男子ツアーでTBSのスタッフの乗るカートがギャラリーをはねてケガをさせるという悲惨な事故が起こりました。
ゴルフ場でこのような事故に遭遇することは私たちでもあります。加害者にもなるし,被害者にもなる。
基本的には自動車が歩行者をはねるときと同じ理解でいい。つまり,基本的には自動車(=カート)側が悪いけれども,状況によって歩行者側の方が悪い点も考慮されて(いわゆる過失相殺),最終的に自動車側,カート側の責任がゼロになることもあったり,なかったり,ということ。
それとゴルフ場での特殊な事情として,ゴルフ場の責任も問題になることが多いです。工作物責任というやつですが,まあ,カートやゴルフ場の管理者責任みたいなもんだと思っていればOK。
【事例1】
カート道と歩行者用通路がクロスするところでカートが人をはねた事例。カートは自動運転でブレーキはかけられるがアクセルは使えない。リモコン式のやつですな。
カートに乗っていたXは談笑しており,歩行者であるYに気づかず礫過。過失あり。
ゴルフ場は過失なし。自動一時停止があれば防げる事故であった。しかし,交差を示す白線は引かれており,Xが前方を注視していれば十分防げる事故であって,ゴルフ場はカートに乗る者の前方不注視まで想定して対処する義務はない。
歩行者Yにも過失なし。歩行者は後方から来る車両を注視する義務はない。歩行者通路はカート道を横切る形になっており,歩行者を保護すべきであるのは一般道路と同じであるから,歩行者優先。しかも,今回はXの過失がでかすぎる。
なお,この事例で興味深いのは,Yさんに後遺症が残ってゴルフができなくなったことを損害としていないことです。というよりも,後遺症慰謝料として評価されており,ゴルフができなくなったことを別途評価していないという点です。
当然治療費だの何だのは損害に入ります。
(以上,大阪地裁H18.7.7判決)
まだまだ興味深い事例はありますが,長くなったので,続きはまた今度。
↓気が向いたら押してやってください。
ゴルフ場でこのような事故に遭遇することは私たちでもあります。加害者にもなるし,被害者にもなる。
基本的には自動車が歩行者をはねるときと同じ理解でいい。つまり,基本的には自動車(=カート)側が悪いけれども,状況によって歩行者側の方が悪い点も考慮されて(いわゆる過失相殺),最終的に自動車側,カート側の責任がゼロになることもあったり,なかったり,ということ。
それとゴルフ場での特殊な事情として,ゴルフ場の責任も問題になることが多いです。工作物責任というやつですが,まあ,カートやゴルフ場の管理者責任みたいなもんだと思っていればOK。
【事例1】
カート道と歩行者用通路がクロスするところでカートが人をはねた事例。カートは自動運転でブレーキはかけられるがアクセルは使えない。リモコン式のやつですな。
カートに乗っていたXは談笑しており,歩行者であるYに気づかず礫過。過失あり。
ゴルフ場は過失なし。自動一時停止があれば防げる事故であった。しかし,交差を示す白線は引かれており,Xが前方を注視していれば十分防げる事故であって,ゴルフ場はカートに乗る者の前方不注視まで想定して対処する義務はない。
歩行者Yにも過失なし。歩行者は後方から来る車両を注視する義務はない。歩行者通路はカート道を横切る形になっており,歩行者を保護すべきであるのは一般道路と同じであるから,歩行者優先。しかも,今回はXの過失がでかすぎる。
なお,この事例で興味深いのは,Yさんに後遺症が残ってゴルフができなくなったことを損害としていないことです。というよりも,後遺症慰謝料として評価されており,ゴルフができなくなったことを別途評価していないという点です。
当然治療費だの何だのは損害に入ります。
(以上,大阪地裁H18.7.7判決)
まだまだ興味深い事例はありますが,長くなったので,続きはまた今度。
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