レストランORAEにお越しになった方はおわかりになると思いますが、湖畔にそびえ立つ巨木がORAEの景色の中心に在ることを。。。この木は樹齢280年のナラの木です。樹医さんに樹齢を見ていただきましたところ、実はこの3倍といわれたのですが、水場でもあり成長が早いだろうからという事で1/3にされたんですね。だから実際のところは正確にはわからないのですが、たぶんもっともっと生きているのだろうと思っています。
このナラの木には藤がからんでいて、ナラの木の幹の半分はあろうかと思われる太さでナラに寄生している事や根元を踏まれてしまっていることでだいぶ弱ってしまっています。特に強い湖畔の風や台風に何度も何度も枝を折られ、幹が裂かれ、本当に見ている私たちも身を切られる想いの災難が何度もありました。でもいかなる逆境にも抵抗することなく、あるがまま享受し、春になると何事もなかったように萌え、夏になると私たちに安らぎの木陰を作ってくれる・・・ナラはそんな繰り返しです。「人の傘になるような人間」になれと言われますが、ナラの木はそんなことを身をもって私たちに教えてくれているような気がします。
そのナラの木のふもとの砂浜は石英で、過去は鳥取砂丘のように鳴いたといいます。その奥はめのうが取れる赤浜、その奥は蹉跌がとれる黒浜といわれました。このような素晴らしい環境の中に弊店は在ります。
夕日が全ての空を真っ赤に燃え立たせる瞬間を経験することもあり、本当に感動の連続です。
私たちはこのような大自然の恩恵を受けて営みを続けさせて頂いております。様々なことを身をもって教えてくれる自然を尊敬し、私たちもそんな自然の一部で在りたいとそう思っています。
今は鳴かなくなった石英砂を元に戻したい、ナラが元気になるように保護し手当てしてあげたい、そんな想いを実現させ自然への恩返しとしたい・・・それにはまず一歩踏み出そうという事でレストラン内に「ナラの木募金」を新設いたしました。
レストランにおこしになったお客様で、湖畔の景色に心を動かされた方に、この景観を守る為のお志をお願いして今まで多くの方にご協力を頂いております。
その一歩として秋にナラの木が育んだどんぐりを拾い、爪楊枝をさして駒に加工したものを1個5円で販売し始めました。このお代金はナラの木募金へお願いしますという事で、あらゆる方に広くご協力を呼びかけております。
ナラのどんぐりを加工してご理解を頂いているのですから、この活動はナラとの共同作業だと思っています。
このような私たちの想いは「ORAE本」として、お料理をお待ち頂く間、スタッフがご案内させて頂いております。
1年に1度見られるか見られないかの夕日や四季の湖畔風景など、ぎゅっと素敵な内容が詰まった本です。
レストランにお越しの際は、是非「ORAE本」をご覧頂き、ナラの木募金にご協力を頂ければと思います。