松下啓一 自治・政策・まちづくり

【連絡先】seisakumatsu@gmail.com 又は seisaku_matsu@hotmail.com

条例づくりの時間軸

2005-08-26 | 4.政策現場の舞台裏
 別の機会に、幾度となく述べているが、条例づくりと文章を書くことではない。その文章が、市民の合意、意向によって裏付けられていることが必要である。
 もし条例づくりが単に条文をつくることならは、条例の検討期間は半年もあれば十分であろうが、条例が市民によって裏付けられていることを求めるなら、この半年の前の前走期間が必要になる。

 そこで、条例づくりのスケジュールは、次のようになるのが好ましい。
 まず、市民が集まって、この制度ではこうしたいという希望やこうでだったらよいのにという願望をたくさん出し合うのである。この希望を現実との力関係で整理する作業が前段である。ついで、この生の素材を条例(条文)にする作業が続くが、前段がしっかり議論されていれば、条例づくりはスムーズにいく。
 こうした前走を形式にすると、懇談会ということになるが、条例づくりの組織は、懇談会-条例検討会というのが基本パターンになる。
 したがって、条例化には、懇談会で1年(最低でも半年)、検討会で最低半年という時間は覚悟しなければならない。

 逆に言うと、それだけ周到に計算をして条例づくりに取り組む必要がある。
 市川市といえば、アイディア市長の下、耳目を引くような政策を矢継ぎ早に打ち出しているが、市民参加条例の検討では、前段の懇談会を丹念に行っている。今は、それを集大成する条例化の段階に入っているが、前段が充実している分、条例化の作業はやりやすい。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 市民参加のコツ① 座長 | トップ | 市民参加条例づくりの市民参... »
最新の画像もっと見る

4.政策現場の舞台裏」カテゴリの最新記事