バーテンダーにとりまして、『焼きそば』は殺し文句のようでございます。
「今日のランチは焼きそばで~す」などと発表しますと、スキップで仕事を開始致します。
厄介な仕事に取り組んでいる時を見計らって、
色々なバラエティーで焼きそば何ぞを提供しますと、元気はつらつでございます。
今日は、数ある焼きそばのレパートリーから、海鮮醤油焼きそばのご紹介。
私の使うのは、香港スタイルの極細麺です。
日本では手に入らないかもしれませんが、焼きそば用蒸し麺でも構いません。
まずは海鮮スープを作ります。
イカ、エビ、ホタテがミックスされた冷凍のシーフードミックスを使用。
ヒタヒタの水と紹興酒で、サッと火を通してしまいます。
火が通りましたら、手早くザルで水気を切ります。
いつまでもお湯の中に浸けておきますと、旨味が全部出てしまいます。
そして勿論スープは取って置き、焼きそばスープのベースとして使います。
お使いになるシーフードによっては、塩分が含まれるものも有りますので、
味見をしてから、紹興酒、醤油、砂糖を加えて、
そのまま飲んだら塩辛過ぎるくらいに調整します。
250ccと結構たっぷりですが、コレくらいは必要です。
本日使用するお野菜はネギと細切りのタケノコのみ。
私は日常、野菜を沢山頂くことを心がけては居りますが、
野菜を入れない方が美味しくし上がるのであれば、野菜などどうでも良いです。
野菜を食べたければ、別の形で補います。
この焼きそばは海鮮スープの染み込んだ麺を堪能する為の一品ですので、
お野菜はタケノコを食感を楽しむ為に、香りの為にネギを使うのみと致します。
私の使う麺は、一旦20秒程茹でる必要がありますが、通常の蒸し麺ならそのまま、
上から紹興酒と醤油を少々ふりかけて手で抑えておきます。
この時当然麺はほぐれませんから、まんべんなくまぶす必要は有りません。
袋から出したままの四角い姿で結構です。
フライパンに多めの油を引き、麺を焼き付けます。
ほぐすことは一切考えず、まるでお好み焼きのように、
両面をこのくらいの焦げ目が付くまでしっかり焼いて下さい。
ここで先ほど作った海鮮スープを加えます。かなりの量ですが、心配しないで下さい。
麺が次第にスープを吸収し、自然にほぐれて参ります。
フライパンの端を少し空けて、ネギとタケノコを乗せ暖めます。
ここで初めて麺を菜箸でほぐしながら野菜を混ぜていきます。
あんなにしっかり固まって焼けていたのが嘘のように、麺はほぐれていきます。
最後の最後でシーフードを乗せます。
鍋肌から香り付けの醤油を廻し入れ、全体を一混ぜして出来上がりです。
スープをしっかり吸った焼きそばは、全体的にはしっとりとしていますが、
最初に焼き付けておいた部分は、パリッとしています。
別茹でして最後に合わせただけのシーフードは、食材本来の味わいをしっかり楽しめますし、
そのゆで汁は、お醤油と紹興酒を加えただけで素晴らしい焼きそばソースになります。
この焼きそばのキモである、しっとり&パリッの麺の食感を出す為には、
コツを掴むまでに何度か練習が必要かもしれません。私はそうでした。
それでも、上手に出来た暁には、今までの焼きそば感が変わるかもしれませんゾ。
では