夜明けの曳航

銀行総合職一期生、外交官配偶者等を経て大学の法学教員(ニューヨーク州弁護士でもある)に。古都の暮らしをエンジョイ中。

一言だけ

2005年04月08日 | profession

これだけ騒ぎになっているので、心配してくださっている読者の方もいらっしゃると思う。
調査委員会の調査結果が出るまでは、詳しいことは書けないが、とりあえず、私が問題の5人の教員の中の一人ではないことだけは、説明・立証しておきたい。
これは、新聞記事の文言だけから容易に証明できるので、調査を待つという大学の方針にも反さないと考える。

以下の4月4日付の朝日新聞(県版)の記事によると、

大学が法科大学院の設置をめぐり、予定教員5人の未完成論文を「完成済み」として文部科学省に申請していた問題で、完成を証明する文書が当時の紀要(論文集)委員長名で作成されていたにもかかわらず、本人の同意を得ていなかったことがわかった。設置を申請した経済学部は「申請にかかわる重要な事項はごく一部の担当者が取り仕切った」としており、無断使用を大筋で認めている。
文書は昨年6月18日付の「発刊予定証明書」。「(論文を)受領した」との文言の後に経済学部の紀要委員長の氏名と押印、「(経済学部の紀要に)掲載予定である」との文言の後に又坂常人経済学部長の氏名と押印がある。大学は同学部長を含む5人の教授、助教授の実績を示す個人調書に、この証明書を添付して申請。文科省の審査の結果、法科大学院の教授に就任することが認可された。
 
とあり、問題の5人は、申請当時助教授だった者も含めて、「法科大学院の教授」になっていることがわかる。しかし、私の肩書きは、法科大学院設立後も助教授のままである(よろしければ大学のHPで確認してください)。
よって、私がこの中に入っていないことだけはまちがいありませんので、その点は安心して信じてください。


ところで、5人のうち、一人は学部長ということで名前まで報道されているが、この人がこういうことの疑いで報道されたことについて、周囲はまったく驚いていない。

(事実かどうかは、調査委員会の調査結果が出るまでいえないので、私は報道が事実かどうか、ここではいっていない。ただ、対象者の一人はこういう人だといっているだけ。だから、大学の広報のポリシーには反していない。この点、学部長が、開講式のガイダンスで学生に「報道は事実でない」などという発言をした(4/5の朝日新聞の記事に出ている)というのは、大学全体の広報の方針(調査委員会の調査を待ってコメントする)に反するきわめて問題ある行為である。)

既に、このブログでも何度か書いているが、彼は、私がここに赴任した2年弱の間に、少なくとも2回、前期の○○法の期末試験の採点を大幅に遅らせた。
2003年度は、後期の成績表に初めて前期のその○○法(もちろん通年講義ではない)の成績が出た。
2004年度は、学長が直々に注意したために、11月の終わりにやっと採点した。
でも、学長が学部長に「早く採点しなさい」と説教するって、みっともなくないだろうか?
しかも、注意される方の専門は、法律の中でも最も手続の重要性が高い分野である。

さらに、2003年度の後期に、私は彼と、もう一人の教員と3人で授業をもっていが、彼が採点を放棄したので本当に困った。
遅らせたのでない、とうとう最後まで採点しなかったのだ。
その授業は、3人が5回ずつ講義を担当し、それぞれの教員がレポートを課して採点し、その平均点で最終成績をつけるというものだったのに、彼が「忙しい」といって、とうとう自分のレポートを採点しなかったので、二人の分だけで最終成績をつけたのである。

のみならず彼はレポートを学期終了後何ヶ月も学務係に置きっぱなしにしていた。つまり、学生が一生懸命書いたレポートを自分の研究室に持っていくことさえしていなかったということ。学生への裏切りだと思う。

やはりここに何度も書いたことだが、これは、刑法230条の2によって名誉毀損にならない。
採点していないことは学生に広く知られており、職務上知りえた秘密でもない、念のため。

しつこいようだが、私は報道の真否について発言していない。
ただ、周囲が驚いていないという現象とその理由について述べただけ。


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