おしょうしな満腹日記~伊豆のお家ひまわり~

米沢スキー場ペンションおしょうしな跡地です。
2019年より大室高原オーシャンビューの一軒家ひまわりを営業中

荻外荘(てきがいそう)

2025年03月11日 | 米沢の歴史案内
荻外荘(てきがいそう)

太平洋戦争の戦前から戦中にかけて三回総理大臣を務めた政治家、近衛文麿(このえふみまろ)の邸宅です。

戦後も近衛家の住まいでしたが現在は杉並区が所有、10年がかりの復元工事によって近衛文麿が住んでいた当時の姿を取り戻しました。
そして2024年冬から一般公開されています。


この建物を設計したのは米沢出身の建築家・建築史家伊藤忠太(いとうちゅうた)。
忠太博士は靖国神社、平安神宮、湯島聖堂など、近代を代表する寺社建築の設計者として知られています。
今回珍しく忠太博士が設計した個人住宅が東京で一般公開されたとの情報をSNSで知り、

荻外荘、どうしても訪ねたい!

との気持ちを抑えきれず、どうにか時間をやりくりして東京行きを決行しました。



杉並区荻窪の閑静な住宅街のなか、木々に囲まれた一角に荻外荘はありました。

「近衛」の表札にドキドキ。
もしかして今も近衛家の親族がここに住んでいるの?
(後で荻外荘を案内しているガイドさんに尋ねたところ、それは無いようです)


近衛文麿(1891~1945)
昭和前期に三度にわたり内閣総理大臣を務めた政治家。
近衛家は藤原道長の嫡流。天皇家に次いで日本第二の格式を誇る名家中の名家です。

文麿は総理在任中の昭和12年に荻外荘を入手し、戦後昭和20年12月荻外荘で自決するまで住み続けました。

食堂に掲げられている近衛文麿の肖像画



当初荻外荘は伊藤忠太の親族である医師入沢達吉(大正天皇の侍医)のために設計しました。
忠太博士はこの建物の設計に熱心で、実に半年をかけて設計を完成させます。そのため荻外荘には忠太博士の当時の嗜好が色濃く反映されていると思われます。

玄関に掲げられた扁額は、荻外荘の命名者西園寺公望(政治家、公家のちに侯爵)の筆跡。

納戸(?)の扉に彫られているのは近衛家の家紋“近衛牡丹”



応接間は中国風
螺鈿(貝の光沢を生かした装飾)が美しい調度品にうっとり✨




この応接室の床には一面に龍の模様のタイルが貼られています。
架空の生き物が好きだった忠太博士らしいデザインです。


天井画も龍




客間
近衛が首相を務めた戦前から戦中にかけて多くの政治家・軍の幹部らが荻外荘のこの部屋に集い、幾度も日本の岐路についての重大な決定を下します。


この客間の壁紙にも、オリエンタル好みの忠太博士らしさを感じます。


凝ったデザインの建具たち












書斎
終戦後、戦犯の疑いをかけられた近衛は、ここ荻外荘の和室で青酸カリを呑み自決します。






建物の一隅がカフェと売店になっています。
売店で荻外荘の写真集を購入。


荻外荘の入館料は300円。
そして上質な紙をふんだんに使用したこの写真集が700円。
杉並区さん、良心的過ぎます(;'∀')




荻外荘の空間にいると、おのずと現在まで日本が歩んできた道、そしてこれからの日本が進むべき道について思いをめぐらせずにいられません。

最後に、この建物を近衛文麿が暮らしていた頃の姿に忠実に復元させた杉並区の熱意に心から敬意を表します。




荻窪駅に向かうため荻外荘の敷地を出たところ、道路の反対側で新しい建物の工事をしていることに気づきました。
カフェ併設の荻外荘関連施設を作っているようです。
しかも施工は有名な隈研吾事務所^^






荻外荘はこれから地域の文化施設としてますます充実していくのでしょう。
機会を見つけてまた訪れなくてはいけません。


以上、最後までご覧いただきありがとうございました。

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大室高原 オーシャンビューの一軒家 ひまわり

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皇帝ダリア

2024年11月17日 | 民泊・ひまわり
お久しぶりの投稿です。

伊豆の夫から、いま庭に咲いている皇帝ダリアの写真が届きました。





この皇帝ダリア、夫が数年前に知人から苗を貰い育てはじめました。
その後びっくりするほど育ち、今では4〜5メートルほどの背丈です。






ダリアのなかでも皇帝ダリアは茎が木質化する種類。
日が短くなってから花芽ができるので、開花は11月下旬からだとか。今年はやや早めの開花なのでしょうか。

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富士山とパラグライダーの共演

2024年01月27日 | 民泊・ひまわり
空気が澄み、富士山がいい具合に雪を被っているこの季節。
とりわけ昨日1月26日は絶好の富士見日和でした。

伊豆スカイライン滝知山園地では、富士山とパラグライダーの共演に遭遇
パラグライダーのパイロットさん、どれほど気持ち良いいでしょうね✨
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歴史・鮭グルメ・フォトジェニックな街並み☆村上への旅

2023年08月07日 | 米沢の歴史案内
2023年7月中旬、所属しているボランティアガイド団体「おしょうしなガイドの会」の研修で、新潟県村上市を訪ねました。

3年前「おしょうしなガイドの会」に入会した直後にコロナ渦がはじまり、会の活動はほぼストップ。
その後徐々に活動が再開されていき、今回が私にとってははじめての研修旅行。
まさに遠足前の子供のように楽しみにしていたバス旅です!


米沢から村上までは国道113号で約1時間半。
行きのバスの車中でガイドの先輩方が講義が交代で講義を持ってくださいました。
・戊辰戦争時の米沢軍と新潟
・新潟の石油採掘の歴史
・阿賀北衆(あがきたしゅう、新潟北部を本拠地とした武家たちの総称)の系譜

これらの講義を拝聴していると、これから向かう村上への興味がますます広がります。
車中のとても有意義な時間でした。

講義を聴いているうちに、あっという間に村上に到着。
地元のガイドさんに案内していだたきながらの最初の見学先は「おしゃぎり会館」
おしゃぎりとは、毎年7月に開催される村上大祭で引き回される山車のことだそうです。



展示されている華やかなおしゃぎりの数々に目を奪われます。


おしゃぎり会館のロビーにはご当地出身の北京オリンピックスノーボード金メダリスト平野歩夢選手のポスターも✨

おしゃぎり会館の二階では、歴代藩主の紹介など村上の歴史を学ぶことができました。

その後、隣接する武家屋敷、若林邸を見学。

屋敷の軒先に鮭がぶら下がっています。
そう、市内三面川(みおもてがわ)を遡上してくる鮭は村上の特産なのでした。
うちへのお土産に鮭を買って帰ろうかなあ。


村上は景観の美化に力を入れているようで、若林邸そばの小学校には黒塀、近くの郵便局も石造り趣ある建物。



街のマンホール、側溝の蓋にもご当地色が
↓一枚目は村上の“市の花”ハマナス。




ここから古い町街並みを残す商店街の街歩きです。
鮭料理の店井筒屋さん
なんてフォトジェニックな建物📷✨




味わいのある建物がそこかしこに。






信用金庫の塀も黒塀です。


こちらのお店(お店の名前の記録がなくてゴメンなさい💦)では、塩引き鮭を作る現場が見学できます。
天井から無数の鮭がぶら下がる光景は圧巻です。




楼門が見事な古刹、安善寺


お楽しみの昼食は「イヨボヤ会館」の鮭尽くし御膳。
(イヨボヤとはこちらの方言で鮭のことだそうです)






イクラちゃん♡

別添えの小鉢は鮭の氷頭(ひず、頭部の軟骨)なます


午後は村上城址へ

臥牛山という山の一帯が村上城。
山頂の本丸を目指し麓からら登頂開始です。
石垣の積み方が麓と山頂部と違うことも個人的に注目ポイントです👀


7月半ばの蒸し暑い日。
おそらく15分程だった山登りですが、正直とても長~く感じました。


石垣の割れ目に自生するヤマユリ。
その美しさに登山の疲れも忘れます。




ようやく山頂の本丸跡にゴ~~~ル

村上城本丸跡から眺める日本海


中世にこの一帯新潟県東部を治めていた阿賀北衆は、非常に独立心が強い武将たち。
村上城主だった本庄繁長も上杉謙信の臣下でありながら、謙信に大規模な謀反を起こしています。その反乱はおよそ一年に及びました。

繁長もこの場所で同じ海を眺めながら、きっと対上杉謙信の戦略を練っていたことでしょう。

興味深いことに、この反乱をようやく鎮めたのち謙信は繁長を許します。
一度反乱を起こしたとはいえど、うかつに取り潰すことが出来ないほど、繁長は傑出した人物だったのでしょう。
その後本庄家は代々重臣として、長く上杉家を支えます。

長い歴史
美しい街並み
伝統の鮭料理

村上の魅力を堪能した研修旅行でした。
この旅行のためにご尽力いただいた「おしょうしなガイドの会」の先輩の方々に深く感謝いたします。


最後までご覧いただきありがとうございました。

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≪鎌倉殿ゆかりの地伊豆の国市≫ 運慶と大河ドラマ館

2022年07月21日 | 伊豆半島
いま放送中のNHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」では、伊豆が重要な舞台としてしばしば登場します。
なかでも伊豆の国市は、主人公北条義時(小栗旬)ら北条一族の本拠地。ドラマの効果で盛り上がっている様子です。
伊豆滞在中の7月初旬、私たち夫婦も大河ドラマゆかりの地伊豆の国を訪ねました。
民泊ひまわりのある伊東市と伊豆の国市は隣同士、大河ドラマ関連の施設までは車で一時間の距離です。


まず向かったのは願成就院(がんじょうじゅいん)。

願成就院は、源頼朝の奥州藤原氏征伐の成功を祈願して、義時のパパ北条時政が建立したお寺です。
またこの寺院は鎌倉時代の名仏師運慶が制作し、現在国宝に指定されている仏像群を有することでも知られています。


門をくぐり、すぐ左手にある北条時政の墓にご挨拶。


古刹らしい落ち着いた雰囲気を楽しみながら境内を散策。

地蔵堂にたくさんのだるまが奉納されているのは、この土地の習わしなのなのかな?
なんだか気持ちがほっこりします🧡❤️💛




現代の仏像???
よくわからないけど石に刻まれたひとりひとりのお顔は、それぞれに惹かれるものがありました🤔




室町時代の堀越公方(関東を治めるために京都から派遣された足利将軍家の子弟)「足利茶々丸公方」の墓所。



いよいよ運慶作の仏像群がある御堂へ。
ここで初めて入り口で拝観料一人700円を払います。
大河ドラマ効果か、平日でも参拝客が途切れることなく訪れています。


大河ドラマ「鎌倉殿の13人」では、北条時政が京都から運慶を招き、この願成就院で本尊阿弥陀如来像を作らせ、いよいよ仏像が完成したとき、お披露目の宴を開きます。
時政の嫡男義時もそのお披露目会に参加するのですが、その宴の最中に鎌倉では、義時の最愛の妻八重姫(新垣結衣)が川で溺死する、という悲劇がありました。
とても涙なしには観られない悲しいシーンでした😭 


さて、御堂のなかでは大河ドラマでも登場した阿弥陀如来像をはじめ、運慶作の5体の仏様ととても近い距離で対面することができました。またガラスケースなど御仏のの間を遮るものもありません(御堂内部は写真撮影は禁止)。

魅力的な表情
躍動感に満ちた体躯

仏像についてはまったく詳しくない私ですが、この運慶の作品群には圧倒されました。
う~ん、いつまででも観ていたい、、、

帰宅してから図書館から運慶関連の本を数冊借りて、願成就院の余韻に浸りました。
数多い運慶本のなかでも、私のおススメはこちら↓

運慶ーリアルを越えた天才仏師(とんぼの本)新潮社

山本 勉  , ヤノベ ケンジ , 橋本 麻里 , みうら じゅん (著)



2012年刊行と新しい本ではないですが、運慶のどこが優れているのかが分かりやすく解説され、写真の数々もどれも美しいです。






さて、願成就院をあとにして次に向かったのは、車で5分ほどのこちら。

「鎌倉殿の13人 伊豆の国 大河ドラマ館」(入場料300円)






↑の写真はドラマのPRに使われるメインの画像です。ただ北条義時のポーズが通常と違うことに「鎌倉殿の13人」の熱心なファンならお気づきかと思います。
ここでしか見ることができないレアなポーズだそうです😉 


          (公式HPより)
普通はこの↑ポーズ


館内はわりとこじんまりしていますが、メインキャストの直筆サインや実際に着た衣装の展示、これまでに放送された名場面集が流れていたりと、ドラマのファンとして十分に楽しめました。

ただ、ここは写真撮り放題だったのに、展示に夢中になってしまい↑の一枚しか撮らなかったのが不覚です


以上、最後までご覧いただきありがとうございました。

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