カリフォルニア便り ーFROM OQ STUDIOー

~南カリフォルニアから~
陶芸家の器と料理、時々王様の日々

深紅のハイヒールとタフタのマント

2011年12月23日 | Fashion

アメリカは只今年間最大のパーティーシーズンでございます。

このシーズンの期間は結構長く、サンクスギビングの11月末からスタートし、

明けてニューイヤーまで続きますから何かと大変。

特にお洋服とかね。    

 

私はパーティーの為の特別な深紅のハイヒールを持っています。


昔も今も、赤はファッション的に私にとって馴染みのある色では有りません。

10年以上前のこと、バーテンダーと真夜中のビル街を歩いておりました時に、

このハイヒールが靴屋さんのショーウィンドウに飾られていました。

その靴を見た時の気持ちは、上手く言えないのですが、

私に似合う赤いハイヒールを初めて見つけた気が致しまして、

かと言って買うつもりは有りませんでしたが、しばらく眺めていました。

それから数日後、バーテンダーから手渡された包みを開けますと、

この深紅のハイヒールが入っていました。

高下駄を思わせるヒールはとても高く、普段履く事の出来る靴では有りませんが、

だからこその魅力を感じる一足です。深紅という色も、私にはとても珍しい。

色々なお洋服や靴をとっかえひっかえするのも大変楽しいことですが、

ある一つのアイテムを履き続ける又は着続ける事で、

そのアイテムを自分のキャラクターの一部にしてしまうというのも、粋なものです。

「また今年も貴女と貴女のハイヒールに会えて良かったわ~

パーティーでしか顔を合わせる機会の無い知人に声を掛けられたり致します。

私はこの一足をとても愛していますので、ヒールを履く事の出来る足腰である限り、

この季節にはこの一足を履き続けるつもりでございます。

 

今年も深紅のハイヒールの季節になったなあ。。。。と感じた晩秋、

さて、今シーズンは何を着ようか?と考えまして、

ベトナムで仕立てたきり、フォーマルクローゼットに仕舞われたままだった、

黒いタフタのマントのことを思い出しました。

マントと申しましても、防寒の役目を果たすものではなく、

ブラウスの変形と言ったところでしょうか。

しっかりと張りのあるタフタですので、ウエストをリボンで締めますと、

裾にちょいとモードなラインが生まれます。

大人の女性について、夜のパーティーでのフォーマル感と申しますのは、

デコルテの見せ方で表現するのが素敵かと思います。

このマントは大袈裟にならない程度にローブデコルテを意識しました。

私には一番似合うと思っている、浅く広くデコルテを開けるデザインで、

クラシックなフラットカラーを共布の包みボタンで留めて着ます。

ウエストのリボンを結ぶ事で、袖めいたものが出来上がりますので、

手を伸ばしたり上げたりした時、コウモリのように広がらないようになっています。

 

こちらのマントに、ジョーゼットのワイドパンツや、ビロードのロングドレス、

ちょっとマニッシュにしたい時には細身のタキシードパンツ、

思い切りクラシック気分な時には、ロングタイトスカートなどを合わせています。

つまりマントとハイヒールは固定でボトムスだけを変えていく、

名付けてモンタージュ・コーディネートです。あはは・・・

何度も同じ方と顔を合わせることも少なくないこの季節。

手持ちの服を総動員させるのではなく、明らかに同じ服と判る一着を、

全く違うコーディネートで着るのが、今年の私流でございます。

 

では