松下啓一 自治・政策・まちづくり

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☆市民力の源流(相模大野)

2010-03-07 | 1.研究活動
 第4回の市民参画と協働の研究会を開催した。市民は本当に「市民力」を持っているのか、デモクラシーを担えるかを古代ギリシアや近代アメリカの経験を踏まえて考えてみた。大阪から、安武真隆さん(関西大学政策創造学部教授 西洋政治史)に来ていただいた。
 政治史からみると、デモクラシーは最悪な政治形態である。ソクラテスは、民主主義に殺され、その弟子のプラトンをして、哲人王こそが最良形態と言わしめた。フランスでは、デモクラシーの名の下に、市民の虐殺が行われ、もっとも民主的といわれるワイマール憲法からナチスが生まれる。
 それでも、民主主義の中で暮らす私たちは、この民主主義を使いこなし、この枠組みの中で、より幸せな暮らしを実現していくしかない。地方自治の中に、その道を探るヒントがあるのではないかと考え、地域で実践してきたが、今回は、古典に戻って、私たちにとっての民主主義を考えてみた。
 安武さんが、熱っぽく論じてくれ、大いに勉強になった。私が、特に印象に残ったのは、支配と被支配の交代。支配ばかりにいると、支配される立場を忘れ、また被支配ばかりでいると、無関心、他人事になる。政策決定に、時に、かかわるようになれば(そのうち自分に戻ってくるので)、公共性を考えた行動を行うようになるのではないか。まちのことを自分のことのように感じる契機となるのではないか。現在取り組んでいる市民協働型の自治基本条例づくりは、市民が公共事項にかかわることになる試みだと思う。
 思想家では、アリストテレスが興味深かった。少しずつ、読んでみることにしよう。
 今回は、参加者が少なかったが、次回のプラーヌンクスツェレ(PZ)の前段として、出てきた人が多いのに驚いた。たしかにPZを単なる参加手法としてとらえるのではなく、民主主義をどのように組み立てなおすかという基本から捉えるべきなのだろう(それによってPZのやり方も違ってくる)。
 次回は3月21日。PZをやる。お楽しみに。
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