【人生をひらく東洋思想からの伝言】
第3回
「観自在菩薩」(仏教)
般若心経の中にある有名な一節で、「観自在菩薩」という言葉があります。
「観自在菩薩」というのは、観世音すなわち、観音様のことになります。
観音様は、自由自在に、世音すなわち世間の声、大衆の心の叫び、人間の心持ちを観察されて、
我々の不安を、心の悩みを取り除くことをしてくださっています。
観自在とは、自由自在に物を見るということです。人間はだれでも、
「食欲、性欲、睡眠欲、財欲、名誉欲」という五つの欲を持っています。この五欲のために、
俺が私がという自我がでて、どうしても色めがねで物をみてしまいます。
観自在の「観」は観光の観という字になりますが、この観は、ただ見物するのではなく、心の目で観て、
その奥にある深い意味を感じ、捉えることになります。それが観察ということです。
参考資料
『ポケット般若心境』大栗道榮 中経出版