カニが大好きでございます。
東京に居りました頃は年に最低2度、北海道までカニを食しに出掛けました。
自分で食べるのみならず、他人にカニを振る舞うのが趣味だった私は、
アシスタント達を引き連れ、『私のおごりだから食え食え!』と、
カニづくしの一夜を無理矢理過ごさせたり致しました。
嬉しそうに食べる姿に、他のものを食べる時には見られない真剣さと生命力を感じるのです。
本日はそんなカニをこよなく愛する私が作るカニシュウマイのご紹介。
何度か申し上げております通り、ひき肉の扱いについて私は練らない派。
餃子も肉団子もハンバーグも、本日のシュウマイも練りません。
ですので具材は野菜と肉類を別々に下ごしらえ致します。
タマネギ、青ネギ、山芋を大きさを揃えて細かく切り、片栗粉を全体にまぶします。
水分の多い野菜を片栗粉で覆うことで、加熱時に水っぽくなる事を防ぎます。
シュウマイに山芋をお入れにならない方も多いかと思いますが、
特にホタテやカニなどのシュウマイには是非お使い頂くことをお勧め致します。
口当たりがまろやかになり、粘りが風味を閉じ込めてくれます。
すりおろしてお使い頂いても結構ですが、蒸した山芋というのは中々に風味が有るので、
私は細かく切って、形を残して使います。
鶏ひき肉、カニのほぐし身は1:2の割合。ひき肉はつなぎの役割をするだけ。
あくまでも主役はカニでございます。私はアラスカン・キングクラブの身を使います。
紹興酒、塩、コショウ、オイスターソース少々を加えて、全体をサクッと混ぜ合わせます。
雰囲気としては、スポンジケーキを焼く際に、泡立てた卵白と小麦粉を混ぜる様な感じ。
決して練らないように、全体を混ぜ合わせます。
こうしておきますと、加熱後に縮んでしまう事無く、ふっくら仕上がるのです。
カニの風味を堪能したいので、私はショウガやシャンツァイなどの香菜類は使いません。
別々に準備した食材を一つにまとめます。勿論出来る限りかき混ぜません。
これでカニだらけのシュウマイの具が出来上がりました。
これを皮に包みながら、クッキングシートを敷いたせいろに並べていきます。
並べる際の注意点ですが、練らないお約束に忠実にお作り頂けた暁には、
シュウマイが縮むのではなくふんわり膨らみますので、多少間隔を空けておきます。
これでおしまいではございませんぞ!
並べ終わったシュウマイの上に、更にメガ盛りでカニをトッピング。
贅沢です。確かに非常に贅沢ですが、
これを中華レストランでオーダーした場合をお考えください。
ここはひとつ、豪勢に参りましょうぞ
蒸しま~す。
せいろの醍醐味は、ふたを開けた時に立ち上る竹と食材の香りのハーモニー。
あはは~
どうやら最高の出来映えと見ました。
具材に下味がついておりますし、カニの持つ塩気もございますので、
お醤油は使わず、練りからしを中華黒酢で溶いたものをつけて頂きます。
本日は、普段ほとんどキッチンにお出ましにならない総料理長、バーテンダー氏が、
珠玉の一品、麻婆春雨豆腐を作ってくれましたので、
只今から、文句無しに至福のディナータイムです~。
では