松下啓一 自治・政策・まちづくり

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説明責任

2005-08-27 | 4.政策現場の舞台裏
 せっかくの出した提言は採用されない場合がある。この場合は、行政の背信が非難の対象になる。
 逆に、提言を丸ごと採用される場合がある。この場合、民主的、市民的であるとして行政は賞賛される。
 これでいいだろうか。

 ある報告会で、会場にいた市民から、前に座っている委員会市民に対して、「彼らは何なんだ」という意見が出された。会場市民の言い分は、「私は彼らに信託したつもりはない」というのである。重要な指摘だろう。

 提言をした市民や検討委員会にメンバーにとって、出された提言の取り扱いが気になるのは当然である。自分の時間を使って一生懸命取り組んだのである。それゆえ、行政は出された提言が採用されたのか、採用されなかったのかを説明する必要がある。第一の説明責任である。
 ここで忘れてはいけない点がある。
 非採用の意見だけなく、採用された意見についても、採用された理由を説明することである。採用されたから説明は不要ではないかと奇異に感じるかもしれないが、これは誰に説明するのかという問題と密接に関係する。
 前述のように委員会委員は市民を代表するものではない。行政は委員会と同時に市民を意識して説明しなければ、説明責任を果たしたことにならない。これが採用された提言についても、なぜ採用したかを説明する理由である。
 この説明責任は、政策づくりのデュープロセスのひとつだろう。
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