大阪教育条例NO!

2012年、大阪で成立した教育関連条例の具体化と、「君が代」不起立処分に反対する運動の交流ブログ

「はだしのゲン」を全小中学校図書館で「閉架措置」とした松江市教委へ抗議を!

2013-08-17 23:27:25 | 安倍内閣の教育
中沢啓治さんの『はだしのゲン』が、松江市内の全小中学校の図書館で「閉架措置」されていると報道されました。

2012年8月、松江市議会に一市民が「松江市の小中学校の図書室から『はだしのゲン』の撤去を求めることについて」という陳情を提出。9月議会では継続審査、12月定例会では不採択となりました。
しかし、議会が「不採択」と下にもかかわらず、市教委が「事実上の撤去」ともいえる、「閉架措置」をとったのです。市教委は「旧日本軍がアジアの人々の首を切ったり女性への性的な乱暴シーンが小中学生には過激」と言っているように、問題視しているのは日本軍の加害描写です。

現在、松江市内の学校図書館にある『はだしのゲン』を閲覧するには教員の許可が必要、「貸し出しは禁止」になっています。これは、ヒトラーが、「非ドイツ」的とみなされた多くの著作を燃やした「焚書」を思い起こさせる許しがたい行為です。

今回、松江市に対して圧力をかけた右派は、次のターゲットとして高知市教委に同様の圧力をかけようとしているとの情報もあります。松江市教委の動きを全国化させてはなりません。そのためにも松江市市教委への抗議の声を集め、「はだしのゲン」の「貸し出しは禁止」を撤回させていきましょう。

■抗議先 
松江市教育委員会連絡先
℡:0852-55-5555  FAX:0852-55-5534

◆はだしのゲン:松江市教委、自由閲覧禁止 「描写過激」、全校に要請
毎日新聞 2013年08月17日 東京朝刊
http://mainichi.jp/feature/news/20130817ddm041100094000c.html

 漫画家の故中沢啓治さんが自らの被爆体験を基に描いた漫画「はだしのゲン」について、「描写が過激だ」として松江市教委が昨年12月、市内の全小中学校に教師の許可なく自由に閲覧できない閉架措置を求め、全校が応じていたことが分かった。児童生徒への貸し出し禁止も要請していた。出版している汐文社(ちょうぶんしゃ)(東京都)によると、学校現場でのこうした措置は聞いたことがないという。

 ゲンは1973年に連載が始まり、87年に第1部が完結。原爆被害を伝える作品として教育現場で広く活用され、約20カ国語に翻訳されている。

 松江市では昨年8月、市民の一部から「間違った歴史認識を植え付ける」として学校図書室から撤去を求める陳情が市議会に出された。同12月、不採択とされたが市教委が内容を改めて確認。「旧日本軍がアジアの人々の首を切ったり女性への性的な乱暴シーンが小中学生には過激」と判断し、その月の校長会でゲンを閉架措置とし、できるだけ貸し出さないよう口頭で求めた。

 現在、市内の小中学校49校のうち39校がゲン全10巻を保有しているが全て許可なく自由に閲覧できなくなっている。古川康徳・副教育長は「平和教育として非常に重要な教材。教員の指導で読んだり授業で使うのは問題ないが、過激なシーンを判断の付かない小中学生が自由に持ち出して見るのは不適切と判断した」と話す。

 これに対し、汐文社の政門(まさかど)一芳社長は「原爆の悲惨さを子供に知ってもらいたいと描かれた作品。閉架で風化しないか心配だ。こんな悲しいことはない」と訴えている。【宮川佐知子、山田奈緒】

◆はだしのゲン:松江市教委の閲覧制限要請 怒りや疑問の声 /広島
毎日新聞 2013年08月17日 地方版
http://mainichi.jp/area/hiroshima/news/20130817ddlk34100324000c.html

 原爆被害を伝える貴重な作品として、教育現場でも広く活用されてきた漫画「はだしのゲン」について、松江市教委が「描写が過激」だとして、市内の小中学校に対し、児童や生徒へ自由に閲覧させないよう閉架措置を取るよう求めていたことが16日判明し、広島の関係者からは怒りや戸惑いの声が挙がった。

 「ゲン」は昨年12月に73歳で亡くなった中沢啓治さんが、被爆した自らの体験を基に描いた漫画。中沢さんの妻ミサヨさん(70)は「信じられない。残虐な描写があるとのことだが、現実はこんなものではなく、主人は文献などを調べながら、どうやれば子どもたちに伝わるか考え、漫画を通して伝えてきた」と話し、「(ゲンの連載が始まってから)40年続けて訴えてきたことは何だったのか。夫は怒っているだろう」と疑問を投げかけた。

 中区の原爆資料館で開催中の「はだしのゲン」原画展を訪れていた人たちからも疑問の声が相次いだ。

 小学5、6年の娘2人と来た神奈川県鎌倉市の姜麗子さん(36)は、子供の頃からゲンを読み、中学校の文化祭ではゲンを題材に演劇をしたという。「大人になっても子供に伝えたいと思って来た。原爆の恐ろしさを伝えるのにいい作品。(閉架措置は)もったいない」と話した。

 小学校の図書館にあったゲンを夢中で読んだという滋賀県草津市の会社員、祖父江亮太さん(27)は「昔はただ怖いと思っていたが、今は戦争の原因などを考えることができるようになった。漫画だけど、事実が正確に描いてあり、リアルに当時を感じることができた」。友人の男性(27)も「漫画だから小学生も読みやすい。小学校の時に読んでいなければ今回、来ようと思わなかったかもしれない」と話した。

 会場に置かれたノートには「はだしのゲンは戦後や平成生まれの人に原爆の恐ろしさを教える貴重なしりょうでもあると思う」(12歳)「小学校の頃とはまた違う気持ちで見ることができました。子供にも読ませます」といった感想が残されていた。【植田憲尚、加藤小夜】

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