますが、古い機械から最新式まで型はいろいろなのですが
今最も、最新式なのが、「低温精米」で「残米ゼロ」で、分付具合が細かく選べる、というもの。

「低温精米」がいいというのは、精米のときに温度があがると、酸化して風味が落ちてしまうので、なるべく温度が上がらないほうがいい。
「残米ゼロ」は、前の人のお米と、自分のお米が混じらない、ということ。
これは、有機栽培でがんばって米作りをしている人にとっては、大変重要なポイントです。

それから、自分のうちで作ったお米を食べていると、標準精米したお米は、とってももったいなく思えてきます。
標準精米では、栄養や旨みのある胚芽部分がほとんどない状態ですものね。
でも、我が家の場合、こどももまだ小さく、玄米では胃腸での消化が悪く、内臓が疲れるのでそれもまたもったいない。

というわけで、最近は分付設定で、5分付きにして食べています。
5分付きなら、旨みも栄養も残っていて、消化にもいい、と。
もし、みなさんも分付精米する機会があったら、7分か、5分くらいがおススメです!

というわけで、我が家でも、もう少ししたら、田植えの季節です!

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