カリフォルニア便り ーFROM OQ STUDIOー

~南カリフォルニアから~
陶芸家の器と料理、時々王様の日々

四川風☆焼きタラのお鍋

2011年12月11日 | Food

台湾にビジネスパートナーが居りますので、時々出掛けます。

その時に頂くことを楽しみにしているのが台湾火鍋。

家の近所にも火鍋を食べさせてくれるレストランが有るので時々出掛けていたのですが、

どうにもこうにも出汁が塩辛すぎて、お腹がいっぱいになる前に降参。

ならば私が我が家の好みに合わせてお作り致しましょう!

但し、私の鍋は改良に改良を重ね、今や台湾の火鍋とは別物になっておりますデス。

 

冬の魚の代表であるタラ。

コレは水炊きなどの具材として人気がありますが、私が頂いておりましたものは、

正直タラの旨味を生かし切れていないと感じておりました。

そのまま茹でたタラというのは旨味が流れ出て、パサパサした食感の割に生臭い。

なので私は水炊きに使用する際は、タラを一旦酒蒸しにすることを思いつきました。

酒蒸しにしたタラを、しゃぶしゃぶのようにサッと鍋にくぐらせて頂くのです。

タラ本来の旨味を堪能出来る下処理でございます。

 

本日はタラを使ったお鍋、四川風タラ鍋。辛みの効いた出汁で頂きます

我が家のものは、もはや激辛と言えましょう。

そしてタラの下処理も水炊きとは別の方法を致します。

昆布を2~3時間水につけて出汁を取っておきます。

青梗菜

周りの大きな葉は、そのまま使い、中心部は株を縦に切って使います。

全てをバラバラにしてしまいますと、芯の部分の歯ごたえや甘みを楽しめません。

椎茸。本日は素晴らしく肉厚の椎茸をゲット致しました。

あとはお豆腐です。

みじん切りにしたニンニク、ショウガ、ネギごま油を廻しかけ火に掛けます。

私は土鍋を直接使いますが、破損が心配な場合、別鍋に作ってから移すことも可能です。

火加減は弱火。香りを出すだけの行程ですから、ジュージュー音を立てる必要は有りません。


土鍋全体が静かに暖まり、香菜の香りが立って来ましたら、

紹興酒と準備しておいた昆布だしを加えます。

今回の昆布は、非常に香り高い利尻昆布ですので、このまま終わりには致しません。

取り出した昆布に再びぬるま湯を注いで置きますと、明日の夕方までに充分な出汁が出ます。

豆板醤、オイスターソース、醤油、豆鼓の刻んだもので味を整えます。

煮立ったら、花椒を加えてしばらく煮込みます。

ペーパーで水切りをして一口大に切ったタラ小麦粉をまぶします。

油を薄くひいたフライパンで、強火でこんがりと焼き目を付けます。

この段階でとても美味しいですが、食べちゃ駄目だよ!

この焼きタラが主役の具材となります。

これは味付けしていないので王様にお裾分け出来ますよ!

タラ以外の具材を入れて、煮込みます。

全ての具材が食べごろになりましたら、テーブルに運びます。

卓上コンロに掛けながら、その都度タラを乗せ、しゃぶしゃぶのようにして頂きます。

既に火が通っていますので、暖める程度で充分。


焼き付けた小麦粉が少し柔らかくなり、香ばしいながらもツルンとした口当たりです。

ひと手間掛けた下処理で、タラ自体がおいしく頂けます。

タラは偉大です。それでも美味しい旨味が充分に四川スープに溶け出します。

本日の鍋後は、迷わずおうどん!と意見が一致いたしました。

溶き卵を廻しかけて火を止め、蓋をして2~3分。


ご覧の通り、言葉にできない程の美味しさでございます。

 

私は鍋料理を食材のごった煮にしないよう心がけております。

一つ一つの食材に相応しい下処理をして、

それぞれの美味しさのハーモニーを楽しみたいと思います。

 

では