Point of view

読書とかドラマとか日記とか

ミス・ポター

2008年07月26日 | ドラマ

レネ・ゼルヴィガー主演の「ミス・ポター」をDVDで観た。
レネのなんとも言いようのない笑顔とレトロな衣装を見たら、借りずにいられなかったのだけど、ピーターラビットの作者の物語、というイメージと裏腹に、嫁き遅れの物語だったので、結構胸にくるものがありました。


あいたたた。


両家に生まれた嫁き遅れの女性が、精神的にも経済的にも自立し、本当の幸せを求める物語でした。
母娘の対立とかステレオタイプで面白く、(生まれて初めて一致した意見というのが、私たちは理解しあうことはない、と言い回しが気に入りました)、その他の人物も、まぁ、見事にありがちな人物なのです。
直球勝負なのと、ピーターラビットなどのイラストが愛らしいのとで、厭味がない作品だったと思います。
退屈な作品と言い切る人も多いでしょうけど、赤毛のアンが好きな系統なら、大好きと答えるでしょう。


ジェネラル・ルージュの凱旋とブラックぺアン1988

2008年07月26日 | 読書日記

思い切って購入した単行本を、翌日図書館で観てしまったら、ちょっと泣きたくなった。


海堂尊作品はチーム・バチスタの栄光とブラックぺアン1988と医学のたまごは図書館で借り、ナイチンゲールの沈黙と螺鈿迷宮とジェネラル・ルージュの凱旋は購入したことになる。


滅多に単行本を買わない私がこれだけ買っているということは、この人の本が大好きなんだろうね。
装丁も含めて。


ジェネラルルージュの凱旋は、田口先生が語り手だけど、もちろん主役は血まみれ将軍(ジェネラル・ルージュ)の速水先生。
えらいかっこいいですよ。ええ。おっとこまえ。
無音のモニターの中に囲まれながら、ナースコールより先に、モニタ画面から危険を感じるなんて、とうとう、SFの領域に達しましたよ、作品が。
あ、前作、ナイチンゲールの沈黙でも、音楽の魔法がかかっていたから、まだこの作品のほうがオカルトやらSFの要素は薄いです。
速水部長が、火喰い鳥・白鳥が理想形と言わしめる「アクティブ・フェーズの進化系、アグレッシブ・フェーズ」を体現するため、あちこちで理論をぶったぎり、白鳥の登場シーンが少ないの何の。
しゃべっている量は、白鳥よりも、田口先生の今回の天敵・沼田先生のほうが、今回は圧倒的に多かった。
お友達になりたいのは、がんがんトンネル魔人(速水先生は魔神だけど)の島津助教授でしょうか。
誠実だし、わぁわぁ言いながら、親切な人で、行動力もあるし、子供にやさしいし、お嫁に行きたいくらいです。
速水先生はいつでもどこでもかっこよく、最後は、薔薇の花びらにまみれながら、愛を叫んでいましたしね・・・

今回は「速水部長の収賄容疑」という密告の手紙がリスクマネジメント委員会委員長の田口先生のところへ届いたために、藤原看護師という最強のブレインを背後に、田口はICUの情報を探り、田口を仮想・敵として結成された倫理委員会と対決する破目になる。
ナイチンゲールの沈黙は小児病棟が舞台だったが、本作品は、同じ時間軸で、小児病棟の下のフロアにある救急救命センターが舞台で事件が起こる。
速水は本当に収賄に関与していたのか、という謎よりも、粘着質でもったいぶった言い方をする沼田vs田口・島津・速水の同期トリオの頭脳戦が面白さのメインだった。


いっぽうブラックぺアン1988は、研修医1年目の世良先生を通してみた、若き日の高階病院長の物語。
絶対的な外科技術で君臨する外科の皇帝・佐伯のところへ、帝華大学の鬼っ子・高階がやってくる。
世良は高階のオーベン(指導される側の研修医)として、佐伯、高階、さらに天才的な外科技術を持ちながら昇進を断り続けるオペ室の悪魔・渡海に揉まれながら、彼らの天才的外科技術と因縁を垣間見ることになる。
外科医の在るべき姿は、どこにある?という永遠に繰り返される問いを抱えながら、外科医として成長していく世良くんの成長物語としても読むことができます。
こちらの作品は、おっさんばかりが権謀術数を繰り広げる、なんも厭らしい感じの作品になっており、古典的かつ期待を裏切らない内容です。
ジェネラルルージュの凱旋のキーパーソンだった花房師長の初々しい頃や、すでにふてぶてしい若き日の猫田師長もサービス登場していました。


まぁ、買っても損はなかったけど、今日、図書館でジェネラルルージュの凱旋とブラックぺアン1988を見た時は、「昨日2冊とも買わなくて良かった」と思いました。


夜のピクニック(DVD)

2008年07月23日 | つれづれ日記
恩田陸原作、本屋対象受賞作の「夜のピクニック」のDVDを観た。
予想以上に良かった。
観て楽しかった。
 
最近、お気に入りの多部未華子(鹿男あおによし)と貫地谷しほり(ちりとてちん)が出ていて、期待通りの演技だった。
特に多部未華子は、ヤスコとケンジよりも、鹿男あおによしのイトに近い、思いつめるタイプの女子高生を厭味なく演じていて、こっち系のほうがはまり役なんだと改めて思った。
主役の貴子と融は意外とセリフが少なくて、周囲の友達があれやこれや話しかける内容だけに、思いつめたときの表情、貴子と融が見つめあうときの複雑な様子が重要だ。
それが伝わってくるだけで、この映画は彼女が主役になった時点でかなり成功だ。
  
普通の高校生が、非日常の学校行事を通してテンション高めで過ごす様子が、素直に表現されているので、自分の青春のツボをぐいぐい押されたような気がした。

途中ではさまれるアニメーション(靴泥棒?)だけは、本当に必要だったのかという気がするんだけど。

足寄町商工会を激しく応援します

2008年07月14日 | つれづれ日記

足寄町、ご存じですか?
北海道にある町です。特産品は松山千春と鈴木宗男です。
酪農とラワンブキも有名です。
でも、ここで激しくお知らせしたいのは、寄町商工会のHPのキャラクターのふき子さんが素晴らしいのです。

http://www.gyu-gyu.com/

ふき子さんが、はんぱなくキモコワなのです。
こんなにインパクトがあり、質の高いデザインのウェブサイトなのに、親戚は(商工会WEBサイトのリンク集にリンクが張られているのに)、その存在を知らなかった。
もったいない。
ふき子さんのページなんて、病みつき度数が高い。

http://<WBR>www.gy<WBR>u-gyu.<WBR>com/fu<WBR>kiko/i<WBR>ndex.h<WBR>tm

 


ドラマあれこれ

2008年07月13日 | ドラマ

ドラマが始まりました。


このシーズンは、観たい刑事ものがすくない。
ゴンゾウにはなぜか惹かれない。主役自体に陰があるからかなぁ。刑事ものは、ゲストである事件関係者にだけ、フォーカスしてもらいたいんですが。
その男副署長は受け付けない。基本、暑苦しい主役設定のはダメだから。相棒の逆でしょ。
シバトラも少年事件しか扱わないしなぁ。


病院ものは観ないので、コードブルーとTOMORROWは最初から録画していない。


キミはん枠の金曜ナイトドラマも、ゆるい系じゃない(打撃天使ルリ)から期待してない。


結局、再放送の「きらきらひかる」(たぶん、CHANGEの最終回に合わせて、深津絵里が出ているからでしょう)を観ている。
DVDを借りて全部見たのに、2回目みても面白い。

今週みた限りでは、こんな感想。


月曜:あんどーなつ:下町ものをやらせたら、はまるなぁ、貫地谷しほり。暑苦しくなく、さわやかにやぼったく、でも可愛い。


火曜:シバトラ:小池徹平ははまり役だし、真矢みきは素敵だし、藤木直人や塚地もいい感じ切れてるし、悪くないんだけど、少年係という設定上、本気で不良の少年か、表では優等生だが裏では悪魔か、家庭の事情で荒れてる一過性の不良少年少女のいずれしか出てこないと予想する。私が好きなのは、殺人事件もののミステリーなのだ(殺人ではない)。


水曜:正義の味方:原作が好き。姉のほうはともかく(原作の姉が強烈すぎる。山田優の問題ではない)、妹のほうは志田未来の普通っぽさがいい感じかもしれない。


木曜:四つの嘘:芸達者な女優さんたち(永作博美、高島礼子、寺島しのぶ、羽田美智子)ばかりで外れがないようですが、うまいだけに、女の嫌な部分をリアル再現しそうで、落ち込むかも。原作読んで済ませようかとおもったら、脚本家が原作者なので、結構、原作を軽く無視しそうです。


金曜:魔王:チュ・ジフンに比べて魔王度が不足の大野智なのに、天使度をアピールする場面も少なく、中途半端。より天使度をアピールすることで、魔王度とのギャップが稼げるはずなのに。結局、まだ30分分しか見ていない。


土曜:ヤスコとケンジ:多部未華子のこの演技は、どこかで見たぞ。そうだ、山田太郎ものがたりだ。ともかく、彼女の厭味のない演技は、暑苦しい松岡昌宏(この場合、暑苦しいのが非常に正しい人を演じている)とバランスが良い。


前シーズンは、こんな感じ。


●科捜研の女2:毎週、見てた。録画しても、翌日には見てた。外れなし。


●キミ犯人じゃないよね:毎週、見てた。録画しても、翌日には見てた。気楽だ・・・


●ラストフレンズ:途中まで頑張ったけど、結局、録画をためてしまって、先に総集編を見ちゃったせいで、面倒になっちゃって録画を消した。


●CHANGE:まだやってる。総理大臣になってからを観ていないけど、録画はしている。5話以上たまると、そろそろ面倒になってきた。


●篤姫:まだやってる。なんとか1週間以内に見ている。今週、家定公がなくなったので、来週から急変するはず。井伊大老は、母方の実家(彦根)の人なので、地元では悪口を聞かないけど、ドラマでは嫌らしい感じが出ていて、ナイス悪役って感じ。


●9係:毎週見てた。刑事ものなので、私にとっては鉄板。


 


体力温存

2008年07月13日 | つれづれ日記

なんだろう。この暑さは。そして汗は。

この土日は、うだるような暑さ(アパート内)でした。
エアコンとめて、掃除機かけて、掃除機フィルターを掃除していたら、汗が噴き出していた。
知っている人は知ってるけど、私の汗は、首から上に集中するので、本当に見苦しいよ。

そもそも、掃除機のダストボックスが異常に掃除しづらい。
これ、絶対、設計ミス。
他社製品だから、めちゃくちゃ言ってやる。
ドライバーを使ってネジを外さないとアクセスできない空間に、めちゃくちゃゴミがたまる。
どういうことだ。
ということで、同じような人がいないかと検索したらヒットした。

http://1ken.blog55.fc2.com/blog-entry-24.html

なんと、あそこ(ゴミがたまる場所)は、圧縮板なるものを、パチッと取り外すと、アクセスできるらしい。
なんだろう。3年間も気づかなかったとは、取説読むのが好きな私が。
ということは、世間のおばさまだって、気づかないに違いない。

ぐわー、ダイソンにするーーーーっ


 はぁっ、はぁっ。危ない。

この週末「も」体力温存しましたが、なんだか月曜日は頑張れそうな気分。
大量にクエン酸(=梅エキス)を摂取したからかな。
背中が軽いです。

 


塩の街と空の中(有川浩)

2008年07月12日 | 読書日記

塩の街と空の中(有川浩)

 

図書館戦争シリーズがあるので、図書館に購入されやすいようである「有川浩」。
市立図書館にも県立図書館にもたくさん入っています。
地元の市立図書館に至っては、東野圭吾より蔵書数が多い。
(貸し出し中も多いので、東野圭吾作品には図書館の本棚でお目にかからない)
ライトノベルというか、ハーレクインというか、乙女、というか、とにかく、ベタ甘のラブストーリーと、なぜかアーミー(自衛隊はアーミーではないのか?)とSFがミックスした作品群である。
 
結論からいうと、私のストライクゾーンですけどね。

塩の街は、突然、人間が塩になってしまう現象に襲われた日本が舞台。
ソドムとゴモラのあれ。
多くが破綻してしまった現代日本にあって、なんとか懸命に生きていこうという人たちと、世界を救おうとする自衛隊の人たちと、そんな中で「空自の伝説のエースパイロット」とピュアラブ(恥)する女子高校生の物語だ。
もう、女子高生がちょっと腹立たしくもあったが(私は薄汚れた大人だ)、いいの、ピュアラブだから、と、最後までそのノリで話は進んだ。
新井素子「ひとめあなたに…」を思い出したんだけど、きっと、作者の有川浩さんも、新井元子作品は絶対好きだと思う。
あ、調べたら、やっぱりそうだった。

空の中は、2万メートルの高さの空域で起きた航空事故2件から、未確認飛行”生命”体の存在が明らかになる物語。
事故の1件は民間の開発機、もう1件は航空自衛隊。

民間機を開発していた団体から事故調査のために航空自衛隊にやってきた、自己評価は低いが実は有能な男・高巳と、
事故に居合せたが抜群の認識力から衝突を回避した若き空自の女性パイロット・光悕、
航空自衛隊機の亡くなったパイロットの息子で、未確認飛行”生命”体の剥離した一部分(一個体)とファーストコンタクトを取る高校生・瞬、
瞬の幼馴染の佳江、
民間機のパイロットの高校生の娘である真帆、
そして高い知能を持つ未確認飛行”生命”体たちが主な登場人物である。

光悕、瞬、真帆が典型的なツンデレで、とりわけ、軽めで積極的な高巳と光悕のやりとりは、「図書館戦争」ものと同様に、周囲が恥ずかしくなる展開となっております。
とはいえ、未確認飛行生命体の「白鯨」や「フェイク」とのやりとりや、彼らを取り巻く日本政府・自衛隊の動きなどが面白いし、話のメインとしては「SF」である。

 

 


赤朽葉家の伝説(桜庭一樹)

2008年07月12日 | 読書日記

赤朽葉家の伝説(桜庭一樹)

山の民が里に置いていった(といわれる)娘、万葉(まんよう)の一代記である。
万葉の娘や孫も出てくるが、結局、万葉と「赤朽葉家」と取り巻く時代を、強烈な女たちのエピソードを交えて、生真面目に、なんだかおかしく、書いてある物語だ。

嫁いだ家を支えたタツ(姑)、万葉(主人公)、毛毬(娘)、万葉の親友で婿取りをした黒菱みどりも、際立った個性を持ちながらも旧家の影響を大きく受け、時代が下って家の影響が小さくなった現代に生まれた瞳子(孫娘)は、のほほんとニート(高等遊民)していたりする。

万葉の夫の愛人・真砂とその娘・百夜は、家のまわりをぐるぐるしながら、奇妙な陰を作っている。

青春時代に人生を全て注ぎ込み、残りの人生はそのときの勢いだけで駆け抜けてしまった毛毬、は一番生き生きと描かれながら、彼女自身の心情は伝わってこない。
母から見ても、娘から見ても、奇妙な人、という感じで終始する。

制約があったからこそ濃い時代は、もう昔のことになったのだと、戦後を知らない私が思ってしまった。


読んだ読んだ

2008年07月06日 | 読書日記

生霊わたり(クロニクル千古の闇2)(ミシェル・ペイヴァー)
魂食らい(クロニクル千古の闇3)(ミシェル・ペイヴァー)
塩の街(有川浩)
通訳/インタープリター(スキ・キム)
青年のために読書クラブ(桜庭一樹)
赤朽葉家の伝説(桜庭一樹)
薄紅天女(荻原規子)
風神秘抄(荻原規子)
医学のたまご(海堂尊)
風の王国3(五木寛之)
魔界の塔(山田悠介)

読みました。